月別アーカイブ: 2010年8月

ドライトマトのパン・試作その1


サックリ感がうれしい、皮のおいしさ
後からトマトの酸味がジワーッと来る中身
 
1個200g弱の食べ切りサイズ



もう少しドライトマトの量を多くしようと思っています。 



 生地の段階では、こんなにいっぱい入れてるんですけどね・・・。


 


何か目新しいことをする時は、いつもにない意欲が湧くものですね。
だからたまに新製品を造ることは、仕事にメリハリが付いていいのです。


それで今日のドライトマトのパン、ある程度勝算もあったのです。
今回の試作で、ほぼ製品化の目途が立ちました。
あとは入れるドライトマトの量を増やすくらいでOK。


形も可愛らしく、色合いもいかにもトマトのパンらしく仕上がりました。
内容も、小麦全粒粉20%配合で健康食仕様です。
トマトは、無農薬有機栽培。
オーブンの余熱でドライ加工して、オリーブ油に漬け込みました。
<参照1> <参照2>


只今店頭にてご試食いただけます。


  「相川の日曜市」 明日もやります。

  午前10時開店・午後3時まで

無農薬有機栽培の野菜と食工房のパンが並びます。
コーヒーサービスもあります。
トマトパンの試食も・・・。


さあさあ、ご来店、ご来店! お待ちしております。

秋の気配

相変わらず暑い日が続いていますが、それでも夕方日が暮れると、辺りから聴こえて来るのは秋の虫の声です。
コオロギ、邯鄲、スズムシ・・・。
漂う空気はまだ生暖かいのですが、日中の暑さに比べればいくらかでも涼しく感じます。


そして今日あたりは何だか、空気が澄んで来たように感じたのですね。
飯豊連峰が良く見通せました。
夜になって、月明かりと星空の美しいこと・・・。
自然はいいですね。


食工房のパンづくりも、清浄な水に恵まれてこそ出来る仕事ですから。
本当に、この環境はありがたいです。


さて明日のパン焼きは、試作品を一つ挑戦です。
先日下ごしらえしておいたドライトマトを使います。
食工房のパンに、また一つ新境地が生まれるかどうか、明日の試作にかかっています。


試食品、どんどん召し上がっていただきます。
皆さまのご来店、お待ちいたしております。
どうぞよろしく。

空色カフェさん、22日まで


空色カフェ・2008年5月の写真です


食工房のコーヒー豆を使ってくださっている、会津三島町の「空色カフェ」さんが、今月8月22日を以て閉店することになりました。
ただし閉店と言っても今後の計画はお持ちの様なので、それを期待するしかありませんが、素敵な環境の中にあるちょっとあり得ないカフェだったので、正直残念です。


かく言う私も、何だかんだと忙しくてずい分長い間訪ねていませんので、甚だ身勝手な言い分ではありますが。


何と言ったら良いのでしょう・・・。
私にしても、今年あたりは何だかやたらに忙しくて、かと言って経済的には余裕も何も無くただ回転させているだけのような状態です。
社会の回り方も、何だかおかしいような・・・。


いい仕事をしている人が生き残れない世の中・・・?
そんなことを思っていたら、知り合いのあるパン屋さんが廃業を考えているらしいと伝わって来ました。
いいパンを焼いているのに・・・。


何か、世の中、どんどんつまらなくなって行くような気がして仕方ありません。


でもだからこそ、食工房は私の命がある限り、どんなに小さくてもまわりに向かって喜びのエネルギーを発信し続けたいと思っています。


それにしても、営業しているうちにもう一度お訪ねしたいと思っていましたが、どうやらそれも難しいようです。

最近コーヒー豆事情

コーヒー自家焙煎を始めてもう20年余りになりますが、最近気が付いていることがあります。
その一つは、生豆の品質と言うか、選別の状態が悪くなって来たことです。
以前に比べ、欠点混入の割合が目立って多くなりました。
おかげで、焙煎前の手選別作業の負担が大きくなり、ご注文に間に合わないこともあるほどです。
どう贔屓目に見ても、選別を極端に甘くしたかあるいは全くしていないか、そんな風にしか見えない状態の生豆が入荷するようになりました。


これは一体どういうことなのでしょうか。


いつか輸入元に問い合わせて見たいと思っていますが、「そんなものですよ。農産物ですから。」とかわされてしまいそうな気がして、まだ実行していません。


それよりもう長い間、正確な手選別が優れた焙煎業者のお手並みだと、私なども大いに振れ込んだ覚えがありますので、いつの間にか選別は我々がやるべきものだという流れが出来てしまったのかも知れませんね。


この選別工程は、本当はかなりの程度まで機械化出来るのです。
ただし、設備には高額の費用がかかりますから、零細な生産者は導入出来ないという事情もあります。
全てを生産者に押し付けるのは可愛そうなことは分かりますが、我々の能力にも限界があります。
間に入る輸入元業者側でもう少し何とかならないものかと、頭を抱えている私です。


ところで、食工房テイストを支えて来たブラジル産の生豆が、次々と在庫切れ終了となり、遂に全て品切れとなりました。
彼のホアキンは、未だ再開の知らせが入りません。
ヴィーニョもそしてバージングランデも無くなりました。
そこで唯一の頼みの綱、セラード樹上完熟を一昨日オーダーしました。
しかしながらどんな豆が届くのか・・・、こちらは以前仕入れた時の状態が酷くて、物凄いロスを出してしまいましたので、正直恐々なのです。
今回、10kgだけの仕入れに止めました。


今、グァテマラ産のカフェ・マヤも凄い状態で、50%超えのロス率のため返品を考えているところです。


いくら無農薬有機栽培でも、他の条件は全て譲歩と言うわけには行かないのです。

お盆過ぎても・・・

残暑、お見舞い申し上げます。

今年の夏は、文字通り猛暑の夏になりました。

先日、「東北の夏は、お盆過ぎれば・・・」と申し上げましたが、その倣いは見事に打ち破られ、お盆過ぎても相変わらずの猛暑です。

お米などは、気温が下がり始めることによって登熟期に入りますが、こういつまでも高温続きだと次のステージに移行出来ないまま体力を消耗して、品質が悪くなってしまいます。
農業への影響は、必ずあると思っていなければなりません。


さて、暑くて困っているのはパン屋も同じです。
オーブンの余熱がいつまでも下がらないので、作業場はまるでサウナの様、ずっとお風呂のお湯に浸かっているようなものです。
蒸発が激しくて喉が渇きますので、水分補給には気を付けていますが、これも度を過ごすと胃腸を疲れさせますからその加減が難しい・・・。

梅干し一粒かじって塩分補給することもあります。
でも、塩分だけじゃありませんので、この前初めてスポーツドリンクを試してみました。
水だけ飲むよりは大分具合はいいようですが、他人に勧めるほどのものではありませんね。
気が向いたら程度のお付き合いです。


今日も蒸し暑くて、実質最後の休日となった一日、昼寝をしたり悪豆拾いをしたり、何だかメリハリのない過ごし方で、損した気分です。
明日から気持ちを切り替えて、またお仕事モードです。
いや、ありがたいことなのですが、早々からオーバーロード気味のご注文いただいてます。


がんばります。

営業再開とは言え・・・

どうも今年のお盆の暦は、食工房にとっては微妙な日程でした。

本日、夏季休業明けで営業いたしましたが、明日は定休日でまたお休みです。
営業すれば良かったのか知れませんが、先週夏季休業に入って二日間は休日返上で仕事をしましたので、明日の定休日は正直お休みしたいところなのです。

と言うわけで、本日は在庫もガラガラでパンも焼いておらず、ご来店くださった方には全く申し訳ない状態でした。
したがって、今週のクッキーは在庫切れのまま。
マフィンは、シマリス君の朝ごはんとそば粉マフィンの二種類を焼きます。


ところで、今年は畑のことをほとんど報告してませんね。
と言うのも、今年はいろいろと他の用事に時間とエネルギーを取られたおかげで、ほとんど手が出せずじまいでした。
植えるだけは植えたジャガイモも、未だに草に埋もれたまま。
かぼちゃも草薮の中で消えそう・・・。
さつま芋も、同じく・・・。
とうもろこしは、肥料の効きが悪かったのか生育不良で、やっぱり草の海に飲まれそうです。
キュウリとナスが少し採れたくらい・・・。


あんまりひどいので、今日は刈り払い機を持ち出して、ジャンジャン刈り倒してしまいました。
とうもろこしの一部、ネギの一部、さつま芋、ジャガイモがひょっとして、収穫出来るかも知れません。


畑がこんな風で、精神的に夏バテしそうです。
秋野菜の種まきが、もう時期になっています。
焦ります。

お盆過ぎれば

東北の夏はお盆まで、お盆を過ぎれば急に秋の気配が漂い始めるというのが、今までの倣いです。

昨夜の盆踊りは、時折激しい雨にたたられ、踊りの輪も何度となく途切れなかなか盛り上がりませんでしたが、
最後の30分くらいやっと雨が上がって、踊りの輪もつながってどうにか形になりました。
それでも、一年に一度しか見かけないお顔を沢山拝見しましたし、日頃顔なじみの方とも改めてご挨拶を交わしいろいろとお話ししたりしていると、部落の方々全員が一つの家族のような雰囲気になっているのが分かります。
私が子どもの頃生まれ育った高知の田舎でも、やっぱりそんなだったなァと思い出します。
いつもはキリッとして緊張感が漂っている駐在さんも、昨夜はすっかり和んだお顔だったのが印象的でした。


 


一夜明けて朝のうち大雨で、相川の日曜市も休みかと思われましたが、その後急にお天気が回復して来ましたので、約一時間ほど遅れて店開きしました。

食工房は夏季休業中で売るものはなかったのですが、ちょうど沼ノ平の小麦麺が出来上がっていましたので、それを10束余り持って行きました。
もちろん、ドコデモカフェセットは忘れません。
コーヒーサービスは、日曜市の顔にしようと思っているのです。

今日はまたお盆だからでしょうか、大勢のお客さまが次々といらして、今後につながる有意義なご縁をいくつか頂戴いたしました。


野菜も大方売り切れ、持って行った私の乾麺も全部売れました。

ありがとうございます。



沼ノ平の小麦麺


何と言っても小麦本来の風味、穀物のおいしさが感じられます。


全くこんな山の中の道端で、いきなり露店を始めてどんなことになるのだろうと思っていましたが、思いの他こうして早いうちからお客さまが訪ねて来てくださることに、正直驚きとまた何か手応えのようなものを感じています。
これからの世の中がどんなふうに流れて行くのか、予感は案外外れていないかも知れないと、密かに期待している私です。


 



天板一枚に収まる数がずっと少ないのが分かるでしょうか。何しろ大ぶりです。


さて夕方から、仕入れて来たトマトをドライトマトに加工しました。
と言っても、まだ乾燥中ですが。
今度のは、加工用の細長いトマト。
それも結構大きさのあるものです。
時間はかかると思いますが、ボリュームがあって食味や食感も良さそうです。



もちろん、コールドプレス・エクストラバージンオイル使用


それから、先日来造り溜めて来たドライトマトを、昨日オリーブ油に漬け込みました。
ニンニク一欠け、黒胡椒の粗挽き少々、塩少々加えて。
どんな仕上がりになるか、楽しみです。


さてさて、お盆も今日でお終い。
息子たちも帰って行って、我が家はいつも通りの静かな日常に戻りました。


今日もけっこう暑かったのですが、明日からは涼しくなるでしょうか・・・。

第二の故郷

私にとっては、故郷と言えば土佐の高知以外にありませんが、私の子ども達にとって故郷とは何処でしょうか。
6人の子ども達が生まれ育つ間、次々と引っ越しを繰り返して落ち着くことのなかった私たち。
子ども達にとって、故郷は無いに等しいのですね。
幼なじみとか同級生とかにほとんど無縁に過ごさせてしまったことには、親の私たちも少しばかり後悔の念があるのです。
しかしここ会津の地に来て以来、私たちのもういい加減に落ち着きたいと思う心に呼応するかのように、この地域の方々からはじっくりとお付き合いしていただいています。
土佐と会津、本当に何もかもが正反対の庶民性なのに、今の私には妙にしっくりして無理がないのです。

一昨日、昨日あたりから、この地区でも、都会に出ている若い方々が帰省して来て、県外ナンバーの車や普段見かけないお顔にお目にかかります。
私の家にも、二男夫婦と二人の孫が来ています。
三男は今年のお盆は用があって来られないものの、明日の盆踊りには、四男夫婦と孫も顔を見せてくれます。
私にとっては元々は縁もゆかりもなく、借家住まいのこの家が、子ども達にとっては実家であり、故郷とも呼ぶべき拠り所になっているのですね。
何となく昔からのここの住人のような気分になれて、正直うれしいのです。

でも皆さんがお墓参りに墓地に向かう姿を見ると、それだけが私たちにはあり得ない風景だと、ちょっとしんみりとした気持ちになってしまいます。
もしこの私と連れ合いがここに骨を埋めることになって、子ども達の誰かが居を構え墓守をしてくれることになったら、その時こそここは子供たちにとっての故郷、私にとっても第二の故郷になるのでしょう。


今夜も、盆踊りのお囃子の笛と太鼓の練習をしている音が聞こえています。


よろしかったら、こちらの過去記事もご覧ください。<こちら>
私の思いを汲み取っていただけたら幸いです。

衰退から消滅へ


40年も前に統合閉鎖された分校跡の記念碑

分校は、もはや使われることもなく、朽ち果てるのを待っている。


このショッキングな台詞は、今の日本の山間僻地の状況を言い表しています。
高知県の私の生まれ故郷の辺りでも、この言葉がピッタリ来る場所が沢山あります。
先日ご紹介申し上げた、従兄のブログの記事<こちら>の中で触れられていたように、子どもの姿を見かけなくなったそうした場所は、この日本の至る所にあります。
そして、用の無くなった小さな分校はもちろん、本校であった学校までもが閉鎖され、老人集会施設に様変わりしていたりするのですね。
やがてそれも、人口減少の末にまたしても無用となり、消滅を迎えた集落と共に打ち捨てられることになるのでしょうか。


今多数を占めている高齢者が、自分たちの老い先ばかり案じて、若年者や子ども達に対する配慮を欠いたのでは、その社会に未来はあり得ないと思います。
あと十年もすれば、成す術もなく消滅を迎える地域が続出するはずです。


消えて行くならそれはそれで受け入れるしかありませんが、人の世の続く限り失いたくない大切なものが、そこにはある、あった、それを未来を担う人たちに今のうちに受け継いでおいて欲しい、また確と記憶に留めておきたいと思っている私です。


14年間の山暮らしの記憶が、私の中で警鐘を鳴らし続けています。

カリーソース・レシピのご案内

以前からこのブログをご覧になっている方は、もうご存知と思いますが、最近ご覧になり始めた方は、多分ご存じないはずですね。
カレーパーティーの時も言われたのです、レシピを公開してくれればいいのにと。
いや実は、もうすでに公開してますよ!ということで、保存版過去記事へのリンクを貼っておきます。
昨年も同じことをやっているのですね。
今年は今年、新しい方にも出会いましたし。
どうぞ皆さま、ご参考に。
おいしいカレーを存分にお楽しみください。

「スパイスワークの一日」 2008.6.9
「カリーソース vol.1」2008.6.28
「カリーソース vol.2」 2008.6.29
「スパイシーマサラチャイ」 2008.7.2
「ナン」 2008.7.3
「カリーソース vol.3」 2008.7.7
「カリーソース vol.4」 2008.7.13
「プラムのチャツネ」 2008.7.14
「カリーソース vol.5」 2008.7.20
「いざトマト」 2008.9.26
「挽き肉とナス科のカリーソース」2008.9.27

以上は、食工房オリジナルのレシピです。(当日提供したのは、その中のカリーソースvol.2 です。)

なお当日調理担当してくださった、他の3人の名人さん方のレシピは、それぞれお尋ねいただければ、教えてくださるかも知れません。