道具もまた、コーヒーの楽しみ。
コーヒーは、言うまでもなく嗜好品と認識されていますね。
栄養学上からも健康上からも、必需品とは認められません。
むしろ、カフェインのように摂取の仕方次第で有害性を現す、毒物とも言える成分も含まれているわけです。
それにもかかわらず多分、コーヒーは世界中で一番好まれている嗜好品です。
飲料として飲むだけでなく、焼き菓子やアイスクリームなどの冷菓にいたるまで、多種多様に愛好されています。
一体何が、それほどまでに人の嗜好に訴えるのでしょうね。
先ず一番に、間違いなく多くの人の気持ちを捕らえているのは、コーヒーの香りでしょう。
前にも申し上げたとおり、コーヒーを飲めないと言う方でも、コーヒーの香りだけはとても好ましいと感じる人がいくらでもいるからです。
コーヒーの香りを嫌悪する人は、よほど稀だと思います。
そしてまた、コーヒーの香りを嗅いで憎悪が強まるなんてことは、まずたいていはあり得ません。
コーヒーの香りはどちらかと言えば、人の気持ちを和ませ平和にする働きさえあるようです。
そのように、本来心地良いものだからこそ、これだけ多くの人々に愛好されるのだと思います。
さてそのコーヒー本来の性質の他にもう一つ、コーヒーの魅力を大きくしている要素があります。
それは、コーヒーを嗜むために必要な道具や器が、これまた大きな楽しみになるからです。
コーヒーを淹れる方法だって一つではありません。
皆さんが多分一番多く使っているのは、ペーパードリップでしょう。
この他に、ネルドリップ、サイフォン、パーコレーター、フレンチプレス、エスプレッソなど、それぞれに専用の道具立てを揃えて使いこなす楽しみがありますね。
そして、コーヒーカップという器も飲むコーヒーの種類によって、大きさやデザインにこだわる楽しみがあるわけです。
ところで、そんなコーヒーの楽しみを、贅沢だと言う方がいらっしゃるでしょうか。
まあ、それならそれでかまいません。
確かに贅沢品かも知れません。
しかし多分、どんなに困窮した時でも、非常時でも、むしろそんな時ほど、一杯のコーヒーの香りに癒され、人心地がつくことがあるのだと思います。
これもまたコーヒーの不思議な魅力です。
今日はいつもの水曜日に倣って、コーヒー焙煎に時間を費やしていました。
ブラジル産ジョアキン、セラード樹上完熟、ブルボン・クラシコ、カフェヴィーニョ、ペルー産コチャパンパ、どれもこれも違った個性で魅力的なコーヒーです。
新潟の「びおとーぷ」さんへも、明日出荷します。
「びおとーぷ」さんでは、現在、お店のメニューに全面的に食工房のコーヒー豆をご利用いただいています。
※「びおとーぷ」さんのご紹介記事は、<こちら>