毎年この時期に行われる行事「歳の神」が、当地区で今日行われました。
一昨年、昨年と、それぞれこのブログでも取り上げましたので、覚えていらっしゃる方も多いことと思います。
<参照1> <参照2>
会津管内ではお馴染の行事ですが、似たような風習は全国各地にまだ残っているところもあると思います。
元々小正月の頃、正月飾りや古いお札などを一緒に燃やして供養し、一年の無病息災を祈願する祭礼として、地域の人々にとって重要な意味があったのですね。
今もそれは変わらないと思いますが、過疎になった集落では、この「歳の神」の行事を維持出来ないところもあるようです。
我が集落のように、盛大にまた古式ゆかしく「歳の神」を維持出来ることは、恵まれていると言うか幸せなことだと思っています。
そうです、それだけまだ地域に活力がある証拠ですから。
実は、今日の「歳の神」をテレビ局が取材するはずでしたが、どういう理由でかキャンセルになったそうで、区長さん始め張り切って準備に関わった人たちは残念そうでした。
だからというわけではありませんが、今日は写真と動画を撮りました。
大きな火が燃え上がるのは、いつ見てもドラマチックですね。
今回も、炎の中に何やら顔が浮かんでいるように見えます。
それも今回のは、ちょっと恐ろしい龍か何かのようです。
ご神体は二つ。間にしめ縄がかけ渡してあります。
松明で点火、いよいよ「歳の神」の始まりです。
もう一つのご神体にも点火。
火が回ったと見るやどんどん火勢が増して、とても近くには寄れません。
左右両方とも、迫力ある龍か何かの姿に見えるのは、私だけではないと思いますが・・・。
いよいよ燃え盛って、中の仕掛けが弾けて炎の塊が宙を飛びます。
燃え落ちるのを待ちかねるように、人が寄って行きます。
お餅とスルメを竹の棒の先に刺してかざし、焼いて食べます。
お神酒も回って来ます。子ども達にはミカンとおせんべい。
今年も、私たちはパンを焼きました。
この「歳の神」で、最初に松明をかざして火を点けるのは、年男の役目とされていて、今年は3人の方が点火に携わりました。
そして来年は、何と私の番なのです。
同じく他にもう3人の方がいらして、来年は計4人が点火係です。
考えてみると、毎年年男がいるということは、その地域の人口構成の幅が広いということですから、とてもいいことなんですね。
でも、私より少し年下の世代にかかると、急に人がいないようなのです。
こうした行事がいつまで続けられるか、それは地方の一地域の命運を象徴していると言えます。
「歳の神」もまた、この日本の社会の一端を垣間見せていると言えそうです。