「新型コロナ」に関する、ナショナルジオグラフィックの気になる記事

もはや2年余りにもなる、新型コロナウイルス感染症のパンデミックですが、オミクロン株の出現以来、フェーズが変わっています。
どこの国でも、様々な規制を解除して経済社会活動を再開させようとしています。

重症化や死に至るリスクが小さいことがその理由になっていると思うのですが、本当にそれで大丈夫なのかと、半ばそれも一つの選択と受け止める一方、何かもっと他に情報があるのではないかと思っていたところ、ナショナルジオグラフィックに大変気になる記事を見つけました。

「めまい、混乱、言葉が出ない…コロナは軽症でも認知力低下の恐れ」
~脳に10年分の老化に相当する変化を起こす可能性、英国の脳スキャン調査~
というものです。
参照元 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/22/041900181/

その記事によれば、

軽症の内に3、4日で回復した患者が、その翌日になって突然吐き気や腹痛、奇妙な物忘れと言った症状に襲われたとのこと。
その後も、集中力の欠如を伴う急性の記憶喪失を経験しており、会話の途中で頭が真っ白になったり、言葉が出なくなったりする。
「肉体的な苦痛はないけれど、とてもイライラします。」と嘆いている。

このような例は実は他にも沢山あって、英国の研究者たちが、新型コロナ感染前後の脳の変化を調査した論文を発表しています。
それによれば、新型コロナ感染の後遺症と言われるものの多くは、脳内に起こった損傷に起因するものかも知れないのですね。

新型コロナ禍以前にも、ウイルスの感染が長期にわたる認知機能障害を引き起こすことは知られていた。
ウイルス感染が世界的にも神経疾患を著しく増加させていることは定説になっている。

だとすると、軽症あるいは無症状だからと言っても、全く油断は出来ないことになります。
一旦感染を許せば、この調査研究が明らかにしたような症状に見舞われる可能性が低くないからです。
このナショナルジオグラフィックの記事の最後の部分を引用しておきます。

専門家らは、ワクチンが広く普及したことや、比較的軽症のオミクロン株の割合が増加しているために、人々が認知障害の可能性を軽視したまま警戒を緩めすぎているのではないかと懸念している。
ワクチンは重症化を防ぐ効果が高いものの、後遺症は防げないことが、2021年11月8日に査読前論文を投稿するサーバー「medRxiv」に公開された論文で示唆されている。

「死亡や重症例のみの観点から脱却する必要があります」とオックスフォード大学のドゥオー氏は言う。
「後遺症に関する研究や我々の研究からは、軽度の感染でもダメージを受ける可能性が示唆されています」

それにしても、人類は厄介なものを背負い込んだものだと思います。
そしてそれは、人類の賢さが試されているのだとも思います。
私たち一人一人の、また社会の、そして世界人類全体の。

ま、やるべきことをやって、しっかり感染対策するより他ないのではないでしょうか。