日別アーカイブ: 2008年3月14日

シマリス食べたい!



レーズンとミックスナッツ入りマフィン
「シマリス君の朝ごはん」
いがらしみきおの漫画「ぼのぼの」
の影響も、実は大いにあるのです。


勘ちがいしないでくださいね。
あの可愛らしいシマリスを食べようというわけではありません。
食工房のマフィン「シマリス君の朝ごはん」を食べたいと言っているのです。
レーズンとミックスナッツが入っていて、砂糖なしの焼き菓子です。
これを初めて焼いたのは、もう21年も前のことになります。
最初は、豆乳も入っていました。
次に牛乳になって、それからどちらも無しになって、現在に至っています。

ところで、お菓子づくりの時、甘みに砂糖を使わない考え方は、自然食あるいはマクロビオティックの世界では、半ば当たり前になっています。
私たちも、子どもが甘い物好きになると、きっと後になって悔むことになると思い、お菓子は元より食生活そのものから、砂糖や甘味品を追放するというところまで行きました。
ちょっと極端だったかも知れませんが、今でも一つ良かったと思うのは、そのおかげで素材の味にとても敏感になったということです。
食品製造を商売にしている今、あの時感覚を磨くことが出来たのは、大きな収穫だったと言えます。
砂糖なしのお菓子づくりは、はっきり申し上げて、制約が多くて大変です。
砂糖の代わりにハチミツを使うことも許されませんし、メイプルシロップでも嫌がる人がいます。
ドライフルーツだけが唯一、甘みの材料として合格というわけです。
レーズンとミックスナッツ入りのマフィンを思いついた時は、私たちの食生活はちょうどそういう状況でした。
でも正直に言って、砂糖なしのお菓子は、それはそれでおいしいと思いましたね。
小麦粉の風味や使った油脂分の品質、その他何でも入れた材料の味がストレートに出て、何と何でつくってあるかすぐに分かります。
おやつに限らず毎日常食しても、何の弊害も起こらない安心感があり、これは子どもに与えるものとしては一番大切なことです。
そのようなわけで、「シマリス」ことレーズンとナッツ入りマフィンは、我が家のおやつの定番でした。

そして時は流れて子ども達も大きくなり、食工房が本格的な商売としてパンやお菓子を造るようになる中で、お菓子は嗜好品という考え方の下に砂糖なしの枠もなくなりました。
あのシュトレンのように、まわりを白砂糖とバターでガッチリ固めたようなものも、一年に一度のプレゼントと思って気持ち良く味わっています。
それでも砂糖なしのお菓子は、妙に懐かしいふるさとのような魅力を持っています。
今日はもうそれがたまらなく恋しくて、「シマリス君の朝ごはん」を半分自分たちのおやつ用として焼きました。
そして10個ばかり包装しないで取り分けました。
今日は焼き立てを食べましたが、一日経ったのもまたおいしいので、明日も楽しめます。
※なお、昨年4月にも関連記事があります。<参照>