月別アーカイブ: 2011年12月

この一年は終わるが、原発事故は終わらない

つい先日の、野田総理の事故収束宣言、早々から批判を受けていますね。
海外でも厳しい批判が沸騰しているとか。

関係大臣3人が福島県知事に会見に来た折には、真っ先にこのことが取り上げられ、福島の現実を分かっているのか!と反発されて、細野原発担当大臣が謝罪する一幕となり、問題化の様相です。

まあこんな政治家たちのやり取りとは別に、生の現場から届く事実を知らせる情報からは、事故の収束など絵に描いた餅ですらないことが明白です。

  <こちら>をご覧ください。


娑婆ではいよいよあと十日と一日で今年も終わりです。


大変だったこの一年は終わりますが、原発事故はまだまだ終わりません。
人間の一生という時間の物差しで見れば、永遠にと言っても良いくらい遠い先まで、放射能のリスクとの付き合いが続きます。


加えて、個々人の壊されてしまった生活・人生の立て直しに、一体どれほどの時間とエネルギーを必要とするのか・・・。


国はこれほどまでに何もしてくれないのですから、細々したところまで補償が行き届くわけもなし、この先も自助努力だけで生き延びて行かねばなりません。


この一年、食工房をご愛顧くださった皆さまには、本当にお世話になりました。
沢山沢山、助けていただきました。
それに相応しい感謝の言葉も見つからないほどですが、あと十日間、最後までどうぞよろしくお願いいたします。


来年も、一生懸命、皆さまに喜んでいただける仕事を心がけて頑張ります。

683万ベクレル・続き

3月の事故後から4ヶ月間に、福島に降った放射能、セシウム683万ベクレル。

先日は、こんな伝え方に一言申し上げました。


文部科学省は、事故以前から全国各県にモニタリングポストを設置して、毎日大気中から地表に降り落ちて来る放射性物質の量を観測していました。
今回の大事故が起こるまで、私などはそんな情報の存在すら知りませんでしたが、3月以来ほぼ毎日のように気にして閲覧しています。


しかしいざ事故が起こって見ると、各県一ヶ所というのはいかにも大まか過ぎることが分かります。
福島県のデータは、通常福島市で測定されたデータを発表していて、定時降下物のページでは3月の事故直後一時計測不能のためとしてデータがありませんが、3月27日以降はヨウ素とセシウムについてデータが発表されています。


ところで、683万ベクレル毎平方メートル(Bq/㎡)という数字がどうやって出て来たのか、これが今一つよく分かりません。
また私が疑問に思うのは、福島県を代表するデータとして、何故直近の大熊町の突出した数字を出して来るのかということです。
では福島市ではどうだったのか、それも知りたいですね。


この9ヶ月間、情報は隠されるかあるいは何らかの意図を以て発表されるかのどちらかでしたから、そもそも私たちは、もう何も信じられないという状態にあるのですね。


私たちは、出て来る数字にもう一つ推測を働かせて、それがどういう意味があるのか自分で考える、そんな次元でしか状況を知り得ないところに置かれているのです。


この科学の時代に、情けないですね。


欠けているのは情報ではなく、良心じゃないかと思います。





今朝の食工房前の風景です。 


  雪です。


今朝は初めて除雪車が出動しました。
家のまわりの人力除雪も出動です。


朝の一時、一運動して調子が出ました。

そして今日の仕事は、今シーズン最後のシュトレンでした。
それも一挙に54個を仕込んで焼き上げました。
これが、最後にして最高の出来となり、良い締めくくりとなりました。

あとはまた来年です。

シュトレン完売御礼

毎年この時期、ご好評をいただいております食工房のシュトレン、明日製造分も含めて予定数を完売いたしました。
ありがとうございました。
あとは、すでにご予約いただいている方のキャンセルが無い限り、新たなご注文は受け付けられませんのでご了承ください。


シュトレン製造が終われば、またクッキーなどお菓子類も焼けると思っています。
なお年末は、26日(月)に臨時にパンを焼きます。
定番メニュー全品です。
お正月の間にパンを召し上がりたい方は、確保のチャンスです。
よろしくお願いいたします。


年内営業は28日まで。
27・28日は定休日に当たりますが、両日とも通常通り営業いたします。


雪のシーズンになり、こちら山都町でも降雪がありました。
これからしばらくは雪と付き合うことになりますが、道路だけは除雪が完璧ですので、お出でになるのに不自由はありません。


  雪道ドライブの心得

今年は、浜通り方面から避難して来て、初めて雪道を運転される方も少なくないと思います。
雪道での運転の注意点をいくつか申し上げたいと思います。


雪国会津では、道路の除雪はほぼ完璧です。


走り出すことにはほとんど問題はないと思いますが、場所によって圧雪になっている所や凍結している所は、止まるのが思うようにいかなくて怖い思いをすることがあるかも知れません。
加減が分かるまでは、とにかくスピードは抑えて走行してくださいね。


目安として、ブレーキ踏んで直ぐに止まれるのは20km/h以内と思ってください。
30km/h前後は、コントロールを失わずに止まれる限度。かなり滑ります。
40km/hを超えると、ブレーキを踏んでも速度が落ちないまま、しばらくの間滑走します。
さらに50km/hを超えると、よほど注意深くブレーキを踏まないと、スピンしてしまいますので大変危険です。
ABS装備でも、過信は禁物です。
とにかくスピードは控えめに。

683万ベクレル

一昨日・12月14日、原発事故後4ヶ月間の放射性降下物の積算量が、各県別に、文部科学省から報道発表されました。

683万ベクレルというのは我が福島県の数値で、正確に言うとセシウム134と137の合計が、683万Bq/㎡・1メートル四方の面積当たり683万ベクレル降下したということです。

ただしこれは、双葉郡大熊町の測定点(原発の西方5キロ地点)での値です。
皆さまに勘違いしないでいただきたいのは、この数値がそのまま福島県全体の状況を表わすものではないということです。

これは他の県でも同じことで、各県ごとに測定点は1ヵ所のみですから、今回のこの発表にどんな意味があるのか、私は大変疑問です。


特に福島県の数値は、原発直近の測定点のものですから、これを出して来て福島県は・・・と言うこと自体間違っています。


ネット上のニュース記事では、早々から「福島への放射性セシウム降下、45都道府県合計の47倍」という見出しが貼られて、またしても福島叩きが再燃しそうな気配です。


もううんざりです。


文科省のデータの集め方、発表の仕方にも問題はありますが、メディアの理解能力や分析能力は、はっきり言ってクソです!


国も国で、このような発表をする一方で、今日は原子炉の冷温停止・事故の収束を宣言しました。


一体何を考えているのでしょうか。


福島県民をここまで翻弄して、このままでは済みません!




ネット上のニュース記事を拾ってみました。(時間が経つと削除される可能性があります。)


  毎日新聞社ニュースより <こちら>

「東日本大震災:福島第1原発事故 大熊町で降ったセシウム、683万ベクレル--3~6月」

文部科学省は14日、東京電力福島第1原発事故に伴って大気中に放出された放射性セシウムについて、3~6月の4カ月間に福島県大熊町の測定地(同原発の西約5キロ)に降った積算値が1平方メートル当たり約683万ベクレルだったと発表した。


雨やちりと一緒に降ったセシウム134(半減期約2年)と137(同約30年)の測定値を合計。文科省は11月に福島、宮城両県を除く45都道府県の積算値を公表したが、福島県分は東日本大震災の対応に追われ、分析に時間がかかっていた。宮城県は震災の影響で測定できていないという。45都道府県の測定地45カ所の合計値は約14万4446ベクレル。


  朝日新聞社ニュースより <こちら>

「福島への放射性セシウム降下、45都道府県合計の47倍」

東京電力福島第一原発の事故で大気中に放出された放射性セシウムについて、文部科学省は14日、事故後4カ月間で福島県に降った積算値は1平方メートルあたり683万ベクレルだったと発表した。文科省は先月、宮城、福島を除く45都道府県の積算値を発表したが、最も多かった茨城県(4万801ベクレル)の168倍で、45都道府県の合計値(14万4446ベクレル)の47倍に相当する。


 各地の衛生研究所などで容器にたまったちりからセシウム134と137を測定した3~6月の積算値。福島県は震災の影響で分析が遅れていた。測定地は第一原発のある大熊町。683万6050ベクレルのうち94%が3月に集中しており事故直後の深刻さがうかがえる。事故前にも大気圏内核実験による降下物などがあるが、福島県の09年度の積算値は0.044ベクレル。


文部科学省の報道発表は <こちら>
※私が、ほぼ毎日確認しているページです。

敵をまちがえるな

先日、町内のカフェにて、前福島県知事の佐藤栄佐久氏のお話を聴く会が催されました。
私は、仕事が忙しい最中で聴きに行かれませんでしたが、参加した友人知人たちが異口同音に感銘を受けたと報告してくれました。
またブログ上に報告している知人もあり、概略ではありますが、私も内容に触れることが出来ました。<こちら>


その話のいろいろある中で、「敵を間違えるな。」ということを再三言われたそうで、「原子力行政は国策であり、全ての責任は国が負うべき。」と指摘されたそうです。


以前、武田邦彦氏のブログでも、そのことが取り上げられていたことを思い出します。<こちら>

こと原子力発電に関しては、事業者の電力会社は、万一の事故が起こった時でも、一定以上の責任を免れることになっているのですね。


今回の場合、原因は天災であるとされていますから尚更です。
だから東電は、悪びれる風もなくあんなに威張っているのでしょう。
事故後退職した前社長は、高額な退職金をちゃんともらいましたね。


それはそれとして、原子力の利用が国策で最終責任は国にあるということなら、国民の前にはっきりと姿を現し、釈明しなくてはならない人たちがいるはずですね。
しかし、その人たちも電力会社以上に、全く反省する様子もなく威張っているように見えます。


ここで国民の私たちが自覚しなくてはならないことは、そういう人たちを選んで権限を持たせたのは私たち自身だということです。
民主主義の社会では、とどのつまり最終責任は国民一人一人だということになりますから。


失敗でしたね!


国民として、政治を監査するという一番大切な仕事をさぼっていたツケですね。
問題の根は深いと言わざるを得ません。


内輪もめなどしている場合ではありません。

シュトレン・間もなく完売

今年はどうなるだろうか・・・。

福島のパン屋が製造した製品(シュトレン)がギフトに選ばれることは難しいのではないか。

その結果しだいで、今後の食工房の運命が決まるだろうとさえ思っていました。

結果から言えば、間もなく完売です。
数は、去年よりわずかに少なくなりましたが、ほとんど同じくらいです。
そして嬉しかったのは、皆さまが、深いご理解と納得の上でご注文くださったことです。


状況として、来年が今年よりずっと良くなるとは思っていませんが、何とかこの仕事を続けて行くことは出来るのではないかと、希望を持たせていただきました。

本当に、本当に、ありがとうございました。

ゆるぎないもの

ゆるぎないもの・・・、この度の原子力災害を前に、果たしてそんなものがあるだろうか・・・?という気持ちにさせられています。


母なる地球の営みに身をゆだねる。


どんな時でも帰るべきはそこ以外にないと信じて来ましたが、今はそれさえ揺らいでいます。
空も、山も、川も、海も、今までとはちがうのですから。


鳥や獣たちは何か異変を感じ取っているだろうか、魚や鯨たちは、虫たちや目には見えないもっと小さな生き物たちは・・・。
この9か月間、恐怖に駆られた人間たちの口から、自分たち以外の沢山の命を心配する声は、覚えている限りただの一度も聴かれませんでした。


今まで人間は、何のおかげで、誰のおかげで、好き放題に暮らして来られたか、いつの間にか忘れてしまったらしいですね。
今、自分たちの住む世界が壊れてしまったかも知れないのに・・・。


除染をすると言いますが、人間以外の生き物たちにとって、それは更なる環境破壊になるだけかも知れません。
やるのなら、そこまで考えてやってもらいたいものです。


それともいっそのこと、人間なんかいなくなった方がいいのでは・・・?


かけがえのないこの地球の上に、決定的な毒をまき散らしてほとんど取り返しがつかないことになったかも知れないのに、自分たちの都合で避難するのしないのと騒いでいる人間どもを見て、他の生き物たちは何と言うでしょうか。


避難ではなく、全員追放!と叫んでいるのかも知れません。
そうです。「直ちに出て行け!この地球から。」と。


揺るぎないはずのものを揺るがしてしまった人間の罪は、限りなく重い。


物言わぬこの地球の上の仲間たち(向こうはそう思ってくれないかも知れませんが)の声が、そう言っているような気がして仕方がない私です。


命に代えても、この罪滅ぼしはしなくてはなりません。

今年もまた・2011


キルトのクリスマスツリーと天使の楽隊が定位置に



今年は、ドコノモリの妖精も仲間に



これも好きな飾りの一つ



今年もこの位置に掛けさせていただきました。


今年は大震災があり、以来何もかもが今までと違う時間を過ごしています。
このブログも、読み返してみるとその違いがよく分かって、我ながら愕然としてしまいます。

でも今日はふと思い出して、いつもこの時期に店内を安らかな雰囲気で満たしてくれるクリスマス飾りのことを書こうと思います。
今ふり返って見たら、昨年も今日と同じ12月12日の記事だったのですね。


震災以来9ヶ月、それ以前の記憶がとても遠いもののように思えて仕方がありません。


さて、写真でご覧の通り、クリスマスツリーのキルトの壁掛けが、いつもと同じ場所に掛けられています。


会津に来て9回目のクリスマスは、大震災と放射能汚染の厳しい状況の中で迎えることになりましたが、とりあえずも去年と同じ風景がここにあることを先ずは喜びたいと思います。


願わくは、来年が少しでも良い状況に向かって行くことを・・・。
毎晩床に就く時、静かに念じることにしています。

アイス牧場デビュー


会津若松市方面から来ると、坂下町に差しかかるあたり、この看板が目に飛び込んで来ます。



店内の様子です。食工房コーナーを作っていただきました。


この度、食工房のパンを販売していただける場所が、会津管内にもう一ヶ所増えました。
会津の方なら、「アイス牧場」と言えば、もうどなたもお分かりでしょう。
「べこの乳」でお馴染みの、会津中央乳業の工場の一角にあるアイスクリームショップですね。

ここのソフトクリームのおいしさは、それこそ会津管内はおろか隣県にまで知れ渡っています。
そのお店の中で、食工房のパンを販売していただけることになりました。

いやはや、素晴らしいチャンスをいただきました。
今のところ品目限定ですが、ご要望がある時はご遠慮なくリクエストしてくださいね。
ちなみに、食工房には「べこの乳」を原材料に使ったメニューが沢山あります。

販売品目は、余り生地のバタール・ピストラ・麦畑通信136・チーズパン・プレーンスコーン5個入り、以上5品目です。

毎週土曜日の午後(時間は多少前後しますが、15時頃)に納品しています。
どうぞよろしくお願いいたします。


 

雪囲い、着々と、仕事は淡々と

毎年この季節、雪囲いを設置して冬への備えが完了するまでは、何と言っても落ち着きません。
今年はその点、昨年までよりは幾分楽です。
と言うのは、昨年少しやり方を変えて、手間が省けるようにしておいたからです。
雪国暮らしも、かれこれ9年目です。
手慣れて来たということも、もちろんあります。


まあ、本格的な雪までには、十分間に合うと思っています。


そして仕事の方は、これも手慣れてストレスなく進められるようになりました。
否、決して緊張感がなくなったと言うのではありません。
良い意味で、余計なエネルギーを使わずに仕事が出来るということです。


その分、肝心なところではビシッと気合が入りますから、製品の出来も良くなるというわけです。


忙しい中にも、ほんの少し余裕があるのは、そんなことが利いているのかなと思う今日この頃です。


明日からまた食工房の一週間が始まります。


今週は、いよいよ雪が降りそうです。
ただ今、雪の日ポイント2倍プレゼントも実施中です。


皆さまのご来店、お待ちしております。