日別アーカイブ: 2007年10月9日

バターが品不足!?

今日仕入れに行ってバターを注文したところ、バターが品不足で割り当てで決まった数しか入荷せず、注文の半分の数しか仕入れられませんでした。
気になりましたので、戻って来てネットで調べてみたら、牛乳の消費が落ち込んでいて、酪農界が減産を進めた結果、そのあおりでバターの生産量も落ち品不足になっているということでした。
バターは、牛乳の中に含まれる、僅かに3%余の乳脂肪分が主成分ですから、バターを生産した後には大量の脱脂乳が出来ることになります。
それがどのように消費されているのかよく知りませんが、とにかく半端な量じゃないことは確かですね。
一方、チーズも品不足のようで、こちらは輸入品が大半を占める中、近代化目覚しい中国で需要が高まっているからだそうです。
当然、バターにしてもチーズにしても、値上り傾向です。
ところで、日本の酪農界の状況はもうすでに惨憺たる状況で、これから新たに酪農を始める勇気を持つことは、いかにも大変なことと言わざるを得ません。
畜産は、国策でこれまでに大きな開発事業が何度か敢行されましたが、ほとんど全て失敗に終わり、莫大な借金を背負わされた事業者たちが悲鳴を上げています。
おまけに牛乳は、今ではアレルギー源の筆頭に上げられてしまい、実際に飲めない人も多いし、今後も消費は増えそうにありません。
しかしこのことに関して、多くの識者たちが、牛の飼育の仕方、与える飼料、薬剤投与の有無、そして殺菌処理のされ方などによる「質」の影響を見落としています。
以前、北海道で酪農をしている知人のところで実際にあった話ですが、年間通して牧草のみで薬剤の投与も無く飼育された牛の乳を、自宅で鍋で低温殺菌したもので、乳アレルギーの子に反応が出なかったそうです。
全部が全部というわけには行かないでしょうが、これは一つの示唆を与える話だと思います。
卵でも似たような話があるのです。
こんなことが、案外今後の酪農の復活に重要な関わりを持つようになるかも知れないと、私は思っています。
ちなみに食工房では、スコーンとカネリプッラ(シナモンロール)に牛乳を使いますが、会津ではお馴染みの「会津のべこの乳」を使用しています。<参照>
低温保持式殺菌の牛乳は、そのまま飲んでもとてもおいしく、身近にこういう良質な牛乳を供給してくれる業者がいることがうれしいですね。

 お知らせ
先月末の高知行きの影響で、今月の「パンだより」の発行が遅れていましたが、今日やっと出来上がり、早速先ずはホームページのダウンロードのページにPDFファイルをアップしました。
また一部配布も始めていますが、直接お送りする分は間に合わないこともあると思いますので、インターネットを使える方はそちらでご覧いただければ幸いです。

「食工房のパンだより・食欲の秋号・2007年10月」 PDFファイルへのリンクは<こちら
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