プンパニッケルは、ドイツの伝統的なパンの一つです。
ライ麦の全粒粉に酵母とヨーグルトを加えて発酵させた、ザワータイク(ライサワー種)と呼ばれるパン種を使って生地をこねます。
このパンは、酸味があるのが身上で、ドイツの方はどうか知りませんが、日本人の私たちの間では極端に好みが分かれるパンです。
だからこのパンをつくっているパン屋さんは、そう沢山はいないのです。
増してや人口の少ない田舎では、買ってくださる方はなおさら少数派になりますから、当店でこのパンをつくっているのは、他ならぬ私と家族の者が食べるからです。
とは言え、たとえ少数でも熱心なファンは必ずいらっしゃいますので、その方々のためにも手堅く続けて行くつもりです。
プンパニッケルのおいしい召し上がり方
薄く切ってそのままか、軽く焙ってお召し上がりください。
バターやクリームチーズ、あるいはカマンベールチーズが大変良く合います。
スモークサーモン、ベーコンなど燻製品もOK。
また、レバーペーストやブルーチーズなどクセの強い材料とも相性がよろしいです。
それから、シソ味噌がとてもいいマッチングでおすすめです。
(当店のお客様の発案で、試食会でも好評でした。)
飲み物は、スープがあれば最高ですが、ハーブティーやミルクをアレンジした飲み物、プレーンヨーグルトとフルーツソースなんかも合います。
そして、アルコールなら赤ワインをお試しください。
もう一つ余談ですが、プンパニッケルは食物繊維を大量に含む、スーパーダイエットメニューです。
月別アーカイブ: 2007年5月
どんなに忙しくても・・・
Mikio フォトアルバム 獏の空の下から・・・ より 「裏山の空」
Mikio フォトアルバム 獏の空の下から・・・ より 「モミジの実生」
どんなに忙しくても、忘れたくないことがあります。
空を仰ぎ、風の音に耳を澄まし、匂いを嗅ぐこと。
樹木を眺め、草花を愛で、地を這う虫の行方を気にすること。
どうか、「そんなことは、暇な人間のやることさ!」と言わないでください。
それを忘れたら、多分、人は自分が何のために生きているのか、どうしてこの世界に生まれて来たのか、それが分からなくなる。
私は、そう思っています。
本日の食工房
暖かくなって酵母の調子は絶好調です。
おかげで仕事のペースを煽られています。
パン生地もちょっと暴れ気味です。
こだわりのネルドリップ
ペーパーフィルターが普及する前、コーヒーはネル(布)ドリップで抽出するのが最もポピュラーでした。
最近は、ペーパー式に押されてすっかり影が薄くなったネルドリップですが、コーヒーの最高の味は、実はネルドリップで出せると言われています。
サイフォンの方が何となくワンランク上という感じがしますが、実際にはペーパー式も含めてドリップの方がはるかにデリケートで奥が深いのです。
それだけに、ネルドリップではさらに使いこなしが難しく熟練を要します。
ネルドリップの場合もペーパー式同様、まずは抽出量に見合った大きさのフィルターを用意します。
新品のフィルターは糊を効かせてあるので、鍋に湯を沸かしその中にフィルターを入れて、十分間くらい煮立てて糊気を抜いてから使い始めます。
この時にコーヒー粕を一緒に入れて煮ると効果的です。
以後フィルターは繰り返し使用しますので、使用の度に丁寧に湯洗いした後冷たい水に浸して保管します。
※乾燥させると、それきり使えなくなってしまいます。
また、ネルドリップはペーパーよりも落ちるのが遅くなりますので、豆の挽きは幾分粗めにします。
抽出の手順はペーパー式とほとんど変わりませんが、同じ3分以内に落としてもネルドリップの方が、コーヒー粉と湯の接触時間が長いので、味も香りも濃厚な感じになります。
またこのネルドリップ特有の蒸らし効果を活かして、少し細かく挽いた粉に思い切って温度を下げた湯をゆっくり落として、他の方法では真似の出来ないマイルドでしかもコクのあるコーヒーを入れることが出来ます。
その逆に、粗挽きした粉に沸騰直後の熱い湯で短時間抽出すると、香りと苦みが心地良いアッサリした風味のコーヒーを入れることも出来ます。
本日の食工房
今日は定休日なのですが、朝からコーヒー焙煎をやりました。
只今それが終わって、PCに向かい合っているところ。
それから忘れてはいけない!
明日のパンづくりに備えて、酵母のメンテナンスと計量、もう一つ、ライ麦の自家製粉も。
お知らせ
ホームページの準備も少しずつ進めています。
とりあえずURLが決まりました。
食工房のホームページ http://shokuko.com出来かけのページが見られます。
お問い合わせ用メールフォームが使えます。
ブラウニー
以前から、うちのかみさんが「ブラウニーを造ったらいい!」と何度も繰り返すものですから、そんならと思い先ずはネット検索でいろいろ調べました。
そうしたら、ブラウニーという名のお菓子はいっぱいあって、チョコレートまたはココアを使うということ以外はほとんど何でもありなんですね。
だったら、「食工房のブラウニー」を勝手にでっち上げればいいということになるわけですが、その前に、食工房にはお菓子好きのご常連でアメリカ出身の方がいらっしやいますので、ブラウニー好きのアメリカ人のお話しを伺いました。
それによると、ブラウニーには大まかに二種類あって、一つはカカオマスの割合が多い、硬さのある正統派ブラウニーとあと一つはファッジという別名で呼ばれる、ココアパウダーやバター、粉などの割合が多い、軟らかいケーキタイプのもの、どちらもそれぞれファンがいるとか・・・。
で、食工房ならどちらか?やっぱり正統派で行きたいわけですよ。
なおかつオリジナリティーも出したいし、そこで頭をひねり試作を重ねた結果、食工房自慢の文旦ピールを入れたものが完成しました。
当然、スパイスワークも一工夫しています。
いつも、良い香りは上等なお菓子の生命だと考えていますから、これはレシピを練る時の一番の楽しみなんです。
さて、モノは完成しましたので、今度はかみさんにパッケージラベルのデザインを考えていただきましょう。
すでに「パンだより」にも告知しましたので、早々とご注文もいただいています。
定休日明けのあさってには、正式発売にこぎつけられそうです。
奥会津アイリッシュコンサート
picture by Machiko Aoki
昨年10月1日、会津金山町の妖精美術館で催された奥会津アイリッシュコンサート、昨年の大成功で盛り上がったスタッフの情熱と出演者のご協力により、今年もまた開催出来ることになりました。
地方の、そのまた辺境と呼ばれるような場所だからこそ、文化的価値の高いイベントを開催する意義はいっそう大きい、という趣旨に賛同したボランティアスタッフのみの企画運営による昨年のコンサートには、主催者の予想を上回る方のご来場をいただきました。
一日の来場者としては、妖精美術館始まって以来ということでした。
今年は、出演者のメインゲストとして、昨年と同じアイルランドで一番のティンホイッスルの名手、ショーン・ライアンが来日します。
それから、ショーンの来日時にはいつも一緒に演奏している守安功&雅子ご夫妻。
そして今回は、会津の地元からフェアリーランド(片山紀彦&れい子)の出演もお願いしています。
なお会場では、食工房の出張カフェも開店します。
パンや焼き菓子の販売もあります。
開催日時は、10月13日(土)開演時間など詳細は未定。
料金、チケットの販売などについても未定です。
なお、今年も主催者母体である「会津愛蘭土音楽会」のメンバーを募集しています。
コンサートの企画運営にボランティアで参加していただける方ならどなたでも会員になることが出来ます。
ただし、会員になっても特に恩典があるわけではありません。
チケットも無料にはなりません。
あくまで、趣旨にご賛同いただける方の参加を募ります。
(打ち上げパーティーには優先的にご参加いただけます。)
これから毎月一回、コンサートの実行委員会を開いて行きますので、ご参加いただける方はご連絡ください。
「奥会津アイリッシュコンサート」のホームページがあります。
昨年のコンサートの模様を記録した画像も見ることが出来ます。
連絡先もそちらで分かりますので、是非ご覧ください。
なお、食工房でもお問い合わせにお答えしています。
ご連絡先は、こちらから。
本日の食工房
連休が終わり、明日、あさっては定休日なので売るものもなくなり、開店休業状態でした。
せっかくご来店いただいた方には、申し訳ありませんでした。
今週からまた普段どおりの、長閑なパン屋に戻ります。
皆様のご来店をお待ち申し上げております。
集う力、世界の平和
今日は、4/3のブログに登場したMerryLandの編集長のCHAさんの引っ越し祝いに出席してきました。
私の知り合い、CHAさんの知り合い、両方の知り合い、顔なじみの方、そして初めてお顔を拝見する方、いろいろな方が一同に会して楽しく会食し、生演奏の音楽に耳を傾けました。
会話が弾むほどに、お互いのことに興味を誘われ理解が深まり、それまで知らなかった新たな個性を発見し、私は、何と言ったら良いのでしょう、その場が愛情に満ちて来るのを心地良く感じながら過ごしていました。
若い頃、集まりさえすればすぐに何かが出来そうな気がして、ワァーッと集まっては何も出来ずに失望し、やがてしらけてしまって集団の力など信じるものかと思うようになっていました。
でも、この歳になって少しは人生経験が足りて来たからかどうか・・・、やっぱり何を成し遂げるにも人の力だと改めて認識しているところです。
そして、人が集うところには力も集まるのですね。
集団の力は時に気まぐれでコントロールしにくいものであり、時に恐ろしい魔物のような存在にもなってしまいますが、今日の集いは人が集う時に大切にされるべき何かを、皆さんが共有しているのが私には分かりました。
そして世界の平和は、案外こんなところから始まるのかも知れないと思いました。
自ビール
こどもの日の話題にはふさわしくありませんが・・・。
天然酵母を自家培養していると、必然的に興味を誘われるのが酒造りです。
パン用の酵母も酒造用の酵母も、元は同じものです。
アルコール発酵しながら炭酸ガスを発生する性質を持っています。
パン種を培養していると、微量のアルコールが精製されて来る感じがよく分かります。
「ひょっとして、これで酒が造れる?」と素朴な好奇心がわき起こるのを止めることは出来ませんよね。
で、私もいろいろやって見ました。
これまでに上手く行ったのは、カシス(黒すぐり)のワインとビールです。
カシスのワインの方は最近ちょっとお休みしていますが、ビールはなくなると次のを仕込むという間隔で続けています。
本当はモルトづくりからやってみたいところですが、まだそこまで時間的余裕がないので、市販のビールキットを使用しています。
付属のイーストは使用せず、我が阿武隈・飯豊酵母の登場です。
天然酵母仕込だと、微妙に酸味が出たりするのですが、これが旨いと思えるのは私だけではないようです。
もっとも、ボトリングしてから半年も置いておくと、すっかり酸味が消えて、やわらかく且つ濃厚な風味に変わっていたのには驚きましたね。
写真のビールは、ブラックロック製モルト・マイナースタウトをオールモルトで仕込んだもの。
昨年8月に仕込んで、10月に「奥会津アイリッシュコンサート」が催された折、アイルランドから来日したミュージシャン、ショーン・ライアンにご馳走したところ、パスチャライズ(火入れ殺菌)する前の時代のギネスの味がするとの評価。
ミュージシャンが、こんな専門的な評価に及ぶとは思いませんでした。
まあ、褒められたということでしょうか。
他に、チェコピルスナー、レッドエールも試しています。
ところで、私はアルコール過敏体質なので、せっかく造っても少ししか飲めません。
大方はおみやげに差し上げています。
夏までにはまた仕込んで置いて、皆さんに楽しんでいただこうかなと思っています。
本日の食工房
今日もあちこちからお客様が見えました。
そして今シーズン初めて、アイスコーヒーのオーダーがありました。
これから初夏へと季節はどんどん進んで行きます。
来週末あたりから、この辺でも田植えのシーズンになります。
ふたたびフィンランド
この前からずっとフィンランドの世界一が気になっていましたので、ネットの力を借りていろいろ調べています。
また知り合いが、新聞の切り抜きを回してくださったりで、少しずつ資料がたまって来ています。
そんな中から二つほど話題を・・・。
「政治家の汚職が世界一少ない国」と多分大いに関係があると思うのですが、フィンランドは世界的に見ても税金の高い国として知られています。
当然のこととして、国民はその税金がどのように使われるのか、政治家や公務員に不正行為はないか、大変高い監査意識を持っているわけです。
逆に議員報酬などは低く、国会議員でも生活のために別に仕事を持っているのが普通で、地方議会の議員と掛け持ちしている人もいるそうです。
国民の高い監査意識と利権を生みにくい社会制度が合わさって、政治家の汚職を防いでいると言えそうです。
日本の私たちの感覚だと、税金が高いことは即悪いことだと認識していますが、フィンランドの人の意識はちょっと違っているみたいです。
もう一つ「図書館の利用率が世界一」は、とても明確な理由のようです。
人口520万人のフィンランドでは、本の出版部数もずっと少なくなります。
本の値段は必然的に高くなりますから、よほど気に入って手元に置きたい本以外は、図書館で借りるという選択になっているわけです。
そして、子どもの学力のこと、教育のことが何と言っても大きな関心事ですが、これはまた次の機会に・・・。
さて堅い話ばかりでは申し訳ありませんから、楽しいフィンランドのことが分かるサイトを二つご紹介しておきます。
フィンランド政府観光局
マイスオミ
本日の食工房
今日は、さすがゴールデンウィークと言えるお客様が多勢見えました。
東京から、新潟から、今回初めて食工房を知った方、地元出身で東京から帰省中の方、ご常連の方のお友達など、次々と訪ねて来てくださいました。
写真は、東京からツーリング中の方のバイク。
食工房がいつもお世話になっている、北塩原の「あらさと」というお蕎麦屋さんに立ち寄っ時、うちをご紹介いただいたとか・・・。(あらさとさん、いつもありがとうございます。)
若いご夫婦でしょうか、お二人で一台ずつ400cc単気筒のバイクに跨って颯爽と旅立って行かれました。
かっこよかったです!
私も昔、独り者の頃はライダーだったんですが・・・。
阿武隈・飯豊酵母
食工房で使用している酵母は、完全自家培養天然酵母です。
「阿武隈・飯豊酵母」の名の由来は、今から17年前に阿武隈山中の沢水から酵母種を起こしたことに始まります。
それから14年間毎週一回、たまに休んだ時を考慮しても700回余り継ぎ種培養して来ました。
「継ぎ種」というのは、「かけ継ぎ」とも「老麺法」とも言いますが、元の種を全部使い切らずに残し、新たに材料を加えて再び増殖活性化しながら、繰り返し使い続けて行く方法です。
西洋でも「サワードゥー」の名でよく知られた方法です。
阿武隈山中では、ずっと同じ沢の水を直接使い続けましたので、季節季節に様々な状態の酵母菌や乳酸菌が混ざり合って、複雑な風味を生み出していました。
雑菌の混入も免れなかったと思いますが、培養の段階で乳酸菌が生成する酸と酵母菌が生成するアルコールによってほぼ完璧に死滅させられるので、まずそんな心配をしたことはありません。
会津で正式にパン屋を始めてからは、水道水を使うようになりましたが、年に1回は飯豊の麓まで出かけて山の水を汲んで来て入れます。
こちらでも3年間に毎週2回ずつ、すでに150回以上継ぎ種しています。
これが「阿武隈・飯豊酵母」の由来です。
ところで、酵母は大変デリケートな生物で、別な強い種が入ると今までの種が淘汰されてしまうこともあり得ますので、イーストも含め他の酵母は一切使わないよう、作業場に持ち込まないよう気をつけています。
これまでの17年間に、2回ほど危うく絶えさせる寸前の危機に遭遇しましたが、奇跡的に回復し現在に至っています。
また、別に半年間冷凍した種を再培養して耐冷テストもやりましたが、問題なく再生するタフさを見せてくれました。
おかげさまでもうずっと以前から、自分のパンの風味は変わることなく、いつ食べてもすぐにそれと分かる個性を保ち続けています。
飯豊山食パン 1斤
本日の食工房
今日は連休後半初日、この時期毎年、千葉県から訪ねて来てくださるご家族が、やはり今年もいらしてくださいました。
他にも一年ぶりという方が、去年買っておいしかったからと、いらっしゃるなりすぐにお目当ての品を手に取られ、これは本当にうれしかったですね。
皆様のこうした情熱に支えられて元気を出しています。
来年またご来店いただいた時も、変わらず店を開けていられるようがんばります。
コーヒー好きは、おこげ好き!?
コーヒー通信、今週は食べ物の好みに関する話題です。
人の食べ物の好き嫌いについて研究した資料によると、コーヒーが好きな人が共通して好む味は、焦げたものの味だそうです。
例えば、こんがりと良く焼けたトースト、ご飯のお焦げ、焼き芋、いり胡麻、ドーナツ、そして極めつけは燻製品、言われてみるとどれもこれもウンウンとうなずけるものばかりです。
そうです、そもそもコーヒーの風味はコーヒー豆を焦がすことによって出て来るのですから無理もありません。
コーヒー好きの貴方、煎茶とほうじ茶のどちらが好き、と聞かれたら何とお答えになりますか。
私は迷わず、ほうじ茶ですね。
この資料によると、コーヒーよりも煎茶や紅茶などを好む人の食べ物の好みは、コーヒー好きの人とは対照的であるらしいです。
さて貴方は、コーヒー党ですか煎茶党ですか、それとも両刀使いですか・・・。
食工房オリジナルブレンド
食工房では、只今4種類のオリジナルブレンドを用意しています。
それぞれミディアムローストベースですが、全てのブレンドに一定割合の深炒り(フルシティーロースト)豆を入れています。
一見ひどい炒りムラに見えて、何だこの豆は!と言われてしまいそうなのですが、一度味わっていただければたいていの方が納得してくださいます。
この少量の深炒り豆の効き目は大したものです。
適度に酸味を和らげ、香りを高め、苦みとコクを加え、後味のキレを良くしてくれます。
お店で召し上がる方のためには、お好みに合わせて深炒り豆を別に粗挽きし、その場でブレンドするという気づかいもしています。
さて、そのブレンドレシピは・・・、企業秘密です。
食工房のパンだより 新緑(5月)号 配布中
プリントバージョンの「パンだより」が出来ました。
ご来店者には直接手渡しで、遠方の方にはメール便で、さらに今度からはご希望があれば、PDFファイルにしたものをeメールに添付してお送りすることも出来ます。
お申し込みはコメントで。(メールアドレスは公開されません。)