おいしい水を求めて、この風景の見えるところまで出かけました。
一昨年の5月撮影。
お茶でもコーヒーでも、水質が味に及ぼす影響は、とても大きくまたデリケートです。
コーヒーに関して、豆の品質や焙煎の良し悪しは、どちらかと言うと香りを中心に風味全体に影響しますが、水質は、口に含んだ時の味わいと、そして後味に影響します。
コーヒーの場合も、お茶と同様軟水(pHが低い、つまり酸性)が良いとされていますが、実際にはpHだけでは水質は論じられません。
他にもいろいろな成分が溶け込んでいたり、混ざり込んでいたりして、それらによってその水のキャラクターは千差万別だからです。
中には、そうした一切の不純物を除去した純水(つまりH?O)を使っているコーヒー屋さんもあります。
それが必ずしもベストかどうかは、私個人としては、疑問符を付けているところですが・・・。
ではどんな水が良いのか。
それはもう実地に当って、良い水に出合うまで探すしかないと思います。
この場合の「良い水」とは、自分の求めるコーヒーの味が得られる水、という意味です。
以前山暮らしをしていた場所の沢水は、その点では偶然とは言え、全く理想の水でした。
毎週日曜日に、街で路上カフェをやっていた時も、この水をタンクに入れて持って行きましたが、これだけでも、自分のコーヒーを売り込むのに、私はどれほど得をしたことかと改めて思います。
ほとんど例外なく、開口一番「おいしい!」という声が聞こえる度に、私は、これは水がいいんだ!と確信していました。
会津に来てからは、残念ながらそこまで納得のいく水にはまだ出合っていません。
もっとも、まだまだ十分探したわけではありませんが。
年中、日常的に汲みに行ける距離内にあることを条件にすると、選択肢はほとんど限られてしまいます。
飯豊山の登山口へ行く途中にある湧水が、かなり良いことが分かっているのですが、冬は雪のために道路が閉鎖され、汲みに行くことが出来ません。
我が家では、井戸水も利用出来るのですが、今一つです。
唯一の救いは、水道水が結構良質なことです。
煮沸して塩素を飛ばしてしまえば、市販のミネラルウォーター並みです。
コーヒーの味では、あの理想の沢水には敵いませんが、当面納得するしかありません。
というわけで、皆さんもぜひ、今一度水質にこだわってコーヒーを淹れてみてください。
きっと新しい発見があると思います。