今、世の中は景気が悪くて失業が増えて、多くの人の生活に疲弊感が漂っているような気がします。
人々の間には格差と不公平感も大きく、私なんかも憤慨に堪えないことがいっぱいあります。
まあ、愚痴を言っても始まらないので、こんな時こそ何を大切にしなければならないかということを考えています。
いろいろあると思いますが、その一つは「健康」だと思います。
豊かといわれるこの日本に、病気になっても経済的理由から医者にかかれない人がいます。
当の私だって、似たようなものです。
どんなお金持ちだって、命を二つ持っている人はいませんが、かと言って貧乏していると、その一つの命を守ることが出来ない場合もあるというのは、何ともやり切れない話しです。
やはり「健康は宝」と言うのは本当ですね。
健康を守る方法はいろいろ考えられると思いますが、私が重要視しているのは、まず一番に毎日食べる物のこと、そして体に適度のストレスや運動負荷をかけることです。
「黒パンかじりが最高!」と、いつもお題目のように申し上げますが、私にしてみれば、長年試して来てもうほとんど確信していることなので、そう申し上げるしかないわけです。
ここでちょっと別な話しをしましょう。
皆さん、「大草原の小さな家」の物語をご存知だと思います。
あのシリーズの中に、「長い冬」というのがあります。
ある年、一家が暮らしている町一体を猛烈な寒波が襲い、人々は長く辛い冬を過ごします。
雪と氷に閉じ込められ、燃やす薪もなくなり、小麦粉が底をつきます。
そこで町の人々が集まって話し合い、乏しい食料や燃料を融通し合います。
町外れの家に小麦が沢山残っているというので、命がけで譲ってもらいに行きます。
やっと手に入った小麦を、コーヒーミルで粉に挽くのがそれからの毎日の仕事になりました。
そうやって、一日かかって挽いたやっと両手に一杯ほどの粗い小麦粉で焼いた黒パンを食べて、春まで持ち堪えました。
そして、黒パンを食べていたおかげで、だれも病気をせず無事に生き延びられたという話・・・。
物語なので、どこまで正確に事実か分かりませんが、粗食小食が健康に良いということは昔から言われ続けていることですから、概ね事実であったろうと想像します。
不況に加えて、世界的な食糧不足も懸念される昨今、黒パンはその懸念への一つの解答だと、私はそう思って殊更気持ちを込めて焼いています。