月別アーカイブ: 2010年2月

早や2月も終わり!


お日さまパン。

フレアの部分がうまくくっ付くためには、なかなか微妙なコツが必要です。


あと一日あるとは言うものの、早や2月も終わりです。
今日のパン焼きで、娘が思い立って久しぶりにお日さまパンを焼きました。
日ざしが明るさを増すこの季節に、ちょうど良かったと思っていたら、焼き立てがすぐにお客さまの目に留まって、早速売れてしまいました。
セットでつくった三日月パンを、おまけに差し上げました。
余り生地でたった一個だけでも、こういうものをつくる遊び心を、ずっと大切にしていたいと思います。


酵母の調子も、もうずっと安定して良好で、今日も予定通りの時間で、焼き上がりました。
今日はさらに余力がありましたので、ブラウニーを焼きました。
現在のレシピで焼き始めてもうすぐ3年になるのですが、レシピは同じでもミキシングや焼き方、さらに後の養生の仕方など、細かいところは数限りなく工夫を重ねて来ています。
少しでも、食感や味わいに向上を感じ取っていただけるでしょうか?



焼き立てブラウニー・天板1枚で20切れ分


明日の朝まで冷たいところにおいて、それからカットして包装します。
きれいにカットするためには、冷えすぎてもダメ、冷え足りなくてもダメと、ノウハウがあるのです。
それで、ブラウニーを召し上がるのに、やはり良い食感が得られる温度があります。
保存は要冷蔵ですので、冷たくしていただかなくてはなりません。
そして、カットするのはそのまま冷たい方がきれいに切れますが、召し上がる時は室温に近づけていただいた方が、食感も良く風味が増して感じられます。
どうぞお試しください。


  コーヒー焙煎機、直りました。

ご心配をおかけしましたが、最速コースでケリを付けました。
新品のモーターセットを注文。
今日それが届いて、早速取り付け試運転いたしました。
おかげさまで、問題なく仕事再開可能となりました。
ただし、来週は高知行きが決まっておりますので、実質再来週からになります。
今しばらくご迷惑をおかけいたします。
どうぞご了承ください。

春がそこまで!


会津大外周の並木越しに眺める今日の夕日


今日は暖かかっただけじゃありません。
冬将軍が帰り支度を始め、春の女神がすぐそこで待っているという感じが、確かにしました。
もうこれからは、鉛色の空の下に閉じ込められることもない代わりに、雪明りに気持ちを温かくする感覚を味わうこともなくなります。
正直言ってこの冬は、寒さも雪も、何か今一つ欲求不満の残る冬でした。
そうは言っても、昨年の今頃は福寿草が咲いていたのでした。
雪も無かったし、早過ぎる春の気配を怪しんだ覚えがあります。
毎年違う季節の移り変わりですが、今日は、地上は真っ白な雪景色ですが、空はもうはっきりと春の空でしたから。
それで明日は雨の予想とか。
これから一雨ごとに暖かさが加わって行くのですね。


今日の暖かさで、パン生地の調子がえらく良かったのでした。
我が酵母は、いつも自然と一体です。
飯豊山食パンの標高が、いつも以上に高くなりました。
おいしいパン、焼けています。

エビデリ!

本日また、「ふくラボ」絡みです。
どうして「エビデリ」なのか、取材の時に聞いておけば良かったのですが、忘れて聞き損ってしまいました。。
エブリデイとデリシャスを引っかけて作った新造語なんでしょうか・・・?
で、今日のエビデリコーナーに、実は食工房のブラウニーが取り上げられています。
あとで <こちら> をご覧ください。


それは良かったのですが、こんな時に限って在庫が少々心もとない状態・・・。
ちょっと見積もりを誤りました。
もしご来店時売り切れの際は、どうぞご容赦!
次回のための割り引き特典を差し上げます。


さてさて本日も、コーヒー焙煎機修理のために部品探しに奔走していました。
しかし、今日も外れ。
ただ、新品のモーターセットを購入出来ることが分かって、これならすぐに現状回復が可能ですが、3万円近いお値段。
それなりの仕事をする機械ですから、出費も止むを得ないかと覚悟を迫られているところです。


明日はまた、パン焼きの木曜日。
お昼過ぎには、いろいろ焼き揃っております。
ゆつくりとお出でください。
近場は、配達も承ります。


 



高知市中心部を流れる鏡川 2009年3月撮影

コーヒー焙煎機のモーターが故障

先日、コーヒー焙煎機のモーターが、どうやら寿命のようで、回らなくなってしまいました。
元々コーヒー焙煎機ではないものを改造しているので、メーカー修理という手は使えません。
今までにも、何度か応急修理をしてしのいで来ましたが、今度ばかりはそれもダメです。
今いろいろ手を尽くしていますが、ちょっと時間がかかりそうです。
一度手回しでもやってみましたが、とても一人では手が足りず仕事になりません。
機械が直るまで、コーヒー焙煎は休業させていただきます。


昨日、クッキーとマフィンのお知らせをしていませんでした。
今週クッキーの在庫は、バタービスケットとわらいごま以外は在庫ありです。
マフィンは、シマリス君の朝ごはんとココリス。
番外で、スィートハートも焼きます。


さて来週は、定休日から一週間高知行きになりますので、諸々全てお預けです。
本当はそんな余裕もない状況になってしまったのですが、切符も買ったし、第一待っている母のいつもこれが最後という言葉を思い出すと、行かないわけには行かないですね。


皆さまには、また土佐ネタ日記でお楽しみいただければと、構想を練っています。



 高知城天守閣より、高知市東部を望む
2009年3月撮影

ネット格差

インターネットの力は素晴らしいと思いますけど、情報をやり取りする通信速度の格差は、地域によって経済格差どころではない開きがあります。
世界中をつなぐインターネットの趣旨は、この日本でも地方の周辺地域に行けば、全く有名無実ということもそう珍しいことではありません。

私の住んでいる地域は現在ADSL回線で、通信速度は1.6MBPS(下り)程度となっています。
これは我が山都町ではまだいい方で、周辺ではISDN回線がやっとと言うところが沢山あります。
あるいはそれすら使えない地域もあります。

一方、町の中心部に行くと光回線が供用されていて、高速通信環境を利用出来ます。
距離にすると、わずかに数kmか、せいぜい十km超えくらいの範囲のことです。
他所の地域の事情を伺っても似たような所が沢山あり、すぐとなりの地区までADSLなのに、家はISDNも使えない環境だと不満を漏らす方に出会ったことがあります。


今あちこちで、地域ぐるみで光ケーブルを引くところが出て来ていますが、その費用の大半は行政の負担で出しているわけで、通信会社にとっては端から儲けにならない事業なのですね。


地方の過疎化が問題視され、地域の活性化が叫ばれ、定住者の移住を促進したい地方の寒村で、多分いちばんネックになるのがこの通信環境だと、いろいろな人の話を聞いていて分かります。


携帯電話事業も同様で、基地局の建設は行政の負担で行われています。
それでも、高速モバイル環境は全く見込みなしです。
まあそれはそれで電磁波公害のこともありますから、携帯基地局よりは光ケーブルの方がありがたいし、はるかに有益です。


通信環境が平等でない限り、いくら素晴らしいコンテンツを発信しても、受け取れないユーザーが少なからずいるわけで、数の論理で大都市にばかり恩恵の厚いこの社会の仕組みを、まず通信環境からどうにかしてもらいたいものだと思っています。

ふくラボ、デビュー


掲載店のステッカーをいただきました。
同じキャラクターが、取材車の真っ黄色なボディーに
プリントされていて、すっごく楽しく愉快でした。もう最高!



ふくラボをご存じない方のために、小さいカードも用意していただきました。全部無料!


ふくしまをもっと元気にするサイト。
ふくしまラボラトリー(研究所)略して「ふくラボ」に、食工房の紹介ページが出来ました。

このサイト、敢えて言うならweb版タウン情報紙的なメディアなのですが、インターネットの能力を最大限活用して、大変機能的且つ有意義、そして何より面白い。
ま、能書きはそれくらいにして、中身はとにかくご覧いただくのが一番です。 

トップページは <こちら>
食工房の基本情報ページは 
<こちら>


それで、我が食工房にスタッフの方が取材に見えた時伺ったのですが、この会社元々は印刷会社なんだそうで、そのスタッフの方も最近まで専ら紙の仕事(印刷物関連ということです。)ばかりやっていたそうです。


ふくラボは、開設されてまだ1年に満たない始まったばかりの事業と言えますが、現在6人ものメンバーを投入して、ものすごく意欲的に事業展開しています。


もうすでに私たちが知っている通り印刷業界は、PCとインターネットの普及で仕事が激減して、大打撃を被っているのですね。
web事業への参入は、必然的な動きであったわけです。
しかしそこからが、この会社の並ではない卓見と機動力がものを言っています。


これからの世の中、印刷物の位置付けは劇的に変わることになると思います。
紙に印刷して残すべき価値のあるものと、webで十分役割が果たせるものと言うよりむしろwebの方が有効なものが、はっきりと二つに別れて行くことでしょう。

ふくラボは、その動きをいち早く先取りしていると、私は思うのですね。


それで、先日取材を受けた時の印象として、先ず情報の集め方がとても丁寧だということ。
しかも、取材から公開まで、一切無料です。
そして得られた情報の扱い方に責任を自負していること。
提供する側にも、サイトに紹介されることに対する自覚を求めていること。
それらを通して分かるのは、情報を扱う仕事にとって最も大切なものは「信頼」の二文字だと言うことです。

ふくラボが、福島県内の様々なお店の信頼に足るデータベースを構築した時、何が出来るでしょう?
広告事業でも物品販売サイトでも、すぐに軌道に乗せられるということですね。
実際、貧乏所帯の食工房でも、ふくラボに年間いくらかでも払ってもいいなと、そう思いましたから。


実は本日が公開初日でしたが、早々にふくラボを見た方のご来店がありました。
タウン情報の新しい形「ふくラボ」に、大いに期待したいと思います。

サワードゥビスケットに、はまってます。


くるみびすけっとと同じく、短かいサイズ。
可愛く見えるし、口に入れやすいです。



見た目的には、以前の森のパン屋のビスケットを短くしただけ?のよう
に見えますが、オートミールを入れたので食感がずい分軽くなりました。


先日のくるみびすけっとが、おかげさまで好評です。
それに気を良くして、しばらくお休みしている「森のパン屋のビスケット」を、新しいコンセプトで焼き直してみようと、第一回目の試作を今日やりました。


食工房には、ご好評いただいているものの経営破たんメニューだとして、事実上廃番になっている「山の子クッキー」というノーシュガーのおいしいクッキーがあるのですが、それの代わりにもなるようにという狙いです。


小麦粉とオートミールをベースに、カレンツと地元産の鬼グルミを具材に入れました。
ミックスナッツの味とクルミだけの味のどちらがおいしいか?
ドライフルーツのカレンツをどのくらい入れたら良いか?
コストとの兼ね合いも考えながら、仮レシピを練りました。


さてそこで結果ですが、まず山の子クッキーは重曹を使うので、クルミの渋が抜けて味が素直になるだけでなく、生地に茶色っぽい色が付くこともありません。
このことは、やってみてすぐに気が付きましたが、発酵生地では発酵によるおいしさが得られる代わりに、重曹の効力で得られる部分は欠けてしまいます。
焼き上がったものは、やはり以前の森のパン屋ビスケットのイメージが濃厚でした。


あともう少しカレンツを多くした方がいいかな?
もうちょっと細く成形した方がいいかな?
いろいろな課題を残して、本日の試作はとりあえず製品化には至りませんでした。
やはり三回はやって、三度目の正直にたどり着かなくてはならないようですね。


山の子クッキーのイメージに近づけるかどうか分かりませんが、それはそれで以前よりもおいしい「森のパン屋のビスケット」が出来ることは間違いないはずです。
新しいラベルも描いてもらっているところです。


さてさて皆さま、こうしてクッキー、ビスケットなどの試作などをやっているということは、つまりヒマということなんです。
例年1月2月はいつもこんな調子ですが、今年はさらに厳しさが加わっているような気がします。
仕入れ先の製菓材料店でも、品物が動かないとこぼしていました。
やはり世の中不景気なんですね。


皆さま、食工房をお忘れなく!どうぞよろしくお願いいたします。

スィートハート


きれいな黄色は、ピールシロップのなせる技。
着色剤など必要ありません。



文旦ピールの透明感がたまりません。
良く研いだ包丁で、ダイスに刻んでいます。


この名前にぴったりのマフィン。
文旦ピールをたっぷり刻み込み、ピールシロップを加えて練った生地を、湯気を立てた釜の中でふんわりと焼き上げました。
ちょっぴり効かせたスパイスワークの力で、文旦の香りがこの上なく引き立っています。
焼き立て30分後くらいが一番おいしい!本当においしいと、臆することなく自画自賛します。


ただどうしても、製品として袋詰めして一日二日はまだしも、それ以上日数が経過すると、もう別物のような食感になってしまいます。
品質保持剤などの添加物を一切入れませんので、これはもう仕方のないことです。


そうは言っても、全く方法がないわけではありません。
ちょっと手間がかかりますが、焼き立てに近い食感と風味を味わえる方法があります。
以前ご紹介した、「マフィン、スコーンの焼き戻し方」の記事を覚えていらっしゃるでしょうか? <参照>
この時はスコーンで試していますが、マフィンも全く同じように焼き戻すことが出来ます。


この次、マフィンをお求めになったら、ぜひぜひお試しを。


もし、蒸気が出せる高速ガスコンベクションオーブンをお持ちなら、さらに良い結果が出ますので挑戦なさって見てください。


お客さまに手間をかけさせるなんて、今どき時代の流れに逆行していると言われるかも知れませんけど、そうしていただければ食工房のこだわりを、きっとご納得いただけると思います。

文旦の季節


先ずは県南、宿毛の文旦です。シーズンの始まりを告げる一番手。


今年も届きました。
土佐の高知から、文旦4箱。
まだまだこれから次々と、届きます。
贈答に使う分もありますが、大方は文旦ピールの材料になります。
何と言っても、文旦ピールは食工房の顔役的素材ですから、少々コストがかかってもおろそかにはしません。
今年も気合いを入れて造ります。


と言うことは、その前にどんどん皮を剥いて中身を食べなくてはなりません。
毎日毎食後に、せつせせっせと丁寧に皮を剥いて、何しろ皮の方が製品になるのですからね。
おいしい文旦を食べるのもお仕事とは、何とありがたい商売でしょう。


ところで、文旦ピールのつくり方をネット検索すると、我が「飯豊の空の下から・・・」が上位にヒットします。
かなり沢山の方が見ているようです。
ブログの中に、リンクを貼ってくださっている方もあります。


ちなみに、うちのようなつくり方をした人は、それまで一人もいなかったようです。
大方一日かけてやるのですから、ご家庭で気軽につくりたい方は、ちよっと引いてしまうかも知れません。


どんなものが出来上がっているかは、食工房のお菓子を試していただければ、すぐにお分かりになります。


先ずはマフィンのスィートハート、次にブラウニー、それからアプリコットケーキ、そしてクリスマスの時期はシュトレン、どれも文旦ピールがないと食工房の味になりません。


この後高知に出かけて帰って来たら、本格的に文旦ピールづくりをやります。
また皆さまに、ピールシロップを差し上げられると思います。
どうぞお楽しみに。




 



1月9日に仕込んで1月16日にボトリングした、エドメ・エクストラスタウト


    こちらはビールのお話し


先月仕込んだ自ビール、そろそろ飲み始めてもいいかなというところです。
熟度を確かめるために、繰り返し口を開け閉め出来るボトルを1本用意しておきました。
時々開けて試飲していましたので、炭酸ガスが溜まっていなくて泡が立ちませんが、味の方は判断出来ます。
糖分の消化が進んでいれば、確実に炭酸ガスが溜まっていますから、密栓してあるボトルを開ければ、黒ビール特有のクリーミィな泡が盛り上がるはずです。
この次は、それを画像付きで紹介出来ると思います。

これも、酵母の調子が良かった証拠。
おかげさまで、この頃パンも調子良く焼けています。

オールドビーンズの不思議

コーヒー豆は、寝かせて古くなったものの方が美味しいんだよと、何人かの人に言われたことがあります。
2年、3年はおろか、10年あるいは15年ものを売りにしているコーヒー屋さんもあります。
そんな曰く付のコーヒーを、私は、残念ながらまだ口にしたことはありません。
でも自分の経験から、最近、このオールドビーンズを少しばかり疑っています。


先ず、コーヒー豆は農産物です。
それも植物の種子です。
しかも、殻を取り去って中身がむき出し、種子としての生命はすでに死んでいます。
お米で言えば白米と同じです。


これを長期保存するとなれば、先ずどのような環境で保管するのか、そこが大問題です。
冷蔵庫でしょうか?定温倉庫でしょうか?あるいはもっと凝った仕掛けの保管庫でしょうか。


ちなみに私の保管場所は、土蔵造りの蔵の二階です。
プラスチック製のタルに入れ、蓋をして保存していますがそれでも、一年くらいの間にずい分劣化してしまいます。
正直な私の実感では、その間に少しでも風味のバランスが良くなったとか、味わいが増したとか、プラスの要素は感じられません。


言われているように、熟成して味が良くなるためには、厳密な保存のノウハウがありそうです。


それでも私は思うわけです。
そこまでして、オールドにこだわるほどの価値が、本当にあるのだろうかと。


コーヒー豆の風味を決定づけるのは、あくまでも農産物としての素性だと思います。
即ち品種であり栽培法であり、そして土壌環境気候風土です。
その次に脱果精製法が来ます。


焙煎技術はとてもウェイトの大きい要素ではありますが、生豆の素性を超すものを作り出すことは出来ません。


そして保存による熟成・・・、このあたりはもう私の理解の及ぶところではありません。


今もし私が、生豆の長期保存を考えるとしたら、雪室でチルド(氷温)保存して、使う前に温かく乾燥した部屋に4~5日置いて、それから焙煎でしょうね。
それでも2、3年でしょうか。


いずれにしても嗜好品の世界には、真偽の程を確かめることも判定を下すことも出来ないような不思議な価値が、沢山沢山あるのです。


改めて、食工房テイストを再確認している私です。