日別アーカイブ: 2008年11月16日

小麦粉値上り!

食工房で使用している国産小麦の粉の価格が、この11月から値上りしています。

前にも触れましたが、国産小麦自体の価格は統制価格なので変わっていないはずですが、小麦粉にして販売するまでの諸経費は、言うまでもなく上昇していて、製粉会社の経営を圧迫して来ました。
業者によって値上げのタイミングは異なったようですが、うちの場合は結構持ち堪えてくれていた方だったと思います。
しかしそれもとうとう限界が来て、この度5%余の値上がりになりました。
もっとも、小麦粉が原材料の全てではありませんので、ただちに製品価格に反映させる考えはありません。
とりあえずご安心いただきたいと思います。

それよりも、外国産の小麦の価格は上昇が続いており、量の確保も難しくなりつつあります。
これが高じてくると、ただ単に価格が上昇するだけでは済まない、大きな影響が予想されます。

それは前にも触れたとおり、国産小麦を高く買い上げるための補助金の財源を、外国産小麦を高く売ることによって得られる、差益に依存している構造があるからです。
外国産小麦があまりにも高くなれば、この構造を維持することが困難になり、最後には、国産小麦は無防備のまま市場に放り出されることになるかも知れません。
そうなれば、いくら高くなったとしても、まだまだ外国産小麦の方がはるかに安いはずですから、そこで一つの予想ですが、小麦粉製品の二極化が生じることになると、私は思います。

例えば、1斤300円くらいの外国産小麦のパンと1斤1,000円以上もする国産小麦のパン、こんな対比になるのではないかという気がします。
そしてそれは、それぞれのパンを買う人々の経済的な格差でもある、という状況になると思います。

そんな時代になった時、果たして私は、自分の焼いたパンを買えるのは裕福な人だけという状況の中で、パン屋を続けていたいだろうか・・・?と思うのです。
本当に今のうちに、日本の農業政策、食糧政策を何とかしないと、この国は滅びてしまうと、本気で心配する私です。