月別アーカイブ: 2007年6月

盛り上がりを大切に



今日も、昨日に引き続いて「工人まつり」に出店して来ました。
この二日間、普段は全く静かな山の中の場所に、一万人もの方が訪れたそうです。
この盛り上がりは、主催者、出店者、そしてお客様、それぞれ一人一人の気分が合わさって膨らんだ泡みたいなものかも知れません。
皆の気持ちがうまくかみ合わなければ、たちまちしぼんでしまう危うさと、いつも隣合わせなのですね。
この祭りが、いつまでもネガティブなエネルギーを引き寄せることなく、いい感じに続いて行くことを願っています。
さて、盛り上がりが大切なのはコーヒーも同じです。
写真のとおり、この盛り上がりを見てください。
泡立ちの良さは、そのまま焙煎し立てであることを証明しています。
コーヒー豆は、焼いた時に内部に大量の炭酸ガスが閉じ込められます。
それがお湯を注いだ時に一気に出て来るのです。
日にちが経って古くなると、その炭酸ガスは自然に抜けてしまい、お湯を注いでもあまり泡立たないのです。
今日は、こうやってコーヒーを入れているのを、何人もの方が眺めていましたが、解っていらっしゃるのかフムフムとうなずき顔の方もいれば、驚いたように「どうしてこんなに泡立つんですか?」と質問する方もいました。
そんなわけで、時々はコーヒーの入れ方を講釈しながらやっていました。
おかげさまでコーヒーの評判も上々、今日もクッキー一袋を除いて完売でした。
ご来場くださったすべての皆さまに、この場を借りて感謝申し上げます。
ありがとうございました。

 陶房「回青」の作品




こちらは、昨日ご紹介した工房「あるぼる」のお引き合わせで知り合った方の作品です。
私のパンのお得意様でもあります。
本当は、ゆっくり見せていただいて一つ二つ購入したいところでしたが、何しろこちらも自分の店が忙しくて落ち着かず、機を逃してしまいました。
そうそう、せっかくご紹介するのに、個人のお名前やご連絡先を公開しても良いか伺うのを忘れてしまいました。
「回青」さん、このブログをご覧になったら、どうぞコメントで自己紹介してください。
あ、それから「あるぼる」さんも。
よろしくお願いします。

ハイな一日



今日は、予てお知らせしたとおり、「工人まつり」に出店して来ました。
大きなイベントに行くといつも味わう独特の気分、それはそこに集まって来た人たちが吐き出すエネルギーが集まって、一つのすごい力になっている証拠です。
そこに居合わせる人は、皆似たような感覚を味わっているはずだと信じられる、不思議な一体感を醸し出しています。
「工人まつり」は、そういう意味では大変成功しているイベントだと思います。
年一回ずつ、20回以上も回を重ねて益々盛り上がっているのが何よりその証拠です。
こういう場合、経済的効果に評価や関心が集まり易いのですが、それは単なる結果であって、イベントが成功している本当の力はもっと違うところにあると、私は考えています。
それは、このイベントがモノづくりをする人たちの出展(出店も兼ねていますが)イベントだからだろうと思っています。
頭を使ってアイディアをひねり出し、手を動かしてモノを作ることは、ごまかしの効かない世界です。
「いいものはいい。」と、最後には必ず正当な評価が下る世界ですから、20年も続いているうちに本当に秀逸な工人たちが集まるようになったのでしょう。
当然、お客様たちも目が肥えているというか、価値の分かる方が多いのですね。
私は、パンと焼き菓子を並べてカフェをやったのですが、参加する前はコーヒーやパンなど食べ物への関心は、クラフトとは関係ないだろうと軽く考えていたところ全然違っていて最初ちょっと驚きました。
でも考えてみると、モノの価値に敏感な方が食べ物に関しても同様に敏感に反応するのは、ある意味当然なことでした。
ありがたいことに、今日は持って行ったものはすべて売り切れました。

 手づくり工房「あるぼる」の人形たち




この人形の作り手である金山町の私の友人も、ずっと以前からの出店者です。
こちらも今日は売り切れ状態だったとか。

ポータブルカフェ



明日の準備をしています。
写真の道具は、ポータブルカフェです。
もうかれこれ、14、5年も使っています。
以前、いわき市内で「百姓の市」に出ている時は、毎週日曜日の午前中、路上で無料のストリートカフェをやっていました。
コーヒーの香りに誘われて集まって来たお客さんに、コーヒー豆や手づくりのパンとお菓子を買っていただいていました。
こちらで店を持ってからは用が無くなるかと思ったら、意外に出番があるのです。
この前のメリーランドのお引っ越し祝いの時にも、これが大活躍しました。
何でもちょっと人が集まるところに持って行けば、すぐにおいしいコーヒーが飲めるというわけで、あちこちで皆さんに喜ばれています。
これも実は私の自作です。
風除けは完璧ですし、カセットコンロの操作がやりやすいように、穴も開けてあります。
ポットなどの小道具を置くスペースも確保しています。
そして前面にはポスターやチラシが貼れます。
明日はこれが大活躍します。
ちなみに、下の写真は「百姓の市」に出ていた頃の食工房のお店です。

農民連直売所

木曜日は、いつも申し上げるように忙しいのですが、合間を縫って配達に出かけます。
まず最初は、喜多方市の市街地にある「農民連直売所」です。
農民連は全国組織ですが、会津支部の事務所がここ喜多方市にあり、直売所を併設しているのです。
ここの目玉は、米どころ会津の自慢のおいしいお米を、その場で精米してくれることです。
そしてお値段もさすが産直、納得の行く良心的価格です。
少量でもオーケー、待っている間にすぐにやってくれます。
その他季節により、野菜、果物加工品などが並びます。
無農薬有機栽培に取り組んでいる農家の生産物もあります。
そして、食工房のパンと焼き菓子も販売しています。
毎週木曜日に配達に出るのは、まずここにパンを届けるためです。
それから一路、坂下町へ向かいます。
こちらでまた一ヶ所寄って、帰り道にもう一ヶ所寄って山都に戻って来ます。
配達だけではもったいないので、ついでにいろいろ用も足して来ますが、あまり欲張ると帰りが遅くなって翌日の支度をしてくれている娘たちの負担が大きくなりますので、ほどほどにしなくてはなりません。
何にしても、やっぱり木曜日は頑張る日になってしまいます。

※ここに、「お散歩マニア」というサイトにリンク出来る地図を張り付ける予定でしたが、うまく表示されないようなので今回はあきらめました。
どなたか良い方法をご存知でしたら教えてください。
「お散歩マニア」へのリンクは、こちら

コーヒーから見える世界



コーヒーの仕事をするようになってから、ずっと思っていることがあります。
それは、コーヒーを通して見えて来る、世界の国々の不公平と格差の問題です。
「コーヒーを飲む人の国はお金持ち、コーヒーを作る人の国は貧乏。」、この図式がもう200年間もずっと変わらず続いています。
コーヒー、紅茶、スパイスは、ヨーロッパの国々にとって錬金術の材料でした。
そのおかげで、生産地各国は次々と植民地にされて行きました。
その後大方の国々が独立を果しましたが、経済的支配の構図は今でも変わっていません。
世界一のコーヒー生産地ブラジルでは、昔はコーヒーはお金にするために専ら海外に輸出するものでした。
自分たちは、選別下となった豆の中から少しはましなものを拾い出して、それにいろいろ混ぜ物をして量を増やして飲んでいたそうです。
〇〇コーヒーと様々に名付けられたコーヒーの中身は、大豆、麦などを焦がしたものが大半混ざっていたのだそうです。
そして、その他ありとあらゆる植物の種子が試されたようですが、中でもオクラの種が絶品だったと、どこかで聞いた覚えがあります。
 
 妨害されたフェアトレード
私がコーヒー焙煎を始めた時に、一番最初に仕入れた豆はペルー産のもので、日本の支援団体の協力で無農薬有機栽培に取り組み、フェアトレードで日本に輸入されていました。
原住民の人たちに、農業技術と商取り引きのノウハウを教えることによって、現地の振興に貢献出来そうな兆しが見えてきた頃、あろうことか現地に派遣されていた指導者リーダーが、武装集団に命を狙われるという事件が起こりました。
結局このプロジェクトは挫折せざるを得ませんでした。
その後、私が覚えている限り、ここの豆は何年か後になって、ある大手商社の通販サイトで格安のオーガニックコーヒーとして販売されています。
さらにその後はどうなったか知りませんが、その武装集団は、大方現地のブローカーたちがけしかけたものに違いないし、さらにその後ろで糸を引いていた力があったのでしょうね。
コーヒーの生産地の国々は、今でも往々にして政情不安で、戦争の危機に瀕している場合が少なくないのです。このペルーの豆の他にも、内戦で出荷不能となったまま、その後途絶えてしまった銘柄もあるのです。
どうぞ皆さん、一杯のコーヒーを召し上がる時、ちょっとこれらのことを思い出してください。
コーヒーの飲み方一つで、世界が変わることもあり得る、私はそんな思いでコーヒー焙煎をやっています。




 イベントのご案内
6月9日(土)と10日(日)の両日、会津三島町の「工人まつり」に出店します。
当日は、日頃お世話になっている空色カフェさんの応援ということで、出張カフェを開店いたします。
空色カフェさんでも使っていただいている、食工房の自家焙煎コーヒーとシナモンロール、スコーンを召し上がっていただけます。
空色カフェさんも素敵なメニューを沢山準備しているそうなので、皆さまどうぞお楽しみにお出でください。
なお、工人祭りへのお問い合わせはこちらへ。 http://www.town.mishima.fukushima.jp/kougeikan/
空色カフェさんのホームページもご覧ください。
http://www.okuaizu.jp/sorairo/

PCマニア

私は、PCに触り始めてから二年半ほどになりますが、その時から今も使っているPCは、PCマニアが自作したものです。
当時、ワープロが壊れて途方に暮れていたところへ、その方から「いいのがありますよ・・・。」と声をかけられ、1万5千円という安さに魅かれて半信半疑でPC導入となりました。
その方が、「誰にでもこんな話は持ちかけないんです。」「Aさん(私のこと)は、マニアの素質十分と見込んでいるからお譲りするんです。」と、恐ろしいことを言うのでちょっとびびっていたかも知れません。
でも今になって見ると、私が自分でも薄々自覚していたとおり、その方の言ったことは正しかったようです。
そして、それを後押しするように周りにPCに堪能な方々がずらりと揃ってバックアップしてくださるので、この二年半の間にずい分いろいろなことが出来るようになりました。
もちろんまだまだ初心者の域を出ませんが、自分のPCは仕事で使いやすいようにどんどんカスタマイズしています。
そして、システムの冗長性を高めるために、もう一台PCを用意しようと考えているところです。
天の計らいかそれとも自分で引き寄せているのか知りませんが、私はここでもまた研究熱心な性格を発揮させられているという気がしています。
でも私は、いわゆるオタクにはなれません。
私は、もう一方でエコロジストを目指しているのですから。
ええーっ!
自分でもつくづく滅茶苦茶な性格だなと思います。
バランスを取りたいだけなんですけどね。



ちなみにその1万5千円のPC、17inのディスプレー、キーボード、本体の3点セット。
CPU:AMD2400+  メモリ:512M(後で1Gに増強) HDD:80G(近々、もう1枚入れてミラーリングする予定。) ELSAビデオカード DVDマルチドライブ FDDドライブ OS:WindowsXP Home Edition その他仕事から趣味まで使えるアプリケーションが20種類余り。
こんな内容でした。
恥ずかしい話ですが、当時は全く価値が分かりませんでした。
興味のない方には、面白くない話だったかも知れませんね。すみません・・・。
明日は、「習刊コーヒー通信」です。

コーヒークッキー、そして続・悪豆拾い

昨日の賑やかさとはうって変わって、今日は静かな一日でした。
でも、その分かえって仕事の密度は濃くなるのです。
朝は少し寝坊しましたが、まず昨日から仕込んでおいた「山の子クッキー」を焼いて、それから急いで支度をして「コーヒークッキー」を焼きました。
コーヒークッキーに使うコーヒーは、もちろん自分ところのコーヒーです。
フルシティーローストの豆を少し、うんと細かく挽いてそのまま入れます。
えっ!と思われるかも知れませんが、クッキーだから可能なんですね。
ココナツの粗い粉末も入っていますので、かなりザラザラしていますが、悪い食感ではありません。
それより、これだけコーヒーの香りがするコーヒークッキーは、たぶん他にはないと自信を持っています。
カラメルや香料など一切使っていません。



それから午後も遅くなってから悪豆拾いです。
今週末は、イベント出店で大量に豆が必要なのです。
そこへ、ご常連のお得意様からコーヒー豆のまとまったご注文をいただきましたので、まず滅多にやることのない量(10kg)の豆を選別しました。
1kgずつ缶に入れて10個並んでいるのを見て、ちょっと恐ろしくなりましたが、手伝ってくれる娘たちも手慣れているので、気合いを入れて何と2時間少々で終えることが出来ました。
悪豆拾いも、音楽聴きながらおしゃべりしながら何人かでやれば、そんなに苦痛な仕事でもないんですね。
気楽にボランティアをお願いしてもいいのかな、と思ったりしています。
代わりに、その日はコーヒー飲み放題でいかがでしょう。

続・セルフヒーリング



ドタバタと忙しい毎日を過ごしていると、しだいにストレスがたまってくるのが分かります。
何か嫌な状況に悩まされているならなおさらですが、逆に全く調子良くやっていても、ストレスはたまるらしいですね。
私たちの心身をほんとうに勇気づけ、元気づけてくれる源はどこにあるかと言えば、それはこの地球、大地、大自然そのものじゃないでしょうか。
それは、誰でも本能的に分かっていることですね。
疲れた時、山に行ったり海に行ったり、ただ空を眺めたり風に吹かれたりしたくなるのは、自分で自分を癒そうとする本能的感覚なのです。
だから、人間が造ったものばかりに囲まれて、自然の法則に従うことを忘れ人間の決めた約束事に縛られてばかりいると、人は必ず心身を病むというのは、単に私がそう思っているというより、それが自然の摂理なんですね。
そう考えると、この時代にいる人間たちは、何事によらず「やり過ぎ」状態に違いありません。
例えて言うなら、それはペダルが何千、何万もついている一台の自転車に乗って走りだしたようなものでしょう。
小回りが利かない上に、すごいスピードで走っているので降りることも出来ません。
皆が漕ぐのを止めて静かに停車しない限り、暴走は終わらないのです。
そんな巨大な自転車同士が衝突することもあれば、崖から転落することもあるでしょう。
私には、世界は今まさにそんな風に見えます。
そんなら一つ、少しでもスピードが遅くなるよう漕ぐのをサボっていようかと思っても、かえって危ない時もありそうです。
ここらでケガを覚悟で飛び降りて、自分の足で歩く方を選んでもいいんじゃないかと思ったりします。
でも、こんなブログを書いたりホームページを作ったり、インターネットを使いこなそうとしているのは、まだまだ一生懸命ペダルを漕いでいる方かも知れませんね。



 カフェクラブ満員御礼
結局12名の方のご参加をいただき、危うく椅子が足りなくなるところでした。
本当にありがとうございました。
5月6日のCHAさんの引っ越し祝いで味わったのと同じ心地よさを、ここでもまた味わった気がしています。(5/6の記事へ
大げさなことを言いますが、私にとっては、一個のパン一杯のコーヒーで喜んでいただくことが、私の平和運動なんだと自負しています。
8月には、本当にカレーパーティーを3回くらいやれるかも知れません。
皆さん、どうぞお楽しみに。

いろいろやりすぎ?

今日は、まず朝はパン焼きに精を出し、午後は昨日一部やり残したコーヒー焙煎を片付け、その後、小一時間かけて妖精美術館のある金山町の友人宅へ出かけました。
この秋に、アイリッシュコンサートを企画していることはすでに紹介しましたが、そのミーティングがあったのです。
メンバーは、私も含めて全員がボランティアでこの企画に関わっています。
何でこんなことをやっているのかと言われそうですが、いい音楽を生で聴きたい、でも東京までコンサートを聴きに行く時間もお金もない、だったら自分のいる場所でコンサートを企画して演奏家を呼べばいい、せっかくやるなら出来るだけ多くの人と分かち合いたい、という気持ちが元になっているのです。
そして、地方のそのまた辺地と言われるような場所に、わざわざ来なければ聴けないようなコンサートにしようじゃないかという意気込みで進めています。
多くの方に聴きに来ていただきたいと思っています。
どうぞお楽しみに。
いずれこのブログ上でも、詳細な情報を告知いたします。
こんなチャネルも、私にしてみればいつものことなんですが、いろいろやりすぎでしょうか?
「パン屋さんじゃなかったの。」と言う声が聞こえて来そうです。
そう、私は面白いパン屋です。
さてさて、今日はもう時間がなくなってしまいそうです。
明日は、カフェクラブの集いに10人近く集まりそうです。
また忙しくなりそうです。

悪豆拾い



「わるまめひろい」と読んでくださいね。
アクトウではありません。
今日は、午前中はマフィンとスコーンを焼いて、午後からは「悪豆拾い」とコーヒー焙煎で終わりました。
コーヒーの生豆というのは、ご覧のとおり緑色をしていて、別名「グリーンコーヒー」とも言うのです。
農作物ですから、当然出来不出来があります。
粒の大きさ、乾燥具合などのバラツキを、完全に無くすことは出来ません。
一番困るのは、腐敗醗酵した豆とカビが生えた豆、それから虫食いや割れの入った豆です。
これらは確実に風味に影響しますから、バットに広げて一粒一粒目で確かめながら、悪い豆を見つけたら拾い出します。
手選別ともハンドピッキングとも言いますが、うちでは悪豆拾いと言っています。
これがまた大変な手間で、しかしこれをやるかやらないかで、そこのコーヒーの価値が決まってしまうほど重要な作業なので、絶対に手を抜くわけには行かないのです。
大方は現地で出荷前に選別してくれていますが、輸送中、保管中に悪くなってしまうものがどうしても少しはあるのです。
この悪豆拾いをしながらいつも考えるのは、現地の人は多分、こちらの何十倍も手間がかかる選別の仕事を一日中やっているんだろうなぁ、ということです。
食工房で取り寄せているものの内、一銘柄だけ多分無選別と思われるものがあるのですが、これの悪豆拾いはさすがに音を上げたくなります。
約20%のロスが出る上、一人でやると1㎏分の豆を選別するのに小一時間かかります。
でも、この豆がどうにも捨て難い風味の良さを持っているので、止めるわけには行かないのです。
さておかげさまで、あさってのカフェクラブの準備もどうにか間に合ったようです。