日別アーカイブ: 2007年7月14日

温めたり、冷やしたり・・・

食工房の作業条件は、その日に造るものによって変わります。
パンを焼く日は、作業場の温度は25℃以上を確保します。
今の時期は、問題なくこの温度が確保出来るどころか、30℃から下がらなくなる程ですから、醗酵に時間差をつけたい時は、作業場の外の涼しいところに置くことさえあります。
一方、マフィンやスコーンを焼く時は、全く逆の条件になります。
※何故そうなのかについての関連記事、<4/6> <5/18>
部屋は冷たいほど良い条件なのですが、朝からすでに30℃を超えているのですから、何とも仕方がありません。
部屋が30℃ということは、道具も機械も作業台も、全て30℃ということになります。
前にも言ったかも知れませんが、冷房はありませんので、その日の作業は、先ず冷却作戦から始まります。
材料は、すでに前の日から準備して冷凍庫や冷蔵庫に入っていますから問題なし。
ミキシングボウルは、二まわりくらい大きいボウルに氷水を入れた中に漬けます。
ドゥフックと呼ばれる回転部品は、取り外して冷凍庫の中へ。
大物のモルダーというローラーの機械は、冷凍庫には入りませんから、苦肉の策でローラーに氷を乗せて回転させながら冷やします。
当然氷が解けて水滴が滴りますから、下に受けるものを置きます。
作業台の上にも、氷を山盛りに入れたバットを置いて冷やします。
そうやって全部冷却出来るのはいいのですが、もう一つの問題は結露です。
乾いた布でいくら拭いても、すぐに結露して来ます。
こうなると後は、作業のスピードでカバーするしかありません。
あんまり結露が激しい時は、生地の水分量を調節することもあります。
それでいて、オーブンの中には熱湯を入れたバットを置いて蒸気を立てているのです。
マフィンとスコーンを焼く時は、作業中は全く戦争です。
声をかけられても返事も出来ないくらい、テンションが上がっています。
それでも手慣れるというのは恐ろしいもので、すでにこのテンポが快感になっています。
まあ、それだけ凝ったことをやるおかげで、添加物を使わず、基本素材だけでも良い食感が出せるということですね。
ちなみに真冬の頃は、ずっと気を楽にしてやっています。