日別アーカイブ: 2007年10月12日

パン値上げ!

食工房のパンの話ではありません。
ご安心ください。

昨年あたりから、小麦の世界相場が高騰して来ていて、90%を輸入に頼っている日本では、いよいよ最終製品であるパンが値上げになるというニュースが伝わっています。
食工房は国産小麦100%なので、とりあえず関係ないかと思いましたが、気になりますので調べて見ました。
そうしたら、小麦の価格には意外なからくりがあったのですね。
日本には戦後、食糧管理法という制度がずっと維持されていて、米の方は自由化されましたが、麦の方はまだ政府の統制下にあります。
小麦の場合も、輸入も国産も全量政府が買い上げ、固定された統制価格で業者に売り渡します。
この時、国産小麦は逆ザヤと言って、高く買い上げて安く売ることで、消費者と生産者双方の利益に適うように計らっているわけです。
高く買い上げる際、農家には名目上は助成金という形で補填しているのですが、この財源は、価格の安い輸入小麦を買い上げ価格の2倍近い、国産小麦並みの価格で売ることによって出る利益で賄っているのですね。
ところが、小麦の世界相場が上がって来て、固定されていたこれまでの売り渡し価格では、差額で助成金を賄えない状況になったため、自由変動制に切り換えて実質値上げすることにしたわけです。
これによって小麦の最終価格も上がり、パンの価格にまで反映することになったというのが、今回の「パン値上げ!」のニュースの真相のようです。

以前、米も逆ザヤで統制販売されていた頃、米穀業者の知人から、「米の逆ザヤより、麦の方はもっとすごいんだよ。」と聞いたことがあり、食管維持の大変さを垣間見ていました。
結局現状では、国内の小麦生産者は輸入小麦の恩恵に与ることで、どうにか生産を続けていられる状況なのですね。
この制度が、小麦の自給率向上に貢献して来たというならまだいいのですが、小麦の自給率は概ね下がる一方で、現在10%程度だそうですから、一体何のための制度なのか、農政が批判を浴びても仕方ありませんね。
でももし、今すぐこの制度が無くなったら、国産小麦は価格が一挙に2倍以上になって、食パン1斤700円くらいになって、逆に輸入小麦のパンは1斤100円以下でしょうね。
その代わり、直に日本の小麦は絶えてなくなってしまうかも知れません。

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