日別アーカイブ: 2009年9月29日

湘南小麦プロジェクト

いやはや何とも、素晴らしい功績を残した方がいたものです。
「いた。」と過去形で申し上げるのは、惜しいことにこの方は、つい最近亡くなったのですね。

高橋幸夫さん。

湘南小麦プロジェクトとは、その高橋さんの呼びかけで始まった、神奈川県湘南地区の地元の小麦をパンに使おうという活動です。
単なる呼びかけにとどまらず、実際に農家に小麦の作付を依頼し、自前で製粉所を設備して、その小麦粉でパンに焼くところまで全て実現しています。


私が、実現出来たらいいなと夢見ていることを、一足先に実現した方がいたのですね。
もう少し早くこの方のことを知っていたら、神奈川県まで飛んで行ったのにと思い、とても残念です。


詳しいことは、後にご紹介するリンクを辿って関連サイトをご覧いただきたいと思いますが、一つ私の試算と符合する数値が出ていましたので、そのことについて取り上げてみます。


それは、自前で小麦栽培から製粉まで実現した場合、小麦粉の価格が500円/kg以上になるという現実です。
湘南小麦プロジェクトの場合の提案価格は、540円/kgだそうですから、私の試算に近い数字が出ています。
そうすると、前にも申し上げましたが、食パン1斤・700~900円ということになります。


高橋さんのお店、「ブーランジェリー・ブノワトン」のパンも、購入者のレビューでは、「高いけれども納得して買っている。」という声が多数を占めているようです。
残念なことにこのお店は、来年3月の閉店が決まっているそうです。


湘南小麦プロジェクトの行く末も気にかかります。


とは言え、国際的食糧事情は次第に逼迫して来ていますから、国内自給の重要性は今後益々高まるに違いありません。
農業政策、食糧政策が、根本から健全なものになってくれれば、湘南小麦プロジェクトのような取り組みは、もっともっと日の目を見ることになるはずです。


そして、それに比べてまだ何百分の一の規模に過ぎない私の取り組みも、一定の評価を得て後に続く人が出てくれることを夢見つつ、お顔も存じ上げない高橋さんのご冥福を祈るばかりの私です。


  関連サイトのご案内


 関東農政局「湘南小麦プロジェクトのネットワークづくりを目指す。」

 「おいしいパンのお取り寄せと国産小麦の販売は、伊勢原市のブノワトン」

 パナデリアが行く「神奈川県産小麦の麦踏みイベントに参加して来ました。」


ちなみに昨日、知り合いからブノワトンのパンが回って来ました。
湘南小麦で焼いたバゲット。
それ一種類のみでしたが、優しい甘みが口の中に広がる、食べやすいパンでした。
国産小麦のパンの美味しさがもっともっと認知されるまで、私も惜しまないで努力しようと思っています。