いつも申し上げておりますように、食工房の製品はとにかく手間暇がかかります。
体力気力の限界まで頑張っても、一日に造れる品数は大したものにはなりません。
「スローフーズ」という名称がすっかり定着しましたが、食工房のメニューはそれこそスローフーズそのものです。
最近は電話やFAXに加えて、インターネットも伝達コミュニケーションの手段になり、お問い合わせやご注文は即座に届きますが、その快速さを空飛ぶ鳥に例えるなら、食工房の製造現場は地を這うネズミくらいのものでしょう。
どんなにせかせかちょこまか忙しく動き回っても、カバー出来る範囲はたかが知れています。
造るものがスローである以上、そのビジネス全体もスローにならざるを得ないわけです。
ここで店を構える前は、山奥の電話も通じないようなところで、細々と知り合い関係だけを相手に通販商売をしていましたが、伝達手段は専ら郵便でした。
(その郵便も自宅まで配達されず、こちらから途中の知り合いの家まで取りに行っていました。)
注文する方は、投函した後、一体いつになったら品物が届くのかと思いながら待っていらしたことでしょうね。
私たちの方からのお知らせは、年に何回か発行するニュースレターのみでしたが、本当に皆さん、よくおつきあいしていただきました。
多分、村の中で、個人宅では一番郵便が多く届く家だったはずです。
ネット対応可能になった今でも、わざわざ郵便でメッセージをくださる方もいらっしゃいますし、私たちも時々は手紙を書きます。
そんな昔の習慣や感覚が残っているのか、お問い合わせにすぐにお返事するのを忘れたり、発送が遅れるのをお知らせしなかったり、頭の中はまだ超スローから抜け出していないようです。
開き直るわけではありませんが、これからも食工房は「スローフーズ・スロービジネス」を合言葉に、遅くても丁寧な仕事をしたいと思っています。
本日の食工房
コーヒークッキーとどろんこクッキーを、沢山造りました。
この写真で、どろんこクッキーがどんなに手間がかかるか、お分かりいただけることと思います。