月別アーカイブ: 2014年11月

かたいパン、食べたくなったら、おいでください!

プンパニッケル

これがプンパニッケル
あまり膨らまないように、わざと穴をあけています。
そうしないと、中が陥没してしまうのです。


プンパニッケル

プンパニッケルの切り口です。
ライ麦100%です。


堅焼き黒パン

堅焼き黒パン・大
後方は、みのりのパン
酵母の力が、麦をパンにする!


堅焼き黒パン

切り口を見てください。
白くないでしょう。これが本当の麦の色ですよ。

食工房では、ライ麦のパンを焼いています。
3種類、ライ麦入り角食パンと堅焼き黒パンとそしてプンパニッケルです。

食パンは、まあまあ普通に食べられますが、あとの二つは硬いです。
まあそれでも、本場のドイツの方から言わせれば、それほどでも・・・と仰ることでしょうが。

今年は夏以降、地元産のライ麦を使っていますので、特にプンパニッケルは粉に関しては100%地元素材のパンになっています。

そのプンパニッケル、先週からザワータイクを新しく造りなおしていますので、少し風味が変化したのにお気づきになることと思います。
そして今日のプンパニッケルは、私が自分で栽培したライ麦を使いました。
焼いている最中、あのビールを仕込んでいる時のような麦芽の焦げる匂いが一面に漂って、思わず歓声を上げた私。
初めて自分で育てた麦で焼いたパン・・・、あぁやっとここまでたどり着いたかと感慨も一入でした。

硬いけれど、じわじわと噛むほどに味わい深くなって来るプンパニッケル、ワインがおいしくなるパン。
今週は高野の食工房畑のライ麦製です!

それから堅焼き黒パンですが、形状を変えたとご報告したものの画像をお見せしていませんでした。
まあ、見てください。
大きさの具合が分かりにくいかも知れませんが、すごいボリュームです。
皮はパリッ、中はモッチリ、「スープがおいしくなるパン」と覚えておいてください。

さあさあ、かたいパンをご所望でしたら、食工房へおいでください!
明日も、皆さまのご来店をお待ちしております。

床下

床下

これでは、たまったものではありません。


床下

間に大引き1本追加。
両脇の大引きには、コンクリートブロックとゴムのスペーサーで支えの束を追加。


床下

ちょっとしたことなのですが、こうして刻みを入れて部材同士を組んでおくことは補強の基本です。
奥に見える大引きは、向かい合った部材に組み合わさっていないどころか、離れていて隙間が出来ていました。


床下

根太に使った材料は、2×4です。
今回は、入念な摺合せをする時間が無かったので、ゴムや金属板のスペーサーで高さを合わせています。

我が家はいわゆる古民家で、それも老朽化が進んであちこちガタが来ています。
借家故に、修繕はいちいち家主にお願いするしかないわけですが、細かいところは自前で修繕しながら何とかこの十年過ごして来ました。

床下は特にシロアリの被害が酷く、これまでにも何度か手入れをしているのですが、半年余り前から居間の一角の根太が折れたらしく畳が沈んで上に乗れなくなってしまいました。
それから今日まで、なかなか手が出せずよほど耐えかねていたのですが、今度の正月休みに孫たちがまたやって来ると言うので、いよいよ何とかせざるを得なくなりました。

ちょうど雪囲いも首尾よく終わったことだし、今日の休みにやらなかったらあとはチャンスが無くなると思い、畳を上げてみました。
いやはや、びっくり仰天でした。
畳二枚分の範囲の根太3本が、全て腐って折れていました。
それにしても、大して太くもない根太を一間(1.8m)飛ばして間に大引きを入れないとは、もうガッカリするような造作です。

そこで修繕ついでに、大引きを1本追加して、周辺の大引きにも束を足して補強しました。
しかし、あっちもこっちもガタガタなので、水平なんか出せるわけもなく、そのままなりに造作して元に戻しました。

床下

畳を敷いて元に戻れば、どこをどうしたのか全く誰も知らない床の下です。

畳をはぐったのがお昼前。
午後からホームセンターに材料を買いに行って、帰ってきたのが3時過ぎ。
そこから工事を始めて、完了は午後6時過ぎでした。

工事中は、それこそ頭も体も火が付いたようにカッカとして、寒いどころか汗をかいていました。
あぁ、そのせいでしょうか、今頃になってグッタリです。
これで、孫たちが来ても大丈夫!
と言うわけで、あとはコタツに入ってくつろぐことにいたします。
ではでは。

一週間の終わり、雪囲い完了!

食工房の営業の一週間がまた終わりました。
明日と明後日は、定休日です。

先週金曜日の降雪に発破をかけられて、雪囲いの設置に時間を割かざるを得ない状況の下、何とか今日までに設置完了しました。
ま、こんなに早く終えられたのは、昨年の雪囲いを完全に撤去せずに骨組みの大半を残しておいたから、という理由もあったのです。
なーんだ、そういうわけか!
でも、今年は、それで助かりました。

さて本日は、先週に続いて残留放射能の検査をしてもらいました。
検体は、先日集めたおばあちゃんたちの小豆とつい先日届いたじゅうねん(エゴマ)です。

小豆は4人分もあるので、使う時と同じように4人分を混ぜて茹で小豆にして、フードプロセサーでペースト状に加工したものを検査しました。
じゅうねんは、そのままです。

検査結果は、どちらも不検出でした。
検査精度は、機器の限界まで上げてもらっています。

検査結果詳細は、pdfファイルをご覧ください。

<小豆の検査結果・pdfファイル>
<じゅうねん(エゴマ)の検査結果・pdfファイル>

この検査は、前にも申し上げましたが、福島県の支援により商工会が実施しているもので、商工会員は無料で何度でも検査を受けられます。
検査機器の貸与とスタッフの研修と雇用まで、すべて県の支出により賄われています。

しかし、こんな恵まれた環境にもかかわらず、利用は意外に少ないそうです。
確かに、検査しても不検出になることがほぼ確実な状況の今、緊張感が薄れて来ているのかも知れません。

食工房は、油断していませんよ!
毎年、毎年のデータを積み重ねておくことが、いかに重要か!それが分かっているからです。

多分これから先も、不検出以外のデータは出ないかも知れません。
それでも、この支援制度が続くうちは、繰り返し検査を受けてデータを集めておこうと思っています。

環境放射線量も、手元の線量計の電源は今でもずっと入れっ放しです。
ちなみに現在は、室内で0.06~0.07μSv/h、屋外でも0.08μSv/hくらいで推移しています。
食工房の製品に関しては、何も懸念はないと明言出来る状況です。

万事めでたく

食工房

何を見ているのでしょう?
帽子が、まだちょっと大き過ぎましたね。
大事に持っててね。そのうち丁度になるからね。

本日は、予定通りシュトレン54本の作業を完了。
大変スムーズに手際よく、余裕で片付きました。

その余裕で、家の裏側の雪囲いを設置完了。
これは、自分でもよく出来たと思えるほどの手際。

いや、めでたい!めでたい!

そして本日は、ご来店のお客さまも三々五々お出でいただき、昨日とは打って変わってにぎやかでした。
ご近所の可愛いお客さまもいらっしゃいましたので、看板坊やのモデルをお願いしました。

このお子さん、多分、今までで最年少です。
実を言えば、何を隠そうご近所の大ちゃんの息子すすむくんです。

ありがとう!すすむくん。
君のおかげで、今日はいっぱいお客さんが来たよ。

と言うわけで、万事めでたく一日が終わりました。

明日は、シュトレン3回戦

昨日初雪が降ってからというもの、寒さの力が全然違って来ました。
冷蔵庫から冷凍庫に移ったような、そんな感じです。

さあ!シュトレンもこれからが本番です。
短時間でバターがしっかり固まるようだと、仕上がりの美しいシュトレンが出来るってわけです。

明日は、食工房のMAX3回戦54本のシュトレンを焼きます。
バターがどれだけ必要か、ですって?!
大丈夫!今週も、確保済みです。

でもね、体力勝負なんですよ、この仕事は。
生地をこねて、いざ酵母が回りだしたら、あとは焼き上げるまで息つく暇がないんです。
すごく手間がかかる作業の連続ですから。

ちよっとしたスポーツって言うか、走り続けるアスリートの気分です。
終わった後が爽快なんです。
一日で15万円分の製品を造るわけですから、もしもしくじったらどれほどの損失になるか・・・。
緊張しないわけには行きません。
その分、達成感は大きいってことですね。

シュトレンに限らず、数量に関わりなく仕事する時は、いつもこの緊張感を忘れないようにしています。
さて、シュトレンのご予約、まだまだ大丈夫です。

それこそ必死でバターの確保に奔走していますから。
何とかなります、必ず!

どうぞ、沢山、沢山、ご注文お願いいたします。

初雪が降りました。

初雪

初雪です。
この程度では、交通の支障にはなりません。
ご来店の方、ご安心ください。


初雪

このままでは、畑の大根と白菜が雪の下になってしまいます。
気ばかり焦っても、どうにもなりません。

今朝窓を開けてみたら、外はすでに白くなっていました。
そして、大きなボタ雪が降りしきっていました。

うわーっ、こりゃ大変だ!と、にわかに気が引き締まりました。
と言うのも、雪囲いがまだ全然出来ていないからです。

尤も、日中には雨に変わって、ほとんど積雪というほどにはなりませんでしたが・・・。
その空の下を、ツグミの群れが飛び回って餌を探していました。
カラスたちも、寒そうに杉の木の枝に隠れるようにとまって、「カア、カア」と切なそうに鳴いていました。
でも、人間たちが採らない柿がまだまだ鈴なりになって残っていますから、当分は食うものには困らないでしょう。

しかし、寒いだろうな・・・。
それなりに適応しているのでしょうけれど、寒さの中で餌を探すのは命がけでしょう。

そう言えば、熊の気配は遠のいたみたいです。
親子の熊がいたことは確かなのですが、冬眠場所を探してどこかに移動して行ったようです。
もうこれから先は、冬眠場所と決めた場所から遠出することはないでしょう。
今、体力を消耗すると、命取りになる可能性がありますから。

さてこれでもう、落ち葉焚きも出来なくなりました。
あとは薪ストーブを焚きたいと思っているのですが、薪は一冬分には到底足りないくらいしかありません。
何しろ忙しい毎日ですからね。
薪作りも出来ませんでした。

そして畑の大根と白菜も、生育が間に合いませんでした。
幾らかは収穫して食べられると思いますが、冬の間の保存野菜には多分なりません。
残念!

この後、どの程度暖かい日が戻って来るかその次第によっては、二回目の麦踏みが出来ないまま冬を迎えることになるかも知れません。
いずれにしても、もう間もなく畑の作業は終了。
来春までお休みです。

さてそんな中、明日も皆さまのご来店をお待ちしております。
少しでも雪が降れば、ポイント二倍になります。
道中、くれぐれもお気をつけておいでください。

長い一日

今日は忙しかったです。
長い長い一日でした。

その間、外はずーっと冷たい雨。
何時、みぞれ混じりになるかと思える雨でした。

でも食工房の作業場は、薄着の袖を腕まくりしてちょうど良いくらい。
そしてその中で、一日ずっと汗をかくほど全力投入して仕事していました。
パン焼きって、案外重労働なんですよ!
終わって配達に出かける頃は、もう早や薄暗くなっていました。

雨の中を回っていると突然、田んぼの中の道を、傘をさして自転車を漕いでいる人とすれ違いました。
風も強いのに、あれでは顔は濡れなくても半身ずぶ濡れだなぁ・・・と思いながら、帰り道を急ぎました。

でも、気の毒だなとは思わなかったんですよ。
甚だ手前勝手な想像なんですが、何と言うか、いいなぁ・・・と思ったんです。

私だって、集落の中なら歩いて出かけるし、自転車もありです。
雨が降っていたって関係ありません。
そうやって家にたどり着いて、濡れた体を乾かして、温かいお茶だったり、ご飯だったり、そしてお風呂だったり、そりゃあ幸せを感じる瞬間ですよ。

昔、車なんて無かった時代には、蓑笠つけて濡れそぼって外を歩いて出かけたのです。
辛かったに違いないけれど、だから囲炉裏の火がことさらにありがたかったし、菜っ葉だけの汁でもうれしく思えたのです。

否、そんな昔と比べようと言うのではありません。
ただ、雨風激しい寒い晩に、傘をさして自転車を漕げるって、素敵だな!と思っただけ。

明日は、雪になるところもあるらしいです。

時雨降る夜もまた・・・

今日は、曇りながらモヤッとした暖かい空気でした。
風はほとんどなく、この後のお天気の崩れを予感させる夕暮れ時でした。
そして先ほどから雨が・・・。
明日は、雪にこそならないまでも、冷たい時雨が降る一日になりそうです。

この時期の夜の雨は、心細い気持ちにさせるのものですが、この頃は逆に何だかとても安堵感を覚えるようになりました。
年齢を重ねたからでしょうか。
否、誰もがそうなるというものでもないでしょう。

不思議ですが、私は、時雨降る夜がとても愛おしい・・・。
その雨音は、挽歌のようにも聞こえます。
すべての終わるモノたちへの挽歌。
いつか、私のためにもそれは奏でられる時が来る・・・。
死ぬんだったら、今頃の季節がいいな・・・と、しばし感傷に浸る私です。

さて、明日はまた忙しいパン焼きの日。
頭の切り替えは、得意です。
ではでは。

地域の力

昨日、小豆が集まって来ました。
そして今日は、沼ノ平の農家さんのアオバ小麦を乾麺加工してもらうために、滝根町にある製麺所まで往復して来ました。

帰宅して見ると、じゅうねん(エゴマ)が届いていました。
同じ山都町内の一ノ木地区の農家さんです。
娘さんに、一時食工房のスタッフを務めてもらった、そのお母さん。

この方のじゅうねんは、今年の初め頃に一度いただいて使っていますが、とにかく香りが素晴らしい!
多分これ以上のものは無いだろうと思えるくらい・・・。

小豆、小麦、ライ麦、じゅうねん、そして自前のかぼちゃとさつまいも。
おかげさまでこのように食工房も、開業十年の間に確実に地元産原料を使える流れを作ることが出来ました。

そして各生産者の方々の力量は、それこそが地域の力と呼んでいいのじゃないかと思っています。
私は、一つ一つの生産物を使ってもう少し具体的に形のある製品にして、欲しい方に手渡す仕事をしています。
結果として、僅かながら経済効果が生まれるということです。
大した事業ではありませんが、喜びは小さくはないと自負しています。

先ずは身の回りから・・・。
昨日のおばあちゃんたちのうれしそうな顔を見て、心からそう思いました。