月別アーカイブ: 2008年10月

大滝参り

今日は、三年ぶりに飯豊山の麓の、御沢の大滝に行って来ました。
行くか行くまいか、朝になるまで決まっていませんでしたが、いざ起き出したら出発の準備をしていました。
私にとって今日の山行きはレジャーではなく、山の水の恵みに感謝するための儀式なので、山が呼んでくれない限り足を向けることはしないつもりでした。
熊が出没するような場所でもあるし、お天気が悪い時は危険な場合もあるし、また他に人出があることも出来れば避けたかったので、その時の計らい次第と思っていました。
今朝の感じは、自分が動けば状況は協力してくれるというインスピレーションだったので、迷わず出かけることにしました。
おかげさまで無事に行って帰って来ることが出来ました。



先ずは、飯豊山登山口の大杉に詣でます。
行く先々で、老木には必ず手を合わせて挨拶をします。



途中にある、長滝を過ぎたあたり。
この沢の奥に大滝があります。




最後に沢の中を上って行くと、
山ひだの間に忽然と大滝が姿を現します。




急斜面を一気に登って、滝を見下ろす位置から
いよいよ大滝の上段直下へと接近して行きます。



ここは一の戸川の源流大白布沢の最奥。
私は、ここを竜の頭だと思っています。

今日は、竜の頭の上に乗らせていただき、
みのりのパンをお供えして、
そのあとその場で口に入れました。



静かに静かに時間が過ぎて、神々と交わることが出来ました。
また来年もここに立てるよう、一年間の精進を誓いました。
それにしても日頃の運動不足のせいか、三年前より上りがきつく感じられ、少し疲れました。
急ぐ必要はなかったとは言え、ペースも落ちていました。
これから冬に向かって、さらに運動が不足がちになる時節柄、うんと気にして体を動かしたいと思っています。


  おしらせ
今週は、木曜日・カネリプッラ、土曜日・クリングラです。
みのりのパンは、相変わらず土曜日です。

朝もやの季節



店の前の見慣れた風景も、朝もやの中では
どこか別の場所のように見えます。


夜間の冷え込みが強くなるこの季節、朝は一面の霧の海です。
会津は水量豊かな大きな水系があり、これらの川から発生する霧があたり一帯に立ち込めて、私は見たことはありませんが、上空から見ると霧の海の中に飯豊山や磐梯山やその他の山々が、まるで島のように頭をのぞかせていることでしょう。
朝霧が立つ日は、必ず晴天と相場が決まっていて、陽がさして気温が上がって来ると、白い炎のように空に向かって上りながら消えて行きます。
そのあと、青い空と暖かい日差しの下には、まだ少しひんやりとした空気が残っていて、そんな時私は、もうたまらなく興奮して、ピョンピョン飛び跳ねたくなってしまいます。
このところ何日間かずっと、そういうお天気が続いていて、どうやら明日も晴天らしいです。
定休日だし、休日返上する必要もなさそうだし、久しぶりにお山の精気に触れに行って来ようかと思っています。

チョコレートの香りに包まれた午後

今日はちょっと頑張って、手間のかかるメニューを三品目、ジンジャークッキー、どろんこクッキー、そしてブラウニーを焼きました。
先ずは朝一番にジンジャークッキーを焼いて、午後はどろんこクッキーとブラウニーでした。
おかげで、午後はずっと店内も店先も、チョコレートの香りに包まれました。
ご来店のお客さまも、甘い香りに気分を良くされていました。

チョコレートの香りは、別名「幸福の香り」とも呼ばれ、人を幸せな気分にする香りなんだそうです。
皆さんご承知の通り、コーヒーの香りとチョコレートの香りは、この広い世界の中でも特別好まれています。
私は、二つとも自分の仕事にしていますので、この世界の二大芳香に毎日接することが出来て、幸せなことこの上ありません。

ところで、チョコレートの原料は、皆さんご存知のとおりカカオ豆です。
生産地はアフリカや中南米で、コーヒーの生産地と重なります。
チョコレートの風味は、このカカオ豆を醗酵させたり、ローストしたりすることで生まれます。
こちらも、コーヒーとよく似た工程を経るんですね。

それでコーヒーでもそうなのですが、カカオの香りの中には、微妙に異臭が含まれています。
皆さんがお気づきになる機会は、ほとんどないと思いますが、我々のように原材料として大量のカカオマス(苦チョコレート・カカオの固まり)を取り扱っていると、結構気になります。
何の臭いだと、敢えてお知らせしたくはないような、ちょっと嫌な臭いです。

これが最終的に製品として焼き上がった時、あの素晴らしい幸せの香りになるためには、ちょっとした魔法が必要です。
それは、一緒に合わせて使う原材料の選び方とそしてスパイスワークです。
そのあたり重要な企業秘密なので、何もかもお教えするわけには行きませんが、少しだけヒントを差し上げましょう。

ご存知の方も多いと思いますが、チョコレートには柑橘系の香りが、またラムレーズンの香りが、とても良くマッチします。
食工房では、どろんこクッキーにはラムレーズンを、ブラウニーには文旦ピールを入れています。
また、香ばしさを引き立てるために、どちらにもミックスナッツを加えています。

そしてこれも皆さんご存知かもしれませんが、チョコレートにはバニラです。
本当に!チョコレートを使う時、バニラの香りは絶対必要不可欠といえるほどに最高のパートナーです。

そして最後の決め手はスパイスワーク。
こちらは、残念ながら公開出来ません。
ヒントになるかどうか分かりませんが、どろんこクッキーには三種類、ブラウニーにも三種類、それぞれ異なるスパイスを使用しています。

この次、どろんこクッキーやブラウニーをお口になさる時は、ちょっと気にしながら召し上がってみてください。
ひよっとすると、何が入っているか分るかも知れませんよ。

マリア・ソリーナ/Maria Solina

マリア・ソリーナ、これは歌の題名。
以前ご紹介した、カルロス・ヌネス(ヌーニェス)<参照>の、「オス・アモーレス・リーブレス」というアルバムの4曲目に入っています。
皆さん、ご存知かどうか分かりませんので少し触れますが、カルロスは、スペイン・ガリシア地方の出身で、やっている音楽もガリシアの伝統音楽(ルーツミュージック)です。
このガリシア地方というのは、イギリスの西隣のアイルランドと同じくケルト民族の末裔たちの国です。
私は、アイルランドのルーツミュージックや、またこのガリシアのルーツミュージック、つまりケルトの音楽の中でいくつかの曲を聴いた時、条件反射的に涙が流れます。
子どもの時からずっと、泣くこと、涙を見せることに極端なくらい抑制力を働かせて来た私にとって、これは大変なショックでした。
これらの音楽は、私の我慢をはるかに超えて強い力で、心を揺らすのです。
バッハやモーツアルトを聴いて、その美しさ素晴らしさに感動することはあっても、音楽を聴いてこんな風に感情が揺れたことは今までありませんでした。
そして、目を潤ませながら一緒に笛を吹き鳴らしていると、幸せってつまりこういう瞬間だよねって思うのです。
意地っ張りの私もこの歳になって、やっと泣けるようになりました。
では、そのマリア・ソリーナをどうぞ。
 


 



マリア・ソリーナ/ Maria Solina ~ひとりぼっちのマリア
海賊に、漁師の夫を殺されてしまったマリアの悲しみを歌った歌です。
歌っているのは、ポルトガルの女性歌手、テレサ・サルゲイロ。
バックはカルロス・ヌネスと彼のグループ。

ご心配なく。

今日は、会津若松市方面へ配達に回りました。
行った先で、「お体の調子は大丈夫ですか。」と質問され、ハッとしてしまいました。
先週、「微妙に風邪かも。」とブログに書いたからなんですね。
次の日には、回復に向かいそうだと書きましたが、ちゃんと治ったと申し上げてなかったですね。
他にも何人かの方に、ご心配をかけてしまったようなので、後日談を申し上げる次第です。

あの後二日くらい、娘に風邪が移った様子でしたので、仕事量を調整していました。
週末が過ぎて、月曜日には少し頑張って沢山仕事をしましたが、娘共々大丈夫でした。
定休日には、連れ合いと一緒に出かけたりして、すっかりリフレッシュしました。
今回は、体の変調を見逃さず早めに対応したのが、よほど功を奏したと思えます。
いつもこういうふうに行けば良いのですが・・・。
と言うわけで、風邪に関しては、すでに全快していますので、ご心配なく。

ところで、巷では風邪をひく人が増えているらしいです。
このところ、不意に冷え込みがやって来てますからね。
皆さまも、どうぞお気をつけください。
気候の変化に細かく対応するのが、何より先ず一番の風邪予防法だと思います。
外出から帰宅した時は、手洗いとうがいの励行を。

そして食べ物にも気をつけていただきたいですが、何をどのようにと細かいことは今日は申し上げません。
ただ、昔から腹八分目に医者要らずと言われるように、食べ過ぎはよろしくないようです。
いくら食欲の秋でも、調子に乗り過ぎないよう、気をつけたいものです。

あとは、寝る時間を惜しんでまで、仕事なんかしないことですね。
結局後で、ツケは払わなくてはならなくなりますから。

そばの郷山都町の新そば祭り

来る 10月18日・19日 の両日、我が山都町では、毎年恒例の新そば祭りが開催されます。
今年は何と25回目を数えるそうで、関係者の方々は張り切って準備に余念がありません。
一口に25回目と言いますが、25年前にそばで地域おこしをしていた所は、珍しかったと思いますね。
そしてまた元々、山都はそばの郷だったという話を、地元の人から聞いています。
昔は、大晦日になると山都からそばを売りに来たものだと、会津若松に住む年輩の方から伺ったことがあります。
50年、100年を遡る歴史になります。
そういう背景もあるのでしょうが、我が山都町では男の人たちは、皆そば打ちが出来るというのが相場です。
中には人に教えられるほどの人もいます。
昨年の11月23日のブログ<参照>にも書きましたが、そうやってそば打ちが出来る人が、町内には沢山いるわけです。
その層の厚さが、山都のそばのおいしさを支えていると思います。
そば打ちの段位認定制度があるそうですが、山都には有段者はもちろん、名人位が3人もいます。
そして、そば屋さんが28軒もあるのですよ。
この時期、どこでも新そば祭りをやっていますが、今年は一つ、山都の新そば祭りへいらっしゃいませんか。

山都町観光協会のホームページ <こちら>

イベント in カフェ



コーヒー豆の配達を兼ねて、
cafeけむりの木に出かけて来ました。
ちょうど、刺し子展開催中。


近頃は、喫茶店商売も多様化していて、コーヒー一筋よりも何か他の要素を加えて、お店の個性を演出しているケースが多いのですね。
食工房がお世話になっている、喜多方市内の「けむりの木」(すでに一度ご紹介しています。<こちら>もご覧ください。)の場合は、オーナー自ら料理講習をやったり、店内をギャラリーにして、お店の雰囲気に合った作家さんの作品展を開催したりしています。




ウッディーな内装の店内に、刺し子の作品はよく似合います。




この刺し子展の作家さんは、昨日のブログで紹介
した萩原久子さんとは別な方です。 念のため。




テーブルの一角にも、大胆に貴重な作品が展示されています。


実は昨日、ご注文のコーヒー豆を届けに伺ったところちょうど、刺し子作家の方の個展を開催していましたので、お店の紹介方々合わせてご案内申し上げる次第です。
先ずはカフェの方ですが、今行ってすぐに召し上がれるメニューは、コーヒー、紅茶、ハーブティーに自家製の焼き菓子のセットが500円。
ハーブティーは、その場でフレッシュハーブをブレンドしてくれます。
そのブレンドのセンスがなかなか秀逸です。
焼き菓子も、その時その時で何が出るか、行ってみてのお楽しみです。
事前に予約しておけば、食事も出してくれます。
洋食コースメニューになっていて、内容は季節によっていろいろ細かく変わります。




入口前がサンデッキになっています。
この時期、お天気がいい時は、外の席が最高です。


なお刺し子の個展は、今週いっぱい今度の日曜日(10月19日)まで開催中です。
この期間は、毎日午前11時から夕方5時まで営業しています。

とっておきのレスポンス



いやー、うれしいですね。
ご注文でお届けした「みのりのパン」、召し上がる前にさっと絵に描いて、ご感想を添えてご返信くださったこの方は、萩原卓・久子さんご夫妻です。
かれこれもう25年以上、ずっとお付き合いいただいています。
これまでにも何度か、食工房のパンやお菓子を描いてくださっているのです。

せっかくの機会ですからご紹介申し上げますが、ご夫妻は毎年「絵手紙カレンダー」なるものを製作し、販売されています。
夫の卓さんが絵を、奥様の久子さんが書を、それぞれ味わい深い個性ながらうまくバランスして、一年間楽しく眺めていられます。
食工房でも、毎年暮れになる頃届けていただいて、皆さまにお目にかけて来ました。
今年は、原点回帰で取り組まれたそうで、いっそうお気持ちのこもったものが出来上がるのではないかと、楽しみにしているところです。

ついでですから、久子さんのプロフィールをご紹介しましょう。
前衛書道家で刺し子作家。
自由奔放で伸び伸びとした作風は、目にした瞬間から顔がほころびます。
以前、NHKの「おしゃれ工房」という番組に、何度か出られたこともありました。
一方、夫の卓さんは、サラリーマン時代からコツコツと絵を描き続けて、和みと癒しを感じる作風を培って来られました。


写真は、私と連れ合いにそれぞれ一着ずついただいた、久子さんお手製のブルゾンとチュニック。




藍染めの地に淡い同系色の太い糸で刺してあります。
後前どちらにも着られる、直線裁ちのシンプルなデザイン。




かすり地に太い糸で大胆に縫い目境を刺してあります。
後ろ側にも同じようにポケットがあり、前後どちらにも着られます。

かんづめの一日、うらめしい青空



クッキーを焼いている合間に、表に飛び出してワンショット


今日は気持ちのよい秋晴れの一日でした。
一年に何回あるだろうかというような、雲一つない快晴の空は空気が澄んでいるせいか、いっそう濃く青く見えていました。
この連休の晴天のおかげで、あちこち残っていた田んぼの刈り入れも、終わったのではないでしょうか。
店の前のそば畑も、どうやら明日あたりから刈り取りが始まるようです。

一方今日の私たちは、造り仕事が押せ押せで、一日作業場にかんづめでした。
パタポン、山の子クッキー、ロンサムパインの三種類のクッキーを焼いていました。
外の、いかにも気持ち良さそうな青空を垣間見ながら、今日ばかりは、屋根の下で仕事をしているのがうらめしく思えました。

でも夕方になって、やっと外に出ることが出来て空を見上げたら、東の空にほぼ満月に近い月が上って来るところでした。
稲刈りの終わったお百姓さんは、さぞかし満足の思いでこの月を眺めることでしょう。
まるでプラネタリウムのように、完璧に雲一つない夕空に一番星が輝き始める頃、木間越しに夕焼けが明かりが灯っているように見えていました。
いやぁー、満足、満足!


  おしらせ
☆今週は、木曜日・クリングラ、土曜日・カネリプッラです。
☆「パンだより」間に合ってませんが、金曜日に会津若松市方面へ戸別配達いたします。
ご注文は、水曜日午前中までにお願いします。

マイブログ中間報告 vol.10

この「飯豊の空の下から・・・」を書き始めて、丸一年半が過ぎたところです。
その間に、世の中は新たなブログブームに入ったようで、本当に沢山のいろいろなブログがあるようですね。
と言っても、毎日自分のブログの更新を意識していると、正直なところ、他人のブログを見ている時間があまりないという状況です。

私の場合一つには、自分の生業に何かしらでもプラスになればというはっきりした目的がありますので、パンやお菓子、コーヒーなどに関するブログやホームページは、可能な限り時間を割いて検索しています。
たまには脇道にそれて、好きな音楽関係のサイトを巡ったりして、時間の経つのを忘れてしまうこともありますが・・・。

で、他人のブログを見ていても分かることですが、毎日更新の意義はそれなりに、否、かなりな程度に大きいと思います。
自分のサイトを、忘れられない程度にでも継続的に注目してもらうためには、ブログの毎日更新はとても効果的だと言えます。
ただその注目の中から、目的に適ったコミュニケーションが発展して行くためには、やはり記事の中身が重要になると思います。

私の場合、食工房の広報という視点で見ると、けっこう余計なことを書いていることの方が多いと思いますが、実利主義一辺倒で収まらない頭の中なので、こればかりは仕方ありません。
それよりも、それならそれで、それに見合った方々との出会いが成立していくだけですから、そういう幅の広さも後々何かしらのプラスになるだろうくらいに考えています。

さて毎日100人を越す方が訪問してくださっている私のブログですが、この1年半で80,000人超の訪問者をカウントしました。
100,000アクセス時には、またキリ番プレゼントをやろうかなと思っています。
このブログの場合は、訪問者数の多さはそれなりに意義は大きいので、少しずつでも増えて行くよう、継続努力して行きたいと思っています。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。