日別アーカイブ: 2008年4月4日

ニッケルハルパ/nyckelharpa



スウェーデンのフォークグループ、「ラーナ・リム」
メンバーのニクラスの奏でるニッケルハルパ


今日は、久しぶりにまた楽器のお話しです。
もうずい分前から、実は、いつかご紹介しようと目論んでいたものです。
世界の国々には、それぞれの国の民族楽器が必ず一つや二つあります。
日本なら、三味線や琴、尺八などが上げられるでしょう。
北欧の国々にどんな楽器があるのか、私など、50代になるまで何も知りませんでした。
ルーツミュージックの音源を聴いても、初めのうちは、自分がすでに知っている楽器かシンセサイザーの良く出来たものかくらいの認識しかありませんでした。
音からして、フィドルの一種だろうくらいしか想像がつかなかった私が、ニッケルハルパの写真を目にした時は、まさに晴天の霹靂と言うほどの驚きでした。
そういう発想の楽器があるということに、全く想像が追いついていませんでした。
先ず、バイオリンと大正琴とシタールを合わせたような楽器に思えましたね。
そしてこの楽器を深く知るにつれ、楽器を通してさえ、その国の文化に奥深く触れることが出来るのが分かって、以来ずっと新鮮な驚きの連続です。
説明が後になってしまいましたが、ニッケルハルパはスウェーデンの民族楽器です。
この楽器が、どのくらい国民的な楽器かということは、通貨の50クローナ札の裏に、ニッケルハルパが印刷されていることでも明らかです。
ちなみに、この札の表は、かの童話作家アンデルセンの恋人としても知られ、有名な歌姫でもあるイェニー・リンドの肖像です。
よく見ると、楽譜も刷り込まれています。
お国柄を感じますね。



まさしくニッケルハルパです。
チューニングの音程まで印刷されています。



北欧を旅したことのある方から貸していただきました。
同じヨーロッパでも、スウェーデンとノルウェーは、
今でも
ユーロじゃないそうです。


そしてもう一つのエピソードは、この楽器が決して宮廷で使われるような気取ったものではなく、いたって庶民的な楽器であったという話しです。
その昔、酒場で、楽師が愛用のニッケルハルパを置いて休憩している間に、酔った客がそれを勝手に手にとったところ、楽師が激怒して乱闘になり、客を殺してしまったというのです。
何でも「ニッケルハルパ殺人事件」と呼ばれる、よく知られたお話しだそうです。
さてさて、楽器というからには、音を聴いていただきたいですね。
幸いにも今はいい時代で、You Tube サイトに沢山ビデオがアップされています。
リンクを貼り付けておきますので、いろいろお楽しみください。
それから食工房店内でも、度々ニッケルハルパの音が、実は聴こえています。
この次ご来店の節は、ちょっと気にしてみてください。

You Tube  nyckelharpaの検索結果は<こちら>
から
Wikipedia 「ニッケルハルパ」の検索結果は<こちら>から