月別アーカイブ: 2010年2月

コーヒークッキー、大事件で大成功

 


 7×10列に並べて焼き上げたところ
小さい貝殻の形になりました。



コーヒーの香りを堪能出来ます。
食工房の自信作となりました。


今日は、コーヒークッキーを焼くつもりで、朝一番から準備に取りかかりました。
材料を計って、ミキサーにかけて、天板に油を引いて、さて絞り袋を出して口金を付けようとしたところ、あるはずの口金がどこを探しても見つかりません。
この前やったのはいつだっけ?と上の娘と二人で思い出しながら心当たりを何度も隈なく探しましたが、とうとう見つけることが出来ませんでした。
仕方がないので、いつものとは違う刻みの細かい口金でやることにして始めたところ、いつもよりずい分小さい塊になってしまいます。
これでは、天板の数ばかりやたらに増えて作業時間が長くなるし、こんなことは後々やってはいられないと思いながら、何とか最後まで成形して並べ終えて見ると、いつもは8~9枚で足りる天板を14枚も費やしていました。
一個当たりの質量が小さいので、温度や焼き時間の設定も同じでは具合が悪かろうと思い、焼いている間もずい分緊張していました。

さて焼き上がって見ると、これが何だかいい感じです。
それでも、とにかく口に入れて見ないことには結論は出ませんから、先ずは私が一口。
と、今までにない軽い口当たりにうれしい驚きは良かったのですが、さあそこでまた頭を抱えてしまいました。
だって、この次もこの口金でこの形でやるしかないかないじゃないですか!

以前より良い結果が出たら、その次からはそれがスタンダードになるのが宿命。
仕事は、向上への一方通行なのです。
こうして手間と時間は増える一方。
(以前にも、ちよっとしたトラブルが元で、良い結果が出たことがあります。) <参照>
でも今回、コーヒークッキーのグレードが、格段に上がりました。
おまけに、ラベルも新しくいい感じのものが出来て、体は疲れましたが気分は上々です。


 



一個当たりが小さくなったので、一袋に詰める数はずっと多くなりました。


専属イラストレーターがいるおかげで、
すぐに新しいデザインが実現します。



一つお断りです。


クッキーの焼き上がりが良くなるにつれ、同じ材料で焼ける製品の目方が軽くなっています。
生地がうまく膨らんで、水分も良く抜けているわけです。
これが、口当たりの軽さにつながります。
実は、コーヒークッキー以外の製品も、ここ一年前くらいから焼き方の工夫により、製品の目方が減って、袋詰めした時の数が既定の数に達しなくなっています。
そこで大変恐縮ですが、この次から一袋当たりの量目を5g程度減らさせていただきます。
減ったのは水分だけで、実質は同じです。
どうぞご了承ください。

オーブン


この素敵な形のハンドルを磨くのが楽しみです。


とにかく道具好きの私、二十代の頃、厨房機械器具で有名な東京浅草のかっぱ橋道具街に初めて行った時のことです。
見るもの何でも面白くて触りたくて、出来るわけもありませんが、全部手に入れたい気持ちに駆られました。
一人暮らしに必要とは思われませんでしたが、それでもその時、直径27㎝の半寸胴鍋と中華料理にも使える大火力のガスコンロと小物をいくつか買って、電車と歩きで当時住んでいた千葉まで、どうやって持って帰ったのだろうと今思い出せませんが、確かにこの手で運びました。

その後何度も、足を運ぶことになったかっぱ橋道具街ですが、いつも私の目を惹きつけていたのは、製菓道具の店の前に展示されているオーブンでした。
上下二段になっているパン焼き用の大きなオーブンを眺めながら、こういうのを一台家に置いておいて、自家用のパンを焼きながらパン屋の気分だけ味わえたら、きっと素敵だろうなと思ったものです。


結局最後にパン屋になった私ですが、手に入ったオーブンは、私がかつてかっぱ橋で眺めていたのと全く同じ上下二段の大きなものでした。
扉の形まで、当時の感激を思い出させてくれるような古い型式のものですが、最新式のハイテクオーブンよりもずっといいと思っています。
何もかも全部手動。
温度計もアナログメーター式でそれほど正確ではないので、庫内温度は実際に手を入れて勘を働かせます。
温度調節も手動ですから、焼け具合を見ながらスイッチを入れたり切ったりして加減します。
ですから、焼き始めから焼き上がりまで、ほとんどずっと付きっきりで番をしています。
でも実はこのことが、物が焼ける理屈と言うか、火の通り方の物理学を理解する助けになっていて、おかげでこの6年余りの間に、ものすごく貴重な勉強をすることが出来ました。


そして今は、製品の出来にも少しはその成果が出ていると自負しています。


ところで、昔、耐火煉瓦を積んで石釜を造ってみたいと思ったこともありましたが、ついにその機会に恵まれず、今となっては少しばかり歳を喰い過ぎました。
それにパンもお菓子も焼きますので、この旧式の電気オーブンが融通が利いて一番具合がいいのです。


小麦粉をおいしいパンや素敵なお菓子に生まれ変わらせる、魔法の箱オーブン。
今日は、ジンジャークッキーとナッツクッキーを焼きました。


  と言うところで、今週のクッキーとマフィンのお知らせです。


今週は、ジンジャークッキー、ナッツクッキー、バタービスケット、くるみびすけっとを焼いています。
それにプラス、明日コーヒークッキーを焼く予定です。
他に、わらいごま、パタポン、どろんこクッキー、在庫があります。


今週のマフィンは、スィートハートのみです。

こんな日もあるもの

今日は、お天気も良かったのですが、お一人のご来店もなく静かな一日。
仕事は手際よく片付いて、午後から空いた時間、家の裏の雪かたしをやっていました。
ちょっとやり過ぎて、くたびれて、頭もボーっとしています。


まあそんなわけですから、今日は私のお気に入りの一曲でもお付き合いください。
下の娘が見つけた、スペインの若手です。いい曲です。


 



 


 


 

雪に感謝


こんなものを作って遊ぶ余裕は、実は、この世で一番大切なことかも。


まあこんなことを言うと、寒い中外で体を使って仕事をしている方からは、お叱りを受けるかも知れませんが・・・。


私にとっては、毎日少しでも雪かたし(雪片づけ)をやれることは、健康維持の上で大変ありがたいことなのです。
今朝も、大した量ではありませんでしたが、除雪車が出動するくらいの積雪(15cm以上)には達していたようです。
除雪車が道路脇に残していった雪の塊を、スコップやスノーダンプで片づけて、駐車スペースを確保したり出入りがしやすいようにしたり、小一時間ほど作業して汗をかきました。


それまで寒い寒いと縮こまっていたのに、終わる頃にはすっかり体が温まって家の中に入ると暑く感じるほどでした。
お腹がすいて食べるものはおいしいし、眠気も吹き飛んで頭もスッキリ。
やり過ぎると確かに筋肉痛になったりしますけど、雪かたしが続く間は、首筋や肩の凝りはすっかりとれてしまって、全然気になりません。


これが夏なら、畑仕事が一番です。


その逆に、夏冬問わず一番健康を損ないそうなのは、パソコンの前に座っていることです。
同じ椅子に座っているのでも、ノートに字を書いているのとは何か違います。
医学的にも、結論は出ているみたいです。
それよりも私は、雪かたしとパソコン作業の間で、爽快感と不快感を交互に味わいますので、人間の体にとってどの程度にどんなことをするのが健康に良いのか、何となく感じるものがあるのです。


それはそうとパン屋の仕事にも、不健康な体の状態に陥りやすい、一種職業病的な体の使い方に関する癖があって、気を付けていないと体を壊します。


何でもそうかも知れませんが、そればっかりというのが一番悪いようですね。
この世にある生業で、健康に害のないものはと言ったら、さあなんでしょう?


恐らく昔のお百姓さんでしょうね。
百姓百品、百の姓と、何でもやるのが百姓。


そんなことを考えながら、今日も雪に感謝。


おいしいパンを焼くにも、まず体の健康がなくては始まりませんから。

すごいことを聞いてしまった!

今日、宅配便のお兄ちゃんと喋っていて、彼がパン屋で働いていた前歴があることが分かりました。
それも、会津や近県の有名どころを遍歴して、職人の道を目指していたらしい・・・。
会津管内の良く知っているパン屋の名前も上がりました。

それがまた何故、宅配便のドライバーになったのか、そこは聞き逃しましたが、「最近パン屋が増えてませんか?」と持ちかけたところ、「そうですよ。会津は、パン屋は激戦区ですからね。」とのこと。

わ!わっ!そうなんだ・・・!

時々、あちこちに新しいパン屋が出来たという話が伝わって来ますが、激戦区との認識があるとは知りませんでした。


うちは、元々何処とも競い合わずにやれる道を選んでは来ましたが、これを聞いては、そうそうぼんやりはしていられません。
もちろん方針を変える気など、更々ありませんが、心中密かに決意を新たにする私です。


これから益々、おいしいパンをつくります。
楽しいお菓子をつくります。

焙煎の面白さ、再認識

もう20年もコーヒー焙煎をやっていますが、最近また改めて焙煎の面白さに開眼しています。

先日のこと、業界紙を読んでいて「完煎」という言葉に、初めて触れました。
まずコーヒーの焙煎度は、浅い煎りから極深煎りまで8つもの段階があって、それぞれの段階の差異は微々たるもの、と言えばそう言えなくもない程度のものです。
実際のところ、焼き色が判断の基準ですから、中身の質的な焙煎度とズレることだってあり得ます。


それよりも、ここに来て私が自分の経験から納得したことは、すべての種類の豆が、どのような焙煎度も可能というわけではないことです。
言い換えると、各銘柄にはそのキャラクターを生かす最適の焙煎度があるということです。
こんなことは、業界の方ならとっくにご存じのことだったかも知れませんが、素人独学の私には経験上そうかも知れないと思っても、確信はありませんでした。



セラード カフェ・ヴィーニョ

単品ストレートでもちろんおいしいのですが、
ヴィーニョベースのおいしいブレンドや
カフェマヤブレンドも試してみたい。


今日はそのことをまず念頭に置いて、カフェ・ヴィーニョを、これならどうだ!という火加減と時間設定で焙煎に臨みました。
思った通り、甘味系でワインのような酸味が持ち味のこの豆の特徴がよく出る瞬間があるのを、煙の匂いから掴むことが出来ました。


「完煎」という言葉に、思わず膝を打った私です。


茶房  千 



古代文字で描かれた看板
この雰囲気を街並み全体に、
と思うのは私だけでしょうか?


  「千」オリジナルブレンド

先日ご紹介した山都町の新名所、茶房「千」。 <こちら>
こちらで使っていただくコーヒー豆の一つに、新しく「千」オリジナルブレンドを作りました。
食工房テイストに店主の秋庭さんのお好みを加味して、多くの方に好まれつつ、且つ「千」でしか味わえないブレンドが出来上がりました。


レシピは、「千」のために封印。
食工房での販売もありません。

パンだより出来ました。

印刷バージョンの「食工房のパンだより・50号記念合併号 1.2.3月号」が出来ました。


pdfファイルを、食工房のホームページにアップしました。 <こちら> からご覧いただけます。


併せて、自家焙煎コーヒー豆のメニューパンフレットも更新いたしました。 <こちら> からご覧いただけます。


 

パンだより編集中


ルーターを取り換えてから、作業場でも無線LANでPCが使えるようになりました。
これで、ちょっとでも時間が空いた時は、作業場でも更新が出来ます。


やっと取りかかっています。今月来月の予定など、お知らせしなくてはならないことがいくつかありますし、新製品発売やコーヒー豆のこと、ブログではすでに告知していますが、やはり連れ合いのイラストが紙面を飾る、印刷物としてのパンだよりは、欠かすわけには行きません。


明日明後日のブログの更新をお休みして、何とか仕上げたいと思っています。


余談になりますが、今Microsoft社のOffice2010Beta無料試用評価版を試しています。
私、特別Microsoft贔屓というわけではありませんが、PC普及の大きなきっかけになったWindowsを開発した会社のやることに、ちょっと興味があるのです。
正式リリースされても、導入するかどうかそれは分かりません。
今のところ、2007バージョンに比べて感激するほどの進歩は見出せていませんし・・・。
その話は、また別の機会に。


  今週のクッキーとマフィンのお知らせ


クッキーは、くるみびすけっと、どろんこクッキー、パタポンの3種類。
他に、ジンジャークッキー、ナッツクッキー、コーヒークッキー、わらいごま、バタービスケットの在庫が少しずつあります。


マフィンは、シマリス君の朝ごはんとそば粉マフィンを焼きます。

冬将軍、アンコール


ガラスはずっと曇りっぱなし 



 外は、強風に煽られて雪が舞っています。


昨日、今日と、これが本当の冬の寒さと思わせる厳しい寒さと、そして雪でした。
冬将軍にアンコールを送ったのは誰でしょう?
私もその一人ですけど・・・。


植物たちには、もう少し寝ていてもらわないと、早すぎる春は後が怖いのです。


さて食工房の作業場も、この寒さで温度が上がらず、使わない合間もオーブンの電源を入れっぱなしにして、部屋を暖めていました。
おかげさまでパン焼きは無事終了。



ピストーラ、4連発 



 りすパン


ピストーラはいっそう細長く成形して、いつものクープ3本じゃなくて4本にしてみました。
長筒4連発バージョンです。


残った生地で可愛いりすパンも出来ました。


そして早速リクエストが舞い込んだくるみびすけっとも、一回戦焼きました。
袋詰めの後、計量残りをポリポリかじり出したら、それこそ止まらなくなりそうで困りました。
自分で言うのも何ですが、うまい!です。


 


外は地吹雪。
今日は、その中をわずかにお一人のご来店です。
3倍ポイント差し上げました。



 



食工房のブラウニー・まるごとカカオの本格派 <参照>


  for バレンタインデー


昨年同様、ブラウニーのバレンタインパッケージを作りました。
その他今年は、どろんこクッキー、エルフの焼き菓子など、チョコレートをアレンジした食工房の焼き菓子をお求めの方には、ご要望に応じてバレンタインパッケージを承ります。
お気軽にご用命ください。
To You  For You の2枚のシールを裏表に貼ります。
写真をご参照ください。包装代無料。



 



 


土佐のにぎやか事情


高知は、全国で一番街路市の盛んな街です。

「土佐の街路市」


実は来月早々、郷里の高知に出かけたいと思っています。
14年前に父を亡くして以来、それまで疎遠にしていた郷里に毎年帰省しています。

こんなことなら、父の生前からそうすれば良かったようなものですが、それが出来なかったのは、若気の至りと言うにはもういい歳になっていた私ですが、それ以外の何ものでもありません。
残る母は、間もなく満90歳。
本人は、いつまでも生きているのはしんどい(辛い)と、口を開く度にそう言うので、いつもこれが最後になるかも知れないと思いつつ、また今年も顔を見られるのを楽しみにしている私です。


さて、高知に行く度に、分かっていてもいつも新鮮な驚きを感じることがあります。


それは、スーパーマッケットなどお店の中が、すごくにぎやかなことです。
たいてい着いた日の夕方買い物に出かけて、まず一撃喰らってしまいます。

入口を入る前から、もう外にワイワイガヤガヤと人の声が聞こえてきます。
いっぱい人が来て込み合っているのかなと思って中に入って行くと、それがそうでもありません。
でも、見ると何人かの奥さんたちが、あちこちでしゃべり合っています。
「○○さーん、はよう来て、さばが安いでぇ!」と、手は高々と一匹つかみ上げています。
「ちょっと待っちよって。牛乳買うてから行くき!」とあちらのおくさん。
知った顔に出会うと、人目をはばかることなく大きな声で、声をかけあいます。
周りの人も、それくらいのことでいちいち振り返ったりしません。

品物を手に取ったまま迷っている風だと、「私もそれ買うてみたけんど、なかなかおいしかったでぇ。」と、知らない人にも声をかけたりします。
売り場の人が呼び込みなんかしなくても、お客さん同士で口コミしてくれるので、店内放送もしてなかったような、音楽もかかってなかったような、さっぱり記憶にありません。
でも、とにかくにぎやか!


それが会津に帰って来ると、分かっていてももう一度驚きます。
喜多方市内に買い物に行くと、「あれっ、まさか休みじゃないよね?」と思うくらい静かなのです。


この激烈なまでの相違。
土佐と会津、その両方に暮らした者以外は実感出来ないと思う私です。