月別アーカイブ: 2009年10月

秋の終わり


 



 


今日は、穏やかな晴れの一日でした。
「小春日和」「Indian Summer」。
秋の終わりとやがて来る冬の訪れを予感させるような、妙に静かな空気。
そんな日の朝は決って、あたりは霧で真っ白です。


今朝は、すっかり気持ち良く目が覚めて起き出すことが出来ました。
パン生地をこねて、あたりが明るくなってシャッターを開けたら、店の前は一面霧の海でした。
何もかもがいつもと違って見えます。
瞬間、頭の中を、幼い頃からこれまでに眺めた霧の海の中の情景の数々が、駆け抜けて行きました。


そこへ柿の赤が、妙に目に留まりました。
何か、お祭り見たい・・・。


「Diospyros Kaki 神の炎・・・」こんな件が、今は亡きナナオサカキの詩の中にありましたっけ。


あと何回くらい、こんな穏やかな晴れの日があるでしょうか。
雪の季節が、すぐそこまで来ているらしいと、生き物たちが教えてくれているようです。


スズメバチの巣も、いつの間にか静かになりました。
裏の林に伏せてある原木に、ナメコが沢山出ていました。


こうして自然の気配を感じられることが、私には、何にもまして元気の薬です。

大丈夫です。

ご心配をかけてしまったかも知れません。
インフルエンザではなかったようです。
風邪様の症状の病気はいろいろあるので、一体何だったのかなと思いつつ、ひょっとして心身症的疾患ではなかったかと、訝っているところです。
いわゆる、お仕事嫌々症候群・・・。
だとしたら、まだまだ自覚が足りませんね、私。

疲れが溜まって来ているなという感じは、確かにあったのですよ。
でも一昨日は、張り切ってパン焼きの支度をして、よもや休むなどとは思っていなかったのです。
僅かに変調を感じていなくもなかったのですが、それはこのところデスクワークが多くなっているので、そのせいだと思っていました。

そうしたら夜半、喉の痛みと寝汗で目が覚めました。
風邪だ!と思い、うがいをして喉を湿らせ体が冷えないようにして、再び床に就きました。
一眠りして午前4時に目覚ましが鳴って、さてどうしようかと。
今までなら、無理に起き出してとにかくパン焼きだけは終えて、配達と後片付けをパスして、寝床に倒れ込めばいいという判断でしたが、何しろ今時、新型インフルエンザのことが頭にありますから、大事を取って休むことにしたわけです。


昨日一日横になりながら、どこでうつされたかな?と思い出しても、何も思い当りません。
そんなこんなで今朝まで微妙な体調でしたが、起き出して見たら楽に動けるのですね。
それでも少し用心しながら、マフィンとスコーンを焼きました。
午後になって、娘に配達を任せて後片づけと明日の支度を終わらせた後、少し横になって休みました。
お腹が空いて夕食もおいしく食べられたし、気持ちもしっかりして来たし、明日は4時起きでも大丈夫かなと思っています。


明日は、焼き立てパンあります。

環境の良さが財産になる時代


この山々の間の谷間で、暮らしていました。


最近になってやっとと言うか、とうとうと言うか、環境の良さも一つの財産だという考え方が、理解されるようになって来たという気がしています。
一昔前なら、開発のメリットと環境を損なうデメリットを秤にかけながらも、結局は開発を取る事例がほとんどでした。
しかしここに来て、そうも言っていられない状況になったと言うことなのでしょう。
私が子どもの頃は、高度経済成長期の真っただ中で、何はともあれ開発は善、環境のことを心配する人などいませんでした。
(実際には、極少数いたのかも知れませんが・・・。)
誰もが、新しい道路ゃ橋やトンネルが開通することを喜び、私の村はダム景気に沸いていました。
でもそうやって皆の願いを実現し続けて辿り着いたのは、環境破壊に悩む今の社会です。
そこまで来なくては分からなかったというのが嘆かわしいけれど、今からでも環境の良さを財産と考えられる方向を辿って行くなら、未来に多少の希望は抱けるのかなと思っています。


ところで先日の「勇断を支持」<参照>で取り上げた、福島県の川内村の話しをもう一度取り上げたいのです。


新聞記事にもあった通り、川内村には上水道施設がありません。
全世帯は、井戸水や天然の沢水などを利用して、自前で水を供給しているわけです。
今時、そんな方法で水の自給が可能だと言うことに、皆さま先ず驚かれると思います。
私が山暮らしをしている時も、裏山から流れ出る沢の水を直に引いて、ザル程度の網目でゴミを避けてそのまま使っていました。
それでも何の支障もありませんでした。


今日本中を探しても、上水道設備を持たないで生活出来ている自治体は3ヶ所ほどしかないそうで、その三ヶ町村が発起人になって、東京で「地下水サミット」を開催するそうです。<参照>


川内村が、風力発電プラントの建設に反対を決断した訳が、これでお分かりになると思います。
水の恵みを支える、バックヤードとしての山々を自然のままにしておくことは、電力より重要だと結論を出したわけです。


ここで今度は、わが会津はどうかと言う話しです。
水の恵みと言うなら、会津は全国でも有数の恵まれた地域だと言えます。
阿賀野川水系の水は、遠く東京の水道を賄っているのですから。
我が喜多方市は、万年雪をいただく飯豊山の伏流水が、至るところに湧き出しています。
私の家は、高台の上にありながら井戸水も利用出来ます。
どこに水脈があるのかと思いますが、もっと不思議なのは沼ノ平地区です。
山の尾根筋の鞍部に位置する集落でありながら、地区の一番高いところに大きな沼があって、いつでも水を湛えています。
灌漑用水の心配したことは、一度もないそうです。
まるで河童の頭の上の皿みたいだと、地元の方が言っておられました。
一説によると飯豊の伏流水は、何百年をかけて深い地の底を通って、周りより標高が高いところにも湧き上がって来るのだと聞いたことがあります。
そうなると、飯豊の山塊と山麓全体で巨大な水利システムが機能していることになりますね。
こういうものを、小賢しい人間の計らいで損なうようなことは、断じてあってはならないと思います。
こういうものは、未来永劫にわたってそこに暮らす人々の(野生生物も含めて)共有財産です。
会津の人々も、改めてこの水の恵みを自覚し感謝することでしょう。


これから先は、少しは流れが変わるのかな?変わらざるを得ないだろうな・・・、私は歓迎です。

Altan ライヴ at いわきアリオス


 


三年前、二年前と二度、生のアイリッシュミュージックを聴くことが出来ましたが、その後は企画も途絶えて、身近なところで来日アーティストのライヴを楽しむ機会が遠のいていました。
そこへ、あの有名なAltan(アルタン)が来日し、福島県のいわき市でコンサートがあるというニュースを、娘たちが発見して私に教えてくれました。
しかも確かめたところ、会津在住の友人が関わっているという話しで、もう何が何でも行くぞ!と決めています。

12月6日(日) いわき芸術文化交流館アリオス にて


まだチケットは残っているそうで、皆さまにもお伝えする次第です。
以下に、関係先のwebサイトを紹介しておきますので、ぜひご覧になってください。
アルタンももちろん素晴らしいですが、一緒にやって来るカトリオーナ・マッケイとクリス・スタウトの二人の演奏もとても楽しみです。
12月と言えば忙しい最中ですが、万難を排して出かけます。
今日は、少々興奮気味の私です。


http://www.plankton.co.jp/altan/index.html


http://www.plankton.co.jp/catriona_chris/index.html

すべては楽しみから


今年もパンこね用ミキサーで混ぜました。


今日は、一年4ヶ月ぶりにカリーマサラを調合しました。 <参照>
昨年6月に、一昨年の1.5倍の量を造って、さすがに一年では売り切れませんでしたが、少し前に最後の5袋が一度に掃けて売り切れとなっていました。
以前は、時間をかけてのんびりと薬屋さんか魔法使いにでもなった気分で調合を楽しんでいましたが、最近はレシピも固まっていますし、パン屋の仕事の合間にやるので、手早く終わらせてきれいに後片付けもしなくてはなりません。
それでも、楽しくないというわけではありません。


思い出して見ると、食工房の仕事というのは、パンでも焼き菓子でもコーヒーでもそしてスパイスでも、皆元を辿ると趣味あるいは楽しみのためにやっていたものばかりです。
それらをもっと極めたいと思った時に、仕事にするしかなかったというか、いつの間にか仕事になっていたというのが真相です。
ですから、正直申し上げて仕事そのものには、全く不満はありません。
敢えて言うなら、仕事になってからは、自分の好奇心や意欲が満足するところで終わりにしたのでは、飯が食えないということでしょうか。
やはり量が多くなると、体は疲れます。
でも、ほど良く休養が取れるなら、全然問題ではありません。


今日、つらつらと思い巡らせていて気がつきましたが、皆さまに食工房の製品の魅力をどこで感じていただけるか?と言うなら、それはつくり手の私たちが、仕事の中にいつも楽しみを見つけながらやっている、その辺なんですね。
その心を失わないでいるために、何が必要か・・・なんてことを言い出すと、そこから先は精神性か哲学かという話しになってしまいますので止めておきます。


ともあれ今日は、カリーマサラが約18kg出来ました。
カリーソース何皿分・・・? 10800・・・!


これから先寒い季節も、シチュー仕立てでカレーを楽しんでください。



今週のクッキーです。



今週は、ナッツクッキーのみです。


マフィンは、金曜日に「シマリス君の朝ごはん」を焼きます。

めでたく更新

 


古い許可証にも、背景色が印刷されていたはずなのですが、
6年の間に日に焼けて退色して消えてしまいました。
 


この度、菓子製造業の営業許可が期間満了となり、先日手続きを終えていました。
そして昨日、新しい許可証が手元に届きました。
とにもかくにも、最初の6年間を途中廃業することなく通過出来て、いろいろな意味で感慨も一入というところです。


それで思い出すのは、6年前の12月です。
開業準備が整い、検査を受けて合格となり、許可証が届いたのがちょうど12月25日クリスマス当日でした。
私にとっても家族にとっても、最高のクリスマスプレゼントだったと、当時の通信に記しています。
そして新しい年が明けて1月8日、食工房が開業したのでした。


これからまた二度目の更新まで、着実な継続を第一の課題にして頑張りたいと思っています。


老舗と言うにはまだまだ遠く、かと言って新規開業の華やかさや物珍しさもなく、自分たちの意欲と言う面でもきっかけを掴み難い時期ではありますね。
だからこそ、がんばり時だと言われる所以です。


幸いにも私は、次々と新しい興味を発見して飽きない人なので、実行する体力さえまかなえるなら、そう困ったことにはならないと思っています。


健康と体力維持、これからはなおいっそうこの一点にフォーカスして、精進して行きたいと思っています。


どうぞ皆さま、これからもお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

お日さまパン・木の枝スプーン・Blue Laceの洋服


直径約25cmのお日さまパン。
「ホイロの中がよく温まるよ。」と娘。
 


今日は、余り生地でお日さまパンをつくりました。
開店間もない頃、上の娘が思いついて、余り生地を使ってよくつくっていました。
その頃は、余り生地のバタールというメニューもなく、余り生地はリスパンやうさぎパン、そしてお日さまパンなどになっていました。
思えばその頃は、メニューも少なくご来店くださる方もわずか、売り上げが足りずいつも支払いに追われて気を揉んでいましたが、その代わり仕事ぶりは至ってのんびりとしたものでした。


それで思い出したのですが、当時の駐在さんの奥さんがうちのお得意さまで、可愛い男の子を連れてパンを買いに来ていました。
その子が、売り物にしないで店頭にディスプレーしてある、このお日さまパンをいつもジーッと見つめていましたので、ある時一つ余分に焼いてプレゼントしたことがありました。


今日はそんなことを思い出しながら、娘に頼んでお日さまパンを焼いてもらったというわけでした。
もう何を造っても手がこなれた私たちですが、お日さまパンにもちゃんと細かいノウハウがあって、私は忘れていましたが実際に造っていた娘はちゃんと覚えていて、やはりモノづくりは手が覚える仕事だと思い知った次第。


 


さて今日はまた、先日入荷した「工房かし」の木の枝スプーンと「Blue Lace」の洋服のご案内です。
この場に一点ずつご紹介する余裕はありませんので、集合写真それも一部のものでご勘弁いただきます。
その代わり、これからホームページ上「雑貨の部屋」に、詳しくご紹介するための準備をいたしますので、そちらをお楽しみにしていてください。



山脇隆さんの「工房かし」の木の枝スプーン。
今回入荷したものの一部です。



Blue Lace 黒田真理さんの作品の数々
今回の入荷は、手前の木のハンガーに
かかっているスカートなど5点です。


パンでも木の枝クラフトでも裁縫でも、つくり手の想いはいつも同じ。
それは、手に取っていただければ、すぐにお分かりになると思います。
皆さまのご来店、お問い合わせをお待ちしています。

改めて、ご愛顧に感謝

今日は、月一回の恒例となった会津若松市内への戸別配達に回りました。
午前中、すごい勢いでマフィンとスコーンを焼いて、遅くならないうちにと、午後一番に飛び出しました。


月に一回だけご利用の方もいらっしゃるのですが、その月一回を忘れずに必ずご注文を入れてくださるありがたさを、今日は改めて噛みしめました。


何しろ不便な場所に開業していますので、ご来店くださるのにもちょっとした決断が必要じゃないかと思うのですね。
数か月に一度、半年に一度、あるいは年に一度というお得意さまもいらっしゃいます。
それでも、必ず来てくださるありがたさ!


先日は、もうとっくに忘れてしまっていた方が、5年ぶりに(つまり開店間もない頃に一度いらしたことがおありとか・・・)また訪ねてくださったり、そんなことがある度に、長く続けることの大切さ、それもいつまでも変わらぬ姿勢で初心と誠実さを失わずに、店を開けていることの大切さを思い知るのです。


まさに「商いは」、「飽きない」。


いやでも若い頃、商売なんて一番嫌悪していたはずなのに、こんな風に納得しているとは、人生まだまだ分からんぞ!と思う私です。


最後にもう一度、ご愛顧に感謝!

小麦粉値上げの通知

今日、小麦粉の納品書と一緒に同封されていた小さな紙切れを見て、軽い驚きと共に「とうとう来たか!」と唸りました。
小麦粉の値上げです。

国内産小麦原穀の受渡価格が、30%上がったことはすでにご報告済みですが<参照>、ここに来て中間加工品である小麦粉の値上げが現実となりました。
上げ幅は、11.5%。
粉の使用割合が少ない焼き菓子類は、まだしも影響は小さいのですが、原材料のほとんどが小麦粉のパン類は、まともに影響が出ることになります。
何時からと、判断は難しいところですが、これでパンの値上げは必至となりました。


あまりうれしい予測ではありませんが、国際穀物市場は今後ますます高騰して来るのは必至でですから、それに連動して国内産小麦の値上がりも避けられないと思っています。
来年の小麦の収穫期にどんなニュースが流れるのか、もう全く予断を許さない状況となりました。


この先、小さなパン屋の行く末はどうなることやら・・・。
「飯豊小麦プロジェクト」の意義と現実味は、グッと増して来るような気がしています。