日別アーカイブ: 2010年3月29日

地域の活力

昨日は、当地区の定例総会というものがあり、出席して来ました。
実は、昨年も同時期の開催だったのですが、私は「あぐり・カフェ」イベントに出店するため、連れ合いに出席してもらっていましたので、2年ぶりに顔を出したことになります。


都会に住んでいる方はお分かりにならないかも知れませんが、地方のそれもいわゆる田舎に来ると、行政の一部を住民自らが負担しています。
一つの集落を一行政区と割り当てて、区長や役員を選び、住民自らで、集会所や生活道路、街路灯など施設の管理をします。
行政が発行している広報や様々な告知情報の配布や回覧も、区内にいくつかの小組を作り、組長に任命された人が世話をします。
その他にも、様々な事業がいくつもあり、それも全部自分たちで始末を付けます。

それらの活動のために必要なお金は、行政区負担金と言う名目で、各世帯から徴収しています。
総会では、このお金の取り扱いつまり予算審議が、最重要な議題です。


私は、今年はその中の組長役を任命されました。
当地区は任期2年で、他所の集落がたいてい1年だそうなので、長い勤めになります。
そういうこともあって、今回はしっかりと気合を入れて会議の進行に立ち会いました。


地域の活力ということが良く言われますが、こうした集落上げての総会の場に立ち会っていると、その地域の活力が見えるような気がします。
今、どこの地域も過疎に悩み、集落存続の危機を感じているのですが、本当に真剣に危機感と向かい合っているかどうかが、その地域が生きるか死ぬかの分かれ目だという気がします。


近年、益々忙しくなる一方の私たちの生活の中で、地域のためのボランティアとも言えるこうした役職を、本当なら引き受けたくないというのが多くの方の心境なわけですが、それでは集落の存続は望めません。


集落の運営が何故そんなに大切なのか、大都市に住んでいる方には理解出来ないかも知れませんが、人口の少ない地域では、市や町や村の行政に頼っているだけでは、間に合わないことが沢山あるのです。


そしてもう一つ、こうした地方の自然に近いところで人の生活と働きが健全に維持されることは、実は都市機能の維持にどれほど貢献しているかを、知らなくてはなりません。
地方の衰退は、やがて都市の衰退に結びつくということです。


我々が、集落存続の危機に真剣に向かい合うかどうかは、本当はこの国の行く末に関わっていることなのです。
幸い昨日の我が集落の総会では、新区長、新役員の選出が建設的な気運の元に行われ、当分の間この集落は大丈夫だと感じた次第。
人は減っても、まだまだ健な田舎の姿を見せてもらったような気がしました。
そして一方の私は、毎年少しずつ少しずつ皆さんとの距離も縮まり、今年組長役が回って来たのも何かの縁と受け止めています。