月別アーカイブ: 2009年8月

台風の接近の中、ご来店感謝の一日

今日は、朝から不安定な空模様。
ニュースは、しきりに台風の接近を伝えていました。

「今日は、お客さん来ないかも知れないね。」
「来ても来なくても、ちゃんと心構えをして店を開けておくのが商売だよ。」
連れ合いとこんなやりとりをしていました。

定休日前で焼き立ては用意していないし、ずい分売り切れて棚もさみしくなっているし、そのへんもうご存知の方も多いはずと思っていましたら、雨の中三々五々ご来店の方が。
昨日一昨日に焼いたビスケットやクッキー、スコーンがあったのが幸いでした。
おかげさまで残っていたパンも大方売れて、無事一週間が終わりました。


具合良く、残って欲しいと思っていた黒パンが少し売れ残って、明日からまたパンご飯を楽しめます。
何だか急に気温も下がって来ましたので、あたたかいスープとちょうどいい取り合わせになりそうです。


そうそう、昨日の選挙の結果です。
いよいよ政権交代ということになりましたね。
どうなって行くのでしょう・・・。
しばらくは混乱もありそうな気がします。


世界も注目しているようですね。


私は、明日は一日畑です。

カフェクラブの集い


皆さん黙々と真剣に作業中です。


結局、今朝になって新たにお申し込みがお一人。
イベントをご存じなくいらした方も巻き込んで、5名さまのご参加をいただきました。
皆さん、コーヒー豆の選別をやったことも見たこともない方がほとんど。
基本的なことから説明して、少しずつ覚えながら取り組んでいただきました。

とても地味な作業で達成する喜びも希薄な仕事ですが、実はこの選別作業、ハンドピックとも言いますが、また別名グレーディングとも言い、選別の精度次第で品質が決まってしまう、大変重要な工程なのですね。
そのことをお話ししながら、皆さんが選別したものを私がもう一度点検、拾い残しが無いかどうか一緒にチェックして、選別のノウハウを掴んでいただきました。

小一時間作業していただいて、焙煎機一釜の半分くらいを選別したところで終了といたしました。
皆さんなかなか骨が折れたご様子で、背筋を伸ばしに外に出て行かれた方もありました。

その後、「おいしいコーヒーの真実」のDVDを観ました。
重たい内容ですが、最初から最後まで目が離せない、編集の上手さに感心させられる秀作です。
私は、もう何度か見ているのですが、今日は改めて最後の方になって心の中に込み上げて来るものがあり、目頭が熱くなってどうしようもありませんでした。

みなさんそれぞれに、どのようにお心に留めていただいたでしょうか。
これから先、一杯のコーヒーのお味に何が加わるでしょうか。


食工房では、ご覧になりたい方のために、このDVDを無料で貸し出しいたします。
ご希望の方は、ご来店の際お申し出ください。

あぐり カフェ


 



画像上をポイントしてクリックすると、拡大表示します。


イベントのご案内です。
今度で3回目の開催になります。
一つの節目かと思いますが、関係者一同大変情熱的に動いています。
大いに盛り上がるのではないかと思っています。
当初から、今後永続的に続いて行くイベントにしたいと、主催者の方たちから伺っていましたので、こちらもその気持ちでお付き合いさせていただいています。
説明会にも必ず顔を出して、求められれば積極的に提案申し上げるようにしています。

今世の中はイベントラッシュで、ただ仕掛けただけでは人が集まらないことも少なくありません。
でも私は、このイベントは成功して欲しいと、半ば我が事のように熱い気持ちで臨んでいます。

この会津の意欲ある生産者と意識ある消費者が出会える場として、また通りすがりの観光客の方にとっても、立ち寄ってみたくなる魅力あるイベントとして、継続出来たらいいなと思っているのです。


私の出身地、高知の「日曜市」は全国的にも有名な、300年の歴史を誇る街路市ですが、例えばあのような風景を思い描いています。<参照1> <参照2>

今後ますます発展的に、会津全体を巻き込みながら100年先を目指して続けて行って欲しいと思っています。


      9月13日(日)


どうぞこの日をお忘れなく、会津若松市へお出かけください。
詳しいご案内は、チラシ画像をクリックして拡大画像をご覧ください。



なお明日8月30日は、食工房にて「カフェクラブの集い」を予定しております。


今のところ、1名さまのみのお申込みです。

今回のテーマは、コーヒー生豆の選別工程(ハンドピック)の体験です。
映画「おいしてコーヒーの真実」のDVDもご覧いただけます。
参加費は、今回特に無料としています。(コーヒー1杯、無料です。)


薄々予想はしていましたが、何しろテーマがテーマだけに、ちょっと敬遠されてしまったかなと・・・。
ま、ご興味のある方はお出かけください。
お申込みは不要です。

今、一番欲しいものは?


体力で造るスコーンの山


 


「今、一番欲しいものは、何?」、こんな質問をぶつけられたら皆さん、何とお答えになるでしょう・・・。
一番ありそうなのは「お金」でしょうか。
若い方たちなら、「彼女とか彼氏」でしょうか。
一方お年寄りは「健康」と仰るでしょうか。


私が今一番欲しいもの・・・、それは「体力」です。
逆を言えば、私に一番欠けているもの、それが体力です。
いい思いつきがあっても、手慣れた技能があっても、さらにご要望までいただいていても、疲れが先に出て実行出来ないようでは何ともなりません。


年齢には勝てないとしても、もう少し無理が利く体ならいいのだけど、と思うことがしばしば。
それを言ったら、下の娘にあっさりと「だったら、鍛えなくちゃね!」と言われてしまいました。
いや全く、そのとおりなんです。
子どもの頃から運動嫌いで、体育は苦手でした。
器用な方なので、運動神経そのものはそう悪くないと思いますが、いわゆる体力、持続力がなく、すぐに辛くなってしまうのですね。
それを乗り越える気力というものも希薄で、すぐに懐疑的気分に流されてしまっていました。


でもこの歳になって、全く遅い!のですが、体力の大切さその意義に、やっと気が付いた私なのです。


パン屋を続けるのに必要なのは、パンを焼く技能やセンスが先ず必要ですが、それと同じくらい体力が必要です。
私は、毎日ランニングしている料理長を知っていますが、今改めてその効用の大きさを思います。


ではでは、きっぱりと悔い改めて、明日の朝から少しずつでも体を鍛えますか!

虫の声

忙しい一日が終わりました。
夕食の後、オーブンの余熱を冷ますために、店の戸を開け放して換気をしていました。
虫が飛び込んで来るので、明かりは消しています。

今夜は雲が出て来たようで、星があまり見えません。
戸口で番をしながら涼んでいると、虫の声が聴こえて来ました。
通る車もなく、うちの換気扇以外に物音はありませんから、遠くに近くに沢山の虫の声が聴こえます。

思い立って、畑の方まで歩いてみました。
鳴いている虫の種類が、場所によって少しずつ違うみたいです。
草取りが遅れて藪になってしまった一角で、邯鄲(カンタン)の鳴き声がしていました。
秋の虫の声で印象に残るのは、この邯鄲とウマオイです。
背景のようにずっと持続していてどこで鳴いているのか、あたりを満たしているのが邯鄲の声。
そこへ「スィーッチョン、スィーッチョン」と、強烈にアクセントを付けているのがウマオイです。
コオロギやその他いろいろ、とてもにぎやかです。

でも、私の子どもの頃の記憶とは、だいぶ感じが違います。
高知と東北では無理もありませんが、こちらではクツワムシとマツムシの声を聴いたことがありません。
スズムシの声も聴こえません。
もっとも、この家の周りしか確かめていませんけど。
昔に比べて、虫の種類や数も減っているのじゃないか・・・、今度地元の人にたずねてみようと思っています。


それはそれとして。
夜寝床に入って眠りに就こうとする時、床下からコオロギの声が聴こえて来ると、私は、子どもの頃同じように布団の中でコオロギの声を聴きながら眠りに就いたことを思い出します。
私にとって、どうやらそれは安心の記憶のようです。
布団の中で虫の声を聴いていると、本当に幸せな気分になってよく眠れるのです。

「おいしいコーヒーの真実」から見えて来る、・・・

「おいしいコーヒーの真実」から見えて来る、世界経済の構図そして日本の農業の現実。

先日来、映画「おいしいコーヒーの真実」を見て、改めて気がついたことがあります。

それは、この映画の中でも語られている、1989年にコーヒーの国際価格協定が破綻しコーヒー豆の価格が暴落した前後、先進国(特にアメリカ、日本)ではバブル経済が始まり、一方開発途上国、中でもアフリカ諸国の貧困が一層厳しいものになったことです。
また、1990年以降コーヒーの売り上げ高が、それまでの年間300億ドルから800億ドルに増えたという事実。
生産者価格が暴落したのに、コーヒーの売り上げは伸びたのですから、間で商売している者は大儲けしたということになりますね。
これまでにも申し上げて来たように、コーヒーを生産する国は貧しい国、コーヒーを飲む人がいる国は裕福な国、1990年前後を境に、この構図がいっそう際立つことになったと言えそうです。

この頃からでしょうか、日本でも、ドトールやスターバックスなどファーストコーヒーと呼ばれるコーヒーショップを見かけるようになったのは・・・。

そして最近のコーヒーを巡る動向を見ると、差別化が進んで価格にものすごく大きな格差が生じています。
独自の営業作戦が成功した一部の産地や生産者は良かったと思いますが、注目度の低い産地や銘柄は品質が良くても報われないことが少なくありません。
そして、そういった隠れた逸材を探し回って掘り当てて来るのが、バイヤーたちの腕の見せどころであったりするわけです。

それはそれでいいのですが、今コーヒービジネスに群がり、次々と儲けのネタを創り出す商売人たちのやり方に、私は少々辟易しています。
消費者には、おいしいコーヒーを出来るだけ安く提供し、生産者には労働に見合った、また品質に見合った正当な報酬を支払うこと、間の仕事は出来るだけ省いて最低限の利益で奉仕すること。
これが業者に課せられた社会的使命だと、私は思います。
そうでなくては、この世界は平和になんかなりませんから・・・。


さて約20年の時間差で、今この日本で起こっていること。
それがお米の値段の暴落です。
今年は、一俵60kgが7,000円とも6,000円とも言われています。
20年前には、22,000~25,000円はしていたコシヒカリ玄米の価格です。
1/3、1/4になってしまって、これでは生産コスト割れです。

自由競争にさらすのはいいけれど、地域間の生産現場の実情を無視したのでは、格差が広がるだけです。
国際間ではその傾向がなお強く、日本の農民は意欲を失うばかりです。
どこか外国の大金持ちに、特別な価格で直取り引きしてもらわないと生き残れない現状になりそうな・・・。
すでに中国で、日本の米が高値で取引されているそうで、日本国内よりもいい商売になるのだとか!?
それはまさしく、世界各地のコーヒー生産者の現実と重なりますね。


経済の真の目的は、物と物の等価な交換をスムーズに運ぶことにあるのであって、決して富の偏在と貧困を作り出すことには無いはずだと思うのですがいかがでしょう。


  おしらせ


  8月30日(日) 午後2時より  「カフェクラブの集い」を開催します。

今回のテーマは、コーヒー生豆のハンドピックです。

「おいしいコーヒーの真実」のDVDも見られます。

参加無料です。(コーヒー1杯付き)

参加ご希望の方は、ご連絡ください。
当日の朝まで受け付けています。

他所で食べる、うちのスコーン


名水水出し紅茶(アイスティー)とスコーンのスィーツセットメニュー 500円


今日は定休日でしたが、所用を兼ねて連れ合いと共に会津若松へ。
臨時納品のために、駅カフェにも立ち寄りました。

連れ合いは、本当に久しぶりにスタッフの方のお顔を拝見し、お互い元気で良かったと感激の対面。
今日は、時間もあったし席も空いていましたので、私たちもお茶をいただいて来ました。




メニューを見ながら、さて何にしようかなと・・・。
思い立って、うちのスコーンと水出しアイスティーのセットメニューを注文。
自分で焼いたスコーンが、他所のお店のメニューになって、テーブルに運ばれて来るというのは、なかなか面白いものです。
冷静客観的な自分と、我が子が晴れの舞台に立つのを見るような恥ずかしいうれしい自分が居ます。
向かいの席に座ったお客さまも、私たちと同じくスコーンと飲み物のセットをご注文されたようでした。


 



食工房のスコーンは、こんな風にきれいに腹割れするのが特長


 


今日は、しっかりと客観的な目と舌で厳しい評価をと、先ずは写真を撮りました。
とても上手に焼き戻されて、焼き立てと同じようにきれいに上下に割れて中から湯気が立って、先ずはそれに感激。
ホイップクリームとほおづきのジャム(これがとても印象に残るおいしさでした。)が添えられていましたので、たっぷりつけていただきました。
素敵な場所と気の利いたアレンジで、我がスコーンも何か特別なご馳走のような味わいでした。

駅カフェさん、本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。



店内には、所狭しと物産の数々。
全品、made in 会津です。



今日もガラスのカットに魅せられた私。
ホームが見えるこの席がお気に入りです。


 


皆さまも、会津にお越しの際はぜひ「駅カフェ」にお立ち寄りください。


会津管内の特産品、名品の数々も販売されています。

100点の仕事




その時には、100点と思えた仕事も今ならどうでしょう・・・。


 


素晴らしい出来栄えに対し、100点という評価をしますね。
学校のテストで、嫌というほど刷り込まれた100点の呪い・・・。

それはそれとして、仕事をしているとその出来栄えに、無意識のうちにも自分で点数を付けていたりします。
それで私の場合。

私は、とにかく独学独力でやって来ましたので、師匠と仰ぐ人もこれが手本というものもありません。
そこで私にとっての100点満点は、当面自分にとって実現可能な最高の出来栄えということになっています。
ですから、時々100点が出ることはあり得ますし、やがて努力が足りていつでも100点というところに辿りつきます。

しかしその頃には、もっと上が見えるようにもなっているわけで、それまでの100点は80点に格下げとなります。
私は、そうやって向上し続けることを、自分自身に課しています。
何しろ、ここまでおいでと導いてくれる師匠はいないし、身近に手本となるような仕事ぶりに触れる機会もありません。
自分自身で向上して行くことだけが、成長の証なのです。
ですから、5年前の100点も、今なら及第点すれすれがいいところです。

モノづくりの仕事、職人の技には、まさしく果てはありません。
そしてその技と勘は、会得したその人だけのものです。
死んでしまえばそれでおしまい。
弟子がいて、吸収の限りを尽くしたとしても、全く同じ職人にはなりません。
達しないこともあるし、逆に大きく超えることだってあり得ます。
そこが面白いところなんです。

そして独学独力でも、努力次第でちゃんと世界に通用するところにまで辿りつける可能性がある。
今の私は、その匂いくらいを嗅いだような気がしています。
努力は確かに報われるらしいと・・・。

お空眺めのススメ・再び

今日は、午後あたりからとっても気持ち良く晴れて、空気も乾いてカラっとしていました。

この頃は、夕方暗くなるのがずい分早くなっていて、午後6時の閉店の後もオーブンの余熱を冷ますために、明かりを消して戸を開け放していると、やがて星が見え始めます。
涼しくなったと言っても寒いわけではなく、外にいるのが気持ちがいいくらいなので、夜のお空を眺めるのにはいい季節です。
今時、夜空に星が見える場所は街中には無いかも知れませんが、私が住んでいるこのあたりは、街灯の明かりがちょっと邪魔しますけど、空は広々していて沢山星が見えます。

正直に言わせてもらうなら、私は花火大会よりも双眼鏡を手に星空を眺めている方が、何倍かワクワクします。
同じところに同じ星があって、同じ眺めのことは分かっていても、何度でも楽しめるのは本当に不思議です。
空は広いけれど、倍率7倍集光率50倍の双眼鏡で見る空は、一挙に星の数が増えて、50倍広い世界を見ているような感じがします。

不思議な感じも、50倍強いかも知れません。
空も星も生きているような気がしてきます。
と言うより、そうに違いないのですが・・・。
そして、私たちのいるこの大地は、まさに大宇宙に面している。
当たり前のことなんですけど、とっても感激してしまいます。
どこか遠い星にいる誰かが、こちらに向かって手を振っているかも知れないと、急に手を振りたくなったりします。


星空の写真を撮る装備も技もないので、その片鱗もお見せすることが出来ないのが、正直とても残念です。


皆さまも、お空眺めいかがですか。 2008.9.16 の記事も、よかったらご覧ください。  <こちら>

ハーベスト



専用の袋が無いので、米の袋に入れています。



平成21度産 アオバ小麦



沼ノ平産ライ麦 初収穫です。


小麦とライ麦の色の違いを、よく見比べてください。


 


今年産の小麦と、もう一つ今年初めて収穫された沼ノ平産のライ麦です。
有機認証こそ取っていませんが、間違いなく無農薬有機栽培です。
生産者の方との個人的信頼関係、そして畑をいつでも見に行けること、これはどんな証文にも勝る確かな証拠だと思っています。
もちろん、私がウソを言わなければの話ですが・・・。 信用していただけますね。

今日は仕事の合間に、小麦とライ麦の栽培をお願いしている、沼ノ平地区の農家さん宅にお邪魔して来ました。
7月下旬に収穫が終わり、蔵に保管していただいている中から、30kg1袋ずつ出していただきました。
今年は、小麦は少し減収で190kgくらい、ライ麦は元々収量の少ない作物でしかも作付面積も少なかったため90kgほどの収穫だったそうです。
一年使う分に足りないかも知れませんが、無駄にしないよう大事に使って行きたいと思っています。

小麦は、昨年と同じアオバ小麦で、見た目も昨年の画像と変わりないように見えます。<参照>

驚いたのはライ麦の方で、今まで使って来たカナダ産オーガニックのものに比べて、粒の張り(膨らみ)がいいようです。
生育が良かったということでしょうか。
実際に粉に挽いて使ってみるのが楽しみです。

この他、今年は試験的に北海道のハルイブキという品種も収穫したということで、サンプルを少しいただいて来ました。
もし品質的に優れているようなら、来年に向けて栽培が可能なように、全量種として保存されます。


ところで皆さまご存じかどうか?

今年度産から、国産小麦の価格が30%も値上げになることが決定済みです。
輸入小麦の価格も、もうすでに30%ほど上がっているそうですから、いよいよ食糧危機の時代がやって来るかも知れません。

地元産の原材料を確保することの意義は、ますます重要になって来たと確信している私です。