6月も下旬になりますが、梅雨はどこへ行ってしまったかと言うようなお天気が続いています。
明日あたりからは少し崩れるようですが、もうすでに真夏を思わせる暑さが、何度か訪れています。
さて、今週のコーヒーの話題です。
暑くなるととたんに需要がなくなるのがホットコーヒー、代わってアイスコーヒーがいかにも急に巾を利かせて来ます。
冷たくて、氷が浮かんでいるから「アイスコーヒー」と呼ぶのでしょうが、ホットの対語はクールですから「クールコーヒー」と呼ぶのが本来だと、頑として譲らない方がいるかどうか、また今はどうか知りませんが、大阪あたりではクールがなまって「コールコーヒー」と呼んでいたとか・・・。
さらに一部で、冷たいコーヒーを略して「冷コー」と言えば、ちゃんと通じたと言うのは本当の話です。
でも、アイスコーヒーって本当においしいのでしょうか・・・?
試しに、アイスコーヒーに使う豆をホットで飲んだらどんな味がするか、そりゃもう苦くて焦げ臭いばかりで、おいしいなんてもんじゃありません。
冷たくすると、苦みも香りもそれほど感じなくなるし、氷が溶けて薄まるということもありますから、逆にそのくらい強烈にしておかなくてはならないというのが一つ、それから冷たいと味覚は鈍感になりますから、風味の良し悪しは二の次で良いというのがもう一つ、そんな理由でアイスコーヒーには、あまり上等な豆は使われません。
とびきり美味しいアイスコーヒーを飲もう!
冷たくても香りのするコーヒー、ガムシロップで甘くしなくても心地よく飲めるコーヒー、こんなアイスコーヒーが理想ではないでしょうか。
これがちゃんと可能なんですね・・・。
まず第一のポイント、香りを立てるためには、濃いめに入れたホットコーヒーを、氷で急冷することです。
豆は、どちらかと言うと炒りの深いものの方が向いていますが、好みに合いさえすれば浅い炒りのものでもOKです。
細めに挽いた豆を使って、ペーパーかネルのフィルターで抽出します。
豆の量は多めに、湯の温度は高めにし、濃いめのコーヒーにします。
グラスに氷をたっぷり入れておき、熱いコーヒーを注ぎます。
氷が溶けながらコーヒーを急冷し、飲みやすい濃さに薄まります。
飲み際にグラスの中で急冷することで、香りを逃さないわけです。
また、濁りを防いで透明感を損ないません。
市販のアイスコーヒーと比べて色が薄いかも知れませんが、風味は軽やかで心地よく、ガムシロップで甘くしなくても美味しく飲めるはずです。
ぜひ一度お試しください。
アイスコーヒー用には、フルシティーロースト
通常、アイスコーヒー用には特別炒りの深い豆を使用します。
しかも、苦みの強いロブスタ種の豆をブレンドしています。
そこをちょっと発想を変えて、軽やかな風味のアイスコーヒーにするには、フルシティーローストくらいの焙煎度が適当です。
アイスコーヒーでも、ホットほどではありませんが、抽出の仕方による風味の変化を楽しめますから、一回一回その場で抽出してみてください。
豆の銘柄、焙煎度、挽き具合など、いろいろこだわって見るのも面白いと思います。