コーヒーが好きで、コーヒーを商売のネタにしている私ですが、過去には11年もの間一滴もコーヒーを飲まないで過ごしたことが、実はあるのです。
昨日の話に関係してくるのですが、マクロビオティックを厳格に実行し始めていた当時の私は、コーヒーや煙草に嫌悪感を覚えるようになり、以来11年間コーヒーを口にしませんでした。
何かというと極端から極端へ走る性格の私は、コーヒーも紅茶もアルコール類も一切受け付けず、飲み物は専ら三年番茶で、たまに気が向くとタンポポコーヒーや小豆コーヒーと称する自然食系の健康飲料でした。
一時は、天然マコモの粉末をお湯に溶かして飲んでいたこともありました。(これは、全くおいしくなかったことだけを覚えています。)
ちょうどその頃から自然食品の商売を始めた私は、玄米食の効用を説き、健康は先ず食事からと宣伝して歩きました。
コーヒーは体に悪いので止めた方が良いとも申し上げました。
それが突然、再びコーヒーを飲み始めたのは、一体どういうわけか?と言われても、あまり明確な理由を思い出せません。
ただフッと「コーヒーが飲みたい・・・」と思った心の動きに、素直に従っただけというのが本当のところです。
東京に仕入れに出かけた時、昔行きつけのコーヒー豆屋の前を通りかかり、思わず衝動的に昔どおりのブレンドで豆を1㎏ほど買って帰りましたが、連れ合いは驚きのあまり目が点になっていました。
でも、二人で久しぶりにコーヒーを飲んだら、妙に納得がいって幸せで不思議な気分でした。
そして数年後には自家焙煎をやり始め、今ではコーヒーが商売のネタになり、よそのお店でも使っていただくほどになりました。
人生、何が起こるか分からない、と言うよりは、ただ私が気まぐれなだけかも・・・。
コーヒー断ちしたのが25才の時、11年ぶりにコーヒーを飲んだのが36才の時でした。
コーヒーまで紅茶!?
ネパールと言えば紅茶の国、というイメージが強いのは私ばかりではないと思います。
ところが、コーヒーも生産されているのですね。
生産量は多くはないようですが、外国向けに輸出もされています。
このネパールのコーヒーがちょっと変わっていて、私は最近注目しています。
コーヒーの主産地である中南米産のものと比べて、明らかに異なる個性を持ったネパールコーヒーの風味は、一口で言えば「お茶の雰囲気」を感じさせます。
同じくらいの焼き加減でも意外に水色が薄く、しかしそのわりには苦味があります。
その苦みが何と言ったら良いか、薬草のような、要するに紅茶的なんですね。
多分、ローストの苦みよりもカフェインの苦みを感じているからなのでしょう。
そして、酸味がとても心地良いのがもう一つの特長です。
フルーティーで、いつまでも口に含んでいたい感じです。
食工房では今、ネパールコーヒーの中からサガルマータ(エベレストのネパール語名)とアンナプルナ(豊穣の女神の意)のニ銘柄を取り扱っています。
※サガルマータは、仕入れ元で売り切れ終了となってしまいましたので、食工房でもまもなく売り切れ終了となります。
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