最近の食べ物に対する多くの人の好みは、いわゆる口当たりが軽く、やわらかく、なめらかで、ほとんど何の抵抗もなく喉を通って胃袋にすべり込むようなものに偏っているような気がします。
反対に、堅くてしっかり噛まないと喉を通らないものは敬遠される傾向です。
これは、この頃の私たちがやたら忙しくて、ゆっくり食べている暇がないというのも理由の一つじゃないかと思います。
ところで、ものを食べた満足感というのは、顎の筋肉を使わないと得られないそうですね。
だから、噛まないで食べるといくらでも胃袋の中に入れられるので、満足するというよりは、ただ物理的に満杯になって苦しくなったり気持ちが悪くなるまで食べてしまうわけです。
その結果肥満になるか、逆に胃腸を悪くして虚弱になるか、どちらにしてもあまりいいことはありません。
皆さんは、「噛みは、神なり」 という金言をご存知ですか?
「健康は、あごから」というのもあります。
要するに、よく噛んで食べることがどれほど大切か、ということを 言っているのですね。
顎の運動が脳を活性化するとか、背骨や足裏の土踏まずにも影響を与え、立ち姿勢が良くなるとか、そういう話をお聞きになったことがあると思います。
そうです!
だから、堅いパンをお勧めしたいのです。
ライ麦全粒粉が入っている堅焼きの黒パン。
食べ慣れないうちは、不味い(?)と思われるかも知れませんが、食べ慣れてくると、これほど何と一緒に食べても相性のいいパンは他にありません。
ふだんはご飯でも、たまにゆっくりと洋風に、黒パンとスープと(みそ汁でもOK!)、そしてチーズやワインも添えて食事を楽しむというのも、また目先が変わっていいと思いますがいかがでしょう。