今でこそコーヒーを商売のネタにしている私ですが、レギュラーコーヒーを自分で入れて飲むようになったのは、大人になって独り立ちしてからのことです。
昭和20年代後半生まれの私、しかも育ったのは四国の山奥の小さな村、喫茶店もなければ日常コーヒーを嗜む人などいるわけもなし、意外にも私とコーヒーの付き合いは、中学生の頃にインスタントコーヒーから始まりました。
かの有名なネスカフェは、その頃四国の山奥の小さな村に初めて出来たスーパーマーケットの店頭にもちゃんと並んでいました。
牛乳を沸かしてインスタントコーヒーと砂糖を溶かして飲むというのが、飲み物の中では一番気が利いているという感じでしたね。
「カフェ・オーレ」なんて言えば聞こえは良かったでしょうが、そんな呼び名は聞いたこともありませんでした。
今は「コーヒー牛乳」がレトロ感覚にマッチしてウケたりするのですから面白いですね。
その後、ジャズ喫茶に通うようになったりして、レギュラーコーヒーの香りと雰囲気にすっかり浸ってしまい、以来、豆から挽いてコーヒーを入れるという手順を踏んでみたくなったのでした。
手回し式のコーヒーミルとネルドリップフィルター、それにホーローのポット、実はこれが自分で稼いだ金で買った最初の所帯道具と言えるものでした。
そしてコーヒー豆は、コロンビア、モカ、ブラジルの三種類。
今思うと最初からコーヒー通を気取っていたようで、何とも愉快な思い出です。
不思議な味わい、ネパールコーヒー
ネパールというとインドと並んで「紅茶の国」という感じがありますが、少ないながらコーヒーも生産されています。
そしてネパールのコーヒーは、コーヒーの主産地である中南米や中東、東アフリカなどのコーヒーとはちょっと違った不思議な味わいがあります。
何と言ったら良いのでしょう、お茶の雰囲気なんですね。
繊細でスッキリとした苦みがあり、酸味はフルーティーでいつまでも口に含んでいたいような爽やかさがあります。
後味もあまり残らず、何杯でも飲めそうな感じです。
今、ブラジルの豆とブレンドの相性を試しているところですが、これがなかなかイケそうなんですね。
食工房カフェブレンドに、もう一つ新しいメンバーが増えるかも。