このところ毎週、毎週、例のホアキム豆のオーダーが入ります。
焙煎前に、一釜分約1.1kgを得るために1.7kg計量し、娘たち二人と共に三人でたっぷり一時間近くかかって選別作業をしています。
それで、この豆ともうずい分長い付き合いをしているおかげで、次第に分かって来たことがあります。
この豆は、選別しなかったら最低ランクの豆だが、正確に選別すれば最高ランクの豆になるということです。
これまでに、選別の基準を厳しくしたり甘くしたり、いろいろ試して来ましたが、やはり味の良さは選別で決まるという印象は強くなる一方です。
ところで、風味を損なう元になるのは、生豆の乾燥ムラにあるというのが、このところの結論です。
微妙に湿気の多い粒が、醗酵したりカビに取り付かれたりして、変質しているのです。
しかも、これはこちらに到着する前の状態なので、こちらで対応しても減ることのないリスクです。
カビは発見しやすいのですが、醗酵豆は状態により発見が困難な場合があります。
選別は専ら目視で行いますが、はっきり悪豆と判断出来るものよりもグレーゾーンの方が多いので、なかなか難しいのです。
選別の精度を上げるには、経験を積む以外無いようですね。
これまでの経験から、多少の損失になっても拾い過ぎな位厳しく選別した方が、確実に風味は良くなるようです。
今日は、選別下の割合を正確に計量してみたところ、何と!32.8%という数字が出てしまいました。
3人で一時間かけて1/3を捨てる作業をしている勘定です。
正直、利益の出る仕事にはなっていません。
奉仕です。
ブラジルの生産者に言わせれば、「お前らはバカだ、厳し過ぎるんだよ!」と言うでしょう。
「私たちは、もっとずっと寛大だ。」とも。
そうなんです。
本当のことを言うと、日本人の風味に対する要求は、いささかデリケートに過ぎる嫌いがあるようなのです。
でも、コーヒーを嗜好品と捉えて風味の良さを競っている以上、秀逸なものを出して行かなかったら売れないのもまた事実です。
さあどうしましょう・・・。