外観はずい分傷みましたが、中は本当にきれいでした。
8間×4間・一部二階建て・建坪40坪
正真正銘のハンドメイドハウスです。
8年前まで私たちが山暮らしをしていた川内村へ、今日久しぶりに出かけて来ました。
厳しい原子力災害をもろに被り、全村避難の渦中にある川内村です。
私にとっては、8年前に決断して後にして来た場所ですが、そこにはまだ自分で建てた家がそのまま残っているのです。
今日は、その家のことでけじめを付けに行って来ました。
現在その山の中は、地主さんのご夫婦が二人だけで生活しているのですが、途中の林道は震災の影響でしょうかずい分傷んでいて、毎日の出入りはさぞかし大変だろうと思えました。
しばらく見ないうちに、山々の木々がすっかり大きくなって、景色も変わってしまったかのようです。
でも、その自分で建てた家だけは、林の中に埋もれそうになりつつも、そこだけが時間が止まっている様に見えました。
中に入ると、8年前暮らしていた頃と同じ匂いがして、驚くと同時に胸が詰まりました。
そしてうれしかったのは、あの震災の震度6の揺れにも、ガラス戸一枚割れることなく、ドアの開閉も何の引っ掛かりもなくスムーズだったことです。
同行した息子や娘たちが言いました。
「この家は、原発より丈夫に出来ているんだ!」と。
しかし放射能だけが、例外もなくこの家を浸していました。
私も、家族の誰かも、もうここで暮らすことはないでしょう。
しばらくの間、立ち去り難い思いにただ黙している他ありませんでした。
でも、今日行って来て良かった。
これからはよい思い出だけを携えて、しっかりと前を向いて歩いて行こうと思います。
ありがとう、皆さん!
在りし日の家の中の一コマ