土佐の高知に生まれ育ち、その後あちらこちらと引っ越しを重ね、そしてついにたどり着いたのがここ会津です。
もう動き回るのは結構!
ここが死に場所なら、それはそれで言うことはないと思っています。
土佐と会津、この対照的且つ両者共に極めて個性的な場所に関わりを持ったおかげで、あり得ないほど視野を拡げてもらったと思っています。
さてさて、その土佐と会津。
まず会津には、いいところが沢山あります。
気候風土、庶民性、食べ物、文化、その他いろいろ。
でも、面白いところはと言われたら、私は土佐の方に軍配を上げます。
今年は、坂本竜馬がまたしてもヒーローにかつぎ出されて、いやが上にも土佐への注目度が上がっていますが、それはそれとして、近年高知で一番二番に注目されている場所はと言えば、「馬路村」です。
さあ、これを正しく「ウマジムラ」と読めた人は、高知県人かあるいは高知県人度80点以上の方です。
「路」を道路の路と同じ発音と勘違いして、「まさか、バロムラじゃないですよね。」などと変な質問をされたことも実際にあります。
では、その馬路村へちよっと出かけてみましょう。
これは、馬路村農業協同組合が発行している「馬路村辞典」です。
細長い紙面に裏表刷りで、経本折りにたたまれています。
散らかり放題の机の上は、お見逃しのほど!
どうです?面白いでしょう。
一番最後の「今となっては時効の話」が、何と言っても土佐を象徴しています。
土佐では、この手の融通は日常茶飯です。
しかもとんちが効いていると言うか、ひねりが効いていると言うか、土佐人同士はそれを了解しています。
ところが県外に出て行くと、土佐人はついこの手をやり過ぎて、ひんしゅくを買うことが間々あります。
でもこれが、世の中を明るく面白くする力ですよ。
そしてやり過ぎにお灸をすえる時には、会津のスタンスがぴったり来ます。
「ならぬものはならぬ」と。
ものごとはバランスが肝心。
土佐と会津で、不思議なバランス感覚を体感している私です。