パンに関して自給自足を考えた時、パンを造ることは食工房の本業ですから先ずいいとして、小麦を作るのは地元の農家さんにお願いしていますから、これもまあいいでしょう。
今のところただ一つ、製粉の部分だけが自分たちの手に負えない工程です。
製粉会社というところは、とにかく仕事の規模が大きくて、小麦粉の場合は10トンくらいの量にならないと取り合ってもらえません。
食工房にも小型の製粉機がありますが、製粉会社のそれとは基本的に構造が違っていて、あのようなきれいな微粉は挽けないのです。
一方、あのように精製度の高い白い粉でなくても良いというのであれば、食工房にもあるような家庭用または農家用の製粉機で挽いて出来るだけ細かい目の篩を通せば、そこそこパンが焼けそうな粉が採れます。
その一例が、このところ何度か引き受けて焼いている農家さんの自給自足のパンというわけです。<参照>
伺ったところでは、製粉はそれほど大変ではないのですが、篩の作業はとにかく時間がかかるもののようです。
ですから、今のところ商売にはなりません。
もし、この篩の工程を効率良く出来るそれほど高価でない機械があれば、自家製粉のパンが現実味を帯びて来ることになります。
で、どうしてまたここに来て「自給自足のパン」なのかと言えば、それはもう美味しいからだ!と申し上げるしかありません。
今年は、地元の農家さんの小麦も量が確保出来そうですし、全粒粉だけでは使い切れないかも知れません。
たとえ簡易な方式でも、製粉工程が自前で出来るようになれば、これで自給自足が完結するのです。
いや、次々とやるべき事と言うか、やってみたい事があって、これはもう元気で長生きしていなくては始まりません。
ちなみに、ライ麦は全粒粉を自家製粉しています。
プンパニッケルは、ライ麦全粒粉100%ですから、これだけが今のところ自給自足が完結しています。