日別アーカイブ: 2010年1月15日

ハイテク機器を泣かせる、ローテクトラブル

昨日のCDデッキの修理の顛末に絡むお話しです。

ハイテク機器と言えば、先ずパソコンでしょうか?
件のCDデッキ(プレイヤー)も、ハイテク機器の一端です。

ハイテク機器の定義があるのかないのか知りませんが、要するに主要な機能が電子制御されているもののことを言っているのですね。
しかし、いくらハイテク機器と言っても、その中には旧技術と言えるローテクのお世話になっている個所が、幾らでも沢山あって、本当に驚いてしまいます。


前に、パソコンのCPU冷却装置のファンの話を取り上げましたが、そういった例は他にもいろいろあって、高度な電子機器の中で唸りを上げてモーターが回っていたりするわけです。 <参照>


昨日修理したCDデッキは、食工房で音楽を流すために使っているものですが、元々リサイクルショップのジャンク品コーナーで買って来たもので、最初から本調子ではないものだったのです。


それがこの冬の寒さのためか、再生音がプツプツ途切れてどんどん後のトラックにスキップして、しまいには止まってしまうのでした。
ヘヤドライヤーでしばらく温めると調子良くなっていましたが、ついにその手も通用しなくなりました。


前に一度分解して目星を付けておいたので、トラブルの原因はすぐに思い当りました。


まあ手っ取り早く言えば、「油切れ」です。
ハイテク機器も、油切れで動かなくなるのです。



ハードオフ・ジャンクコーナーで3000円でした。
一応、完動品ということで買って来ましたが、
寒くなり始めたらすぐにトラブル続きに・・・。


 



道具は、プラスドライバー一本。
8本のネジを外して、開けられました。



3つの駆動系が集中している心臓部。
赤矢印は、読み取り用のレンズです。

レーザー光線を発射する光源と、ディスクから
反射して来た光線を受け取る受光素子が中に
収まっています。


クリーニングディスクも通用しないほどレンズが汚れてしまった時は、
ここを無水エタノールをしみ込ませた綿棒でこすってクリーニングします。



赤矢印は、全てレンズを動かすための駆動系パーツです。
左上の小ギャーがモーター軸。

レンズユニットを乗せているレール(金属棒)が、特に潤滑不良でした。
矢印部分すべてに給油して、手でギャーを回して何度か往復させて
油を馴染ませました。


CDデッキには、たいてい3個の回転駆動系があります。
先ず、ディスクトレーを出し入れする仕組み。
次に、ディスクを回す仕組み。
そして、読み取りレンズを動かして盤面をトレースする仕組み。
この3つの駆動系に、1個ずつモーターが付いています。
今回、最後に申し上げたレンズを動かす駆動系の潤滑が悪くなっていました(・・・と言うより、寿命かも)ので、潤滑油を注してメンテナンスしました。


これでほぼ順調に作動するようになりました。
ほぼ・・と言うのは、このCDデッキを置いてある場所が、朝など氷点下5℃以下になるような場所で、朝一番スイッチを入れた直後には、やはりトラブルが起こることがあるからです。
それでも、まあ先ず問題ないという程度に回復しました。


またしばらく使っているうちに、同じようなことになると思いますが、そうしたらまた油を注してやりましょう。
そしていよいよ部品が劣化するかすり減るかして、直せなくなるまでは使おうと思っています。


皆さまのお宅には、こんな機器はありませんか?